麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2014年01月04日
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2014年01月04日(土)
風見潤「闇の夢殿殺人事件」読了。天文考古学者・神堂賢太郎は恋人の奈々から失踪した友人の姉・玲子を探してほしいと頼まれる。玲子は聖徳太子の生まれ変わりである新興宗教・徳聖教団の教祖の子供を生んだと主張していた。それから暫くして玲子の他殺体が発見され、容疑者には鉄壁のアリバイが――。
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posted at 15:28:15
闇の夢殿という法隆寺の夢殿を模した窓一つない奇妙な建物を持つ、謎の宗教団体を巡る殺人事件という設定だけでも美味しいのに、そこへ暗号、アリバイトリック、密室、更に教団の秘密まで盛り込んだ贅沢な作品。しかもそれらが僅か二百頁強の分量の中で有機的に繋がっているのが凄い。
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posted at 15:28:29
とはいえアリバイトリックに関して言えばかなり綱渡りではあるものの、ミスディレクションと偶然性を考慮すればギリギリあり。個人的に最も感心したのは密室の使い方で、ある事実と絡めることにより犯人特定のロジックに繋げているのが巧い。
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posted at 15:28:47
また最後に明かされる教団の秘密に至っては、教団の設定が絶妙なカムフラージュになっているのもさることながら、ある小道具が意外な伏線として機能しているのがいい。本作は斬新なトリックこそないものの、伏線と構成に作者の技巧が窺える佳作である。
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posted at 15:29:07
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