麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年02月07日(日)
仁木悦子「冷えきった街」読了。学校経営者である竪岡清太郎の長男・清嗣がガス中毒で死にかけ、次男・冬樹が暴漢に襲われ、更に末娘・このみの誘拐を予告するという脅迫状までが舞い込んだ。清太郎は探偵の三影潤に事件解明の依頼をするが、予告された当日に清嗣が何者かに毒殺されてしまう。
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posted at 22:33:36
私立探偵・三影潤が活躍するシリーズの長編。本作は一般的にはハードボイルド作品と見なされているが、確かに探偵の地道かつ体を張った捜査や不良少年との心の交流、取り戻せない過去の重み、全てが終わった後の哀愁感など作中のそこかしこにハードボイルド要素を見ることができる。
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posted at 22:33:58
その一方で過去の事件の犯人を特定するロジックや盲点をついたアリバイトリックなどミステリとしても見るべきところが多く、しかもそれらをハードボイルドの中に違和感なく溶け込ませているのはさすがの一言。ハードボイルドならではの人間ドラマと本格ミステリを巧く融合させた秀作である。
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仁木悦子「夏の終る日」読了。浮気調査の依頼人が巻き込まれた殺人事件。依頼人の無実を信じて私立探偵の三影潤は調査に乗り出すがやがて彼自身も警察から疑われる羽目になる表題作の他、赤ん坊を連れ去ろうとした犯人を父親が誤って殺してしまった事件が二転三転する「しめっぽい季節」など五編収録。
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posted at 22:34:20
私立探偵・三影潤シリーズの短編集。収録作はいずれも何気ない小道具からの気付きが巧く、中でも表題作はその気付きの連続によって事件の様相を何度もひっくり返してみせる展開が素晴らしい。また、なんだかんだで事件に関わってしまう三影潤の人の良さも魅力の作品である。
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posted at 22:34:40