麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2018年01月14日(日)
望公太「最悪探偵」読了。探偵なんて仕事は最初から負け戦なんだよ。名探偵だの謎解きだの推理だの肩書きと格好だけは一丁前だが、その本質はただの事後処理。だったらせめて犯人だけでも敗北のドン底に突き落としてやらねえとな――最悪な探偵が最悪な容疑者を最悪なやり口で追い込む、痛快事件録。
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posted at 16:42:17
謎解きには一切興味がないが犯人だけは絶対に追い詰める探偵が活躍する全三話構成の連作ミステリ。作中で青酸カリを使った毒殺事件をベタの一言で片付けたり後期クイーン問題を取り上げたりしている点からも分かるように本作はある程度ミステリ知識がある人間の方が楽しめる作品に仕上がっている。
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posted at 16:42:37
尤も本格ミステリとしてみた場合、本作はそれほど完成度は高くない。むしろ本作の面白さは評論的側面でありミステリではお馴染みのガジェットやテーマを現代的物語に当て嵌めた場合どういう風になるのかという視点で読むとなかなか興味深い作品である(個人的ベストは第三章「ネタネタなトリック」)。
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posted at 16:43:44
辻真先「人形の殺人」読了。人間的なロボット――アンドロイドの製造が禁止され、非人間タイプのロボットのみが生産される近未来。地下に潜ったロボット屋の倉庫で非合法のアンドロイド五体のうち一体が何者かによって破壊された。犯人は潜入したロボット専門の殺し屋なのか? それとも……?
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posted at 17:22:04
「天使の殺人」「幽霊の殺人」に続く戯曲ミステリ第三弾。粗筋から察しがつくように本作は有名なロボット三原則に基づいた本格ミステリであり、物語が進むにつれて何が人間で何がロボットなのか分からなくなるシニカルな展開が面白い。
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posted at 17:22:19
ミステリとしてみると凶器や犯行手段の掘り下げが甘かったり、戯曲であるが故に途中のト書きで真相が分かってしまうのが残念だが、それを差し引いても次々と反転する人間ドラマとそれを踏まえたラストのセリフの物悲しさが秀逸。埋もれたままにしておくには実に惜しいSFミステリの佳作である。
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posted at 17:22:38