麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年02月25日(土)
初野晴「ひとり吹奏楽部」読了。飼い犬が吠えたり唸ったりする理由、一万円を受け取ったまま帰ってこないお店のお婆さん、親友がバイト先で見せる不可解な行動、一人で吹奏楽部を存続させた人物の正体……清水南高校吹奏楽部に集まった個性的なメンバーの知られざる青春と日常の謎を描いた短編集。
タグ:
posted at 17:59:08
ハルチカシリーズの番外編的短編集。主役以外の吹奏楽部メンバーにスポットを当てるというのが本作のコンセプトであるためか、残念ながらシリーズの主役である春太と千夏の二人は出てこないものの、それでも二人のことが話の中で語られるだけで強烈な存在感があるのはさすがと言ったところだろう。
タグ:
posted at 17:59:52
ミステリとしてみるとネタ自体はどれも小粒なものだが、時にさりげない技巧でドキリとさせてくれるのがいい。特にそれが顕著なのは「風変わりな再会の集い」で、これ以上ない形で一言で示される真相が実にスマート。また「巡るピクトグラム」のこのキャラだからこそできるちょっとした騙しも○。
タグ:
posted at 18:00:38
そして本作のトリを飾る表題作に至っては、それまでのエピソードの積み重ねがあるからこそ活きてくる内容とラスト一行で綺麗に収束させる点が圧巻の一言に尽きる。完全にシリーズ読者向けの内容だが、小粒なネタを物語として巧く昇華させた作品である。
タグ:
posted at 18:01:02
あと「ひとり吹奏楽部」、相変わらずギャグのキレが良かった。個人的なお気に入りは「難しいんだよ、あいつは。俺とはじめて会ったとき、恥ずかしがって『ドグラ・マグラ』の本で顔を隠していたような女だったから。意味ねーよって感じで」。
タグ:
posted at 18:01:17