麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年10月01日(日)
陳浩基「13・67」読了。検挙率100%の元刑事クワンは末期ガンで死の床にある中、イエスとノーの意思表示だけで殺人事件の真犯人に迫れるのか? 名探偵最後の事件を皮切りに現在(2013年)から1967年へ、一人の名刑事の警察人生を遡りながら香港社会の変化を辿る全六編の連作ミステリ。
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posted at 05:07:07
「世界を売った男」で第2回島田荘司推理小説賞を受賞した作者の、受賞後第一作。基本的に重厚な警察小説である一方で、名探偵と犯人の熾烈な頭脳戦とめくるめく構図の反転で構成された本格ミステリでもある本作はさながら横山秀夫と連城三紀彦のハイブリッドと言ってもいいかもしれない。
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posted at 05:07:19
収録された六編はいずれも二重三重の企みが仕掛けられており、見破ったと思ったらまだその先にどんでん返しがあったというようなこともしばしばだ。一部特殊知識がないと解けないものもあるが、それは瑣末なことに過ぎない。個人的には悪魔的とも言える一話と四話の構図に最も痺れた。
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posted at 05:08:03
一話は警察小説らしからぬ究極の安楽椅子探偵的シチュエーションもさることながら、犯人と探偵による本格ミステリのあるテーマの応酬から見えてくる光景が秀逸。一方、四話はTHE 警察小説と言うべき展開がまさかのチェスタトンと結び付いて唖然とする真相を突きつけてくれる。
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posted at 05:08:26
またいきなりクライマックスとも言える名探偵最後の事件から始まり徐々に過去に遡る本作の構成にもきちんと意味があり、ラストの物語を読み終わった時に明らかになるある繋がりには思わず嘆息せずにはいられなかった。
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posted at 05:08:38
一人の名刑事の警察人生を香港社会の変化と共に描いた本作は「第三の時効」にも匹敵する警察小説と本格ミステリを極めて高いレベルで融合したオールタイムベスト級の傑作である。
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posted at 05:10:08