麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2015年02月20日
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2015年02月20日(金)
鳥飼否宇「絶望的 寄生クラブ」読了。准教授・増田米尊は最近、発表用の論文がいつの間にか書いた記憶のない小説に入れ替わっている現象に悩まされていた。しかも「処女作」「問題作」「出世作」「失敗作」と題された四編の小説はいずれもバカミスばかり。増田は作者もとい犯人探しに乗り出すが……。
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posted at 22:37:02
「処女作」「問題作」「失敗作」というタイトルからぴんとくる人もいるかもしれないが、本作は既に雑誌などで発表されているノンシリーズ物のバカミス短編を巧みに増田米尊シリーズの連作ミステリとして仕立てあげた作品である。
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posted at 22:37:31
ただ個人的な見解としては本作はバカミスという一言では収まらないように思う。例えば「処女作」は処女懐胎を密室に見立てた内容だけ見ればバカミス以外の何物でもないが、最後に明かされるあるメタ趣向には思わずハッとさせられる。
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posted at 22:38:06
それは連作としての仕掛けも同様であり、バカミス以上に自分は本作を優れたメタミステリとして評価したいと思う。ちなみにベストを挙げるなクライムサスペンス風の「問題作」で、バカミスというより西澤保彦が書きそうなゾクリとさせる異常な動機が実に秀逸な一編である。
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posted at 22:39:04
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