麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2018年03月28日(水)
新庄節美「聖夜は黒いドレス」読了。美少女怪盗〈スカーレット・パラソル〉こと愛梨のもとに日本泥棒競技会からの招待状が届いた。今回のテーマは世界に六部しかないと言われる稀覯書『ネクロノミコン』を栞つきで盗んでくること――参加する第一級の泥棒たちに対し、果たして愛梨に勝ち目はあるのか?
タグ:
posted at 10:19:37
スカーレット・パラソルシリーズの二作目。孤島に建つ絢爛豪華なホテルを舞台に第一級の泥棒たちがクトゥルー物ではお馴染みの『ネクロノミコン』を奪い合うという内容もさることながら、前作よりも逞しくなった愛梨とそのボーイフレンドで名探偵の孫の六平の活躍が読んでいてすこぶる楽しい。
タグ:
posted at 10:20:02
キャラの立った泥棒たちがそれぞれの特性を活かしてどうお宝に迫っていくかという点も見所だが、今回は前作では物足りなかったミステリ要素もきちんと盛り込まれており、意外なところからくる巧みな伏線回収と鮮やかな推理、そしてハッタリのきいた『ネクロノミコン』の秘密が実に秀逸。
タグ:
posted at 10:21:50
倉知淳「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」読了。戦争末期、帝國陸軍の研究所で若い兵士が倒れていた。屍体の周りの床には、なぜか豆腐の欠片が散らばっていた。どう見ても兵士は豆腐の角に頭をぶつけて死んだ様にしか見えなかったが――? 表題作の他、猫丸先輩シリーズ最新作など全六編収録。
タグ:
posted at 22:20:50
非ミステリ含むバラエティに富んだ五編に作者の看板探偵である猫丸先輩シリーズの中編を加えた、「なぎなた」「こめぐら」を彷彿させる作品集。収録作はいずれも作者の引き出しの多さが窺える語りの妙が堪能できる他、昨今のニュースからヒントを得たと思しき点が見受けられるのが興味深い。
タグ:
posted at 22:21:10
ミステリとしてみるとベストは表題作で、荒唐無稽な推理を成立させるべく考案された舞台設定と、シニカルかつ非情な結末のギャップが何とも味わい深い。また久々の猫丸先輩シリーズの中編「猫丸先輩の出張」は密室のハウダニットよりもむしろ動機部分に見所がある。
タグ:
posted at 22:21:28
その他「薬味と甘味の殺人現場」では不可解な殺人現場のホワイダニットを巡る論理のアクロバットが目を引くし「夜を見る猫」では作者の猫好きっぷりが微笑ましい。総じて作者のファンであれば楽しめる作品集である。
タグ:
posted at 22:21:42