麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年02月18日(水)
河合完爾「粗忽長屋の殺人(ひとごろし)」読了。相次いで婿が短命で死ぬ謎、義太夫に隠された秘密、粗忽者の男に瓜二つの死体の正体、ある花魁に纏わる二人の男の話が食い違う理由……古典落語に隠された不可解な事件を長屋のご隠居が名推理で解き明かす連作ミステリ。
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posted at 09:53:09
名作落語をミステリ仕立てにすることでもう一捻りした、作者初の連作ミステリ。全編ミステリではお馴染みのガジェットを使って巧く料理しているが、その反面、手掛かりから真相が透けて見えてしまうのと、些か同じ設定が使われがちなのが気になる。
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posted at 09:53:22
しかしながら、これまでの作者の作品にはなかった「しゃべくり探偵」を思わせる漫才のような語り口は新鮮で、そういう意味では作者の新たな可能性を感じさせてくれる興味深い作品である。
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posted at 09:53:40
辻真先「にぎやかな落葉たち」読了。北関東の山間に建つグループホーム「若葉荘」。一癖も二癖もある入居者ばかりが集まるその建物で大雪の日、射殺死体が密室の部屋から見付かる。警察が雪で来られない中、ホーム最年少の少女スタッフ・綾乃は隠された因縁を解き明かし、真相に迫ることができるのか?
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posted at 23:07:34
雪の山荘物の傑作。本作はトリックもさることながら、それ以上に「何故そのトリックを使ったのか」に力が入れられており、全体の半分以上を使って丹念に描かれた登場人物たちの関係を踏まえたその真相には思わず慄然とさせられるものがある。
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posted at 23:09:24
「21世紀はじめての密室」というサブタイトルに込められた意味にも驚かされたが、個人的には第二の事件の殺害方法とそれを使った理由もなかなかに強烈。本作は荒唐無稽なトリックにはそれ相応の理由がいるという作者の主張がひしひしと伝わってくる作品である。
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posted at 23:09:57