麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
Favolog ホーム
» @mysteryEQ
» 2016年11月12日
並び順 : 新→古 | 古→新
2016年11月12日(土)
山田正紀「妖鳥(ハルピュイア)」読了。隙間をテープで外張りされた無菌室の密室で首を吊った意識不明の重症患者。何もない所から噴き出した火により焼死した准看護婦。墜落した場所から何十メートルも離れて発見された医師の死体……聖バード病院で次々と起こる不可解な事件は全て妖鳥の仕業なのか?
タグ:
posted at 15:58:23
巨大な円柱のような病院で続発する異様な事件を描い作で出てくる謎はどれもすこはぶる魅力的でそれを追うだけでも充分面白いのだが平行して語られるどこかに監禁された記憶喪失の女の話がまた実にスリリングで、かつその話がどう繋がるのか全く読めない所が物語のいいアクセントになっている。
タグ:
posted at 15:58:40
ちなみに自分が読んだ幻冬舎ノベルス版の内容紹介を見るとさもトリックが凄い作品のように思えるが、本作の見所はトリックやよりもむしろ意外な犯人と動機、その構図にあり、特に前述した記憶喪失の女の話が繋がった直後に見えてくる動機と奥深い構図が圧巻。
タグ:
posted at 15:58:56
また真相の一部が明らかになると共にクローズアップされる犯人の正体とその神出鬼没ぶりにも驚かされたし、ある意味名探偵という存在を逆手に取ったミスディレクションも秀逸。読了後、本作を指して法月綸太郎が〈「シンデレラの罠」と「虚無への供物」が出会う〉と称したのにも納得がいく傑作である。
タグ:
posted at 15:59:12
スポンサーリンク