麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年02月10日(水)
小林泰三「安楽探偵」読了。熱狂的ファンの中年男に執拗に真似される恐怖を語る人気アイドル。何者かに太る薬を盛られていると主張するダイエットマニアの女。客が持ち込んだ食材を調理する風変わりな店で消えた娘を探してくれと訴える夫婦……事務所から一歩も出ないものぐさな探偵の推理とは?
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posted at 04:19:24
全六話からなる安楽椅子探偵物の連作ミステリ……なのだけど、収録作のほとんどがミステリよりも作者らしい黒い笑いの方が強いため、謎解きがあってもあまりミステリを読んだ感じがしないのが難。とはいえ連作としての纏めに関しては前例があるものの、ちゃんとミステリしていると言えるだろう。
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posted at 04:19:48
松村涼哉「ただ、それだけでよかったんです」読了。ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。『菅原拓は悪魔です』という遺書を残して。だがKは人気者の天才少年で菅原拓はスクールカースト最下層の地味な生徒だった。悪魔と呼ばれた少年がその物語を語り始める時、驚愕の真実が浮かび上がる。
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第22回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作。読み始めは文章に色々引っ掛かるところがあるが、物語を引っ張る力がそれを補ってくれる。内容紹介や帯の推薦文を見るといかにも構図の反転物のミステリっぽいが、事件の真相は予測の範疇に過ぎないため、ミステリを期待して読むと肩透かしを覚えるかもしれない。
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posted at 10:51:38
とはいえ事件の構図はそれなりに考えられているし、イジメというテーマありきの物語としてはよくできている。あくまでミステリ風の青春小説として読んだ方が楽しめる作品である。
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posted at 10:51:46
殊能将之「殊能将之 未発表短篇集」読了。犬恐怖症の男が隣人とその飼い犬の様子がおかしいことに気付く「犬がこわい」、凶暴な男達が繰り広げる命がけの遊戯「鬼ごっこ」、死んだ妻を甦らせようとした男とその友人が巻き込まれた不可思議な出来事「精霊もどし」など作者の没後に発見された四編収録。
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posted at 22:09:25
作者が「ハサミ男」でデビューする前に書かれた習作三編に「ハサミ男」が出版されるまでの顛末を綴った私小説「ハサミ男の秘密の日記」を収録した短編集。正直言うと出来はあまり期待していなかったのだけど、いざ読んでみたら、これが普通に面白くて驚いた。
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posted at 22:09:36
ユーモアと警句に彩られた収録作はいずれも殊能将之らしさ全開であり、作者のファンは元より、作者のファンでなくてもその魅力の虜になるであろう可能性を十二分に秘めている。どれも甲乙つけがたいが個人的には映画好きだった作者のセンスが最も感じられる「鬼ごっこ」が好みだった。
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posted at 22:09:53