麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2018年11月10日(土)
岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ2」読了。一人の中にいる二人の少女「秋玻」と「春珂」。二重人格の彼女たちと触れ合ううち僕は秋玻と恋人に、春珂と親友になった。そんなある日、僕らは友人の須藤伊津佳から告白をされたという相談を受ける。その相手は同じく友人の広尾修司だった。
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posted at 16:28:55
二重人格の少女と僕の恋愛模様を描いた「三角の距離は限りないゼロ」の続編。今回は前回、脇役だった友人たちの恋の行方を中心に展開していくが、それが徐々に主人公と彼女「たち」の関係にも変化をもたらしていく様が実に丁寧に描かれている。
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posted at 16:29:12
また前回では「失恋探偵ももせ」の某キャラが登場したのに対し、今回は「読者(ぼく)と主人公(かのじょ)と二人のこれから」から某コンビが登場し物語における重要な役割を果たしているが、この某コンビと主人公カップルのキャラがかなり被っているため同時に出てくるとやや区別が付きにくいのが難。
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posted at 16:29:28
その一方で「失恋探偵ももせ」の某キャラも引き続き登場しており、一部「失恋探偵ももせ」的な展開になるのが作者のファンとしては嬉しいところ。そして物語は予想通りの結末を迎えるが、それは同時に読者の期待通りであり、絶妙なイラストと相俟って次回作を心待ちにさせてくれることだろう。
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posted at 16:29:42
エラリー・クイーン「エラリー・クイーンの冒険」読了。犯罪学の講師になったエラリーが学生たちと推理を競う「アフリカ旅商人の冒険」、サーカスの美姫殺しを扱った「首吊りアクロバットの冒険」、切れ味鋭いダイイング・メッセージ物「ガラスの丸天井付き時計の冒険」など全十一編収録。
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posted at 16:30:36
新訳版のクイーン第一短編集。特筆すべきは全編シチュエーションが実に様々なのもさることながら、謎の演出と謎解きの過程が凝っていて、凡庸な真相でもつまらないと感じさせない作りになっている点が好印象。
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posted at 16:30:47
また短編でも決して単調にはならない起伏に富んだ展開は現代においても見習うべき点だと思う。ベストは骨董屋の店主が遺した奇妙なダイイング・メッセージを扱った「ガラスの丸天井付き時計の冒険」で、ダイイング・メッセージに隠された意味とそれを逆手にとった鮮やかな決め手が素晴らしい。
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posted at 16:30:58
次点は不自然な殺害手段が魅力の「首吊りアクロバットの冒険」でサーカスという舞台設定を活かしたホワイダニットとフーダニットの融合が実に秀逸。また多重推理物の「アフリカ旅商人の冒険」は真相の決め手がややわざとらしかったが基本的にどの推理も面白かった(特にイックソープ嬢の推理が好み)。
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posted at 16:31:10