麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2017年11月29日(水)
倉知淳「皇帝と拳銃と」読了。犯罪計画は完璧なはずだったのに……一体どこでミスを犯したのか? 恋愛小説家、主任教授、小劇団の主宰者、美人カメラマン──罪を犯した彼らを死神めいた風貌の警部が鋭利な推理で追い詰める全四編を収録。
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posted at 23:44:37
作者初の刑事コロンボ風倒叙ミステリ連作。全四編から成る本作は、最初の一編目「運命の銀輪」を読んだ時点ではそれほど凄みは感じられないかもしれないが、それも二編目の表題作から一変する。犯人が気付かれまいと細心の注意を払った結果、逆にそれが気付きになってしまうという倒叙の醍醐味。
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posted at 23:44:59
そしてそれ以上に決め手となるあるものがどこに示されていたか読み返してみてびっくり。このぬけぬけとしたやり口こそ、この作者の本領である。続く三編目「恋人たちの汀」も被害者のある癖を活かしたロジックで唸らせてくれるだけではなく犯人の心情に踏み込んだラスト一行が実に心憎い。
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posted at 23:45:18
ただ最終作「吊られた男と語らぬ女」に関してはメタ的な視点から仕掛けが読めてしまうのでやや見劣りはするかもしれないが動機面を丁寧に掘り下げているのでさほど不満は感じられない。個人的には表題作と「恋人たち~」を推したいところだが総じて完成度の高い倒叙ミステリの佳作と言っていいだろう。
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posted at 23:45:28
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