麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2016年03月10日
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2016年03月10日(木)
仁木悦子「枯葉色の街で」読了。気のいい若き詩人・江見次郎はスリに押し付けられた財布を持ち主に返そうと、中に入っていた八枚の名刺の主を訪ねて歩く。だがその途中で彼は画家・的村の変死体を発見。更に的村の幼い娘・ミチルを預かったのがきっかけで、その死の謎を追うことになる。
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posted at 22:18:00
作者が「若い女性に向く推理小説を」という注文に応えて書いた作品。スリに押し付けられた財布の持ち主探しをしていたら、偶然殺人事件に遭遇……という本作の展開は、下手をすればリアリティの欠片もないと叩かれそうだが、そこはキャラクター作りに定評がある作者のこと。
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posted at 22:18:34
お人好しの若き無名詩人という、いかにもそんな行動をとりそうなキャラを主人公にすることで物語にきちんと説得力を与えている。それだけでなくパズラーとしての伏線も物語の中に巧みに織り混ぜており、後になって読み返してみてそのフェアさに唸らされる。
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posted at 22:18:50
ただその反面、伏線以外にミステリとして語るところがあまりないのが難だが、逆を言えば奇抜なトリックがなくても伏線だけで優れた本格が書けることを証明した良作である。
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posted at 22:19:14
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