麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2018年12月13日(木)
米澤穂信「本と鍵の季節」読了。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、夜の美容院での出来事、テスト問題盗難の嫌疑をかけられた不良生徒、自殺した友が最期に読んでいた本の謎、昔話が発端の宝探し……放課後の図書室に持ち込まれる謎に、図書委員の男子高校生二人が挑む全六編収録。
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posted at 21:01:58
作者が得意とする日常の謎を主に扱った青春ミステリの連作。人から色々と頼まれることが多い堀川次郎と皮肉屋の松倉詩門のコンビは所謂探偵と助手の関係ではなく事件の局面によってコロコロと探偵役が入れ替わる。そして、それが結果的には物語の奥行きを生み出すことに成功しているのがいい。
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posted at 21:02:53
ミステリとしての切れ味で選ぶなら、よくある暗号物の一種かと思いきや、些細な気付きの積み重ねからその裏にある企みを暴き出す「913」になるが、作者らしい謎解きを通して隠れた人間心理を浮き彫りにするセンスが光る「ない本」も○。
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posted at 21:03:06
また本作の掉尾を飾る「昔話を聞かせておくれよ」とその後日談的エピソードの「友よ知るなかれ」は二編を繋ぐ気付きの部分や最終的なオチの意外性はあまりないものの連作の纏めとしてはよく練られており、米澤穂信という作家に読者が求めている青春ミステリとしては申し分ない出来と言っていいだろう。
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posted at 21:03:16
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