麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2018年12月08日
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2018年12月08日(土)
深谷忠記「ハーメルンの笛を聴け」読了。いじめを苦に少年が投身自殺を遂げ、いじめで一人息子を喪った母親が鉄道に飛び込んだ。二つの事件を結びつけたのは〈第一の笛は天から、第二の笛は鉄路のかなたから〉と書かれた『ハーメルンの笛吹き男』からの手紙だった。そして手紙には次の事件の予告が――。
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posted at 17:05:59
作者がかつて江戸川乱歩賞に応募した同名作品が原型の長編ミステリ。自分が読んだノベルス版には長編サスペンスとあるが、確かに本作は予告犯罪という魅力的な趣向が用意されてはいるものの、基本的に読者が解けるようなフェアな書き方はされていないのでそう呼ぶのが妥当なところだろう。
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posted at 17:06:18
むしろ本作は謎解き興味よりも社会的テーマの方が強く、相次ぐ事件を通して描かれる様々な家庭や学校、進学塾の問題とタイトルにもなっている『ハーメルンの笛吹き男』を結び付けたある壮大かつ悲痛な動機にこそ見るべきものがある。
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posted at 17:06:27
尤も本作の結末には非現実的と批判する人もいるかもしれないが、その一方で夢も希望もない物語が続いた後だからこそ一抹の救いを見出だそうとした作者の心情に共感を覚える読者もいることだろう。
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posted at 17:06:57
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