麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年10月04日(金)
井上真偽「ベーシックインカム」読了。遺伝子操作、AI、人間強化、VR、ベーシックインカム。未来の技術・制度が実現した時、人々の胸に宿るのは希望か絶望か。美しい謎を織り込みながら、来たるべき未来を描いた全五編収録。
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posted at 00:22:37
作者初のSFミステリ短編集。地に足の着いた文体で綴られる五編の物語のうち前半二編に関してはミステリ的仕掛けを備えつつも最終的にはミステリの境界線を超えてSFの領域に着地してみせる。その見せ方は人によっては「[映] アムリタ」から「2」までの初期野﨑まど作品を思い出すかもしれない。
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posted at 00:23:04
そして三編目からは一転SFというより最先端技術を用いて人間を描くミステリへと変化する。ちなみに本作に寄せられた推薦文で本作を本格ミステリと評しているものがあるが本格ミステリとして評価するならきちんと手掛かりが提示されている三編目以降になるだろう(気付きという点では三編目が巧い)。
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posted at 00:23:21
本作は「その可能性はすでに考えた」ほどミステリ的目新しさがあるわけではないものの、SF的味付けのされた小説とミステリの程よいブレンドという点において、作者の作家としての飛躍を感じさせてくれる快作と言っていいだろう。
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陸秋槎「雪が白いとき、かつそのときに限り」読了。冬の朝、一人の少女が死体で発見された。雪に覆われた地面に犯人の足跡は残っておらず、警察は自殺として捜査を終える。それから五年後、学生寮長の顾千千は生徒会長の馮露葵と共に密かにこの事件のことを調べ始めるが……。
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posted at 22:52:05
「元年春之祭」の作者の翻訳化二作目。前漢時代の中国を舞台にした歴史ミステリ「元年春之祭」から一転、雪密室を扱った現代青春ミステリである本作は前作に比べると文章的にも内容的にもかなり読みやすくなった反面、個性という点ではかなり薄まったように思う。
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posted at 22:52:25
良く言えば王道、悪く言えば徹頭徹尾どこかで見た話であり、ロジックは手堅いものの動機は間違いなく賛否分かれるだろう。「元年春之祭」の作者らしさが全くないわけではないが、端から別物と割り切って読んだ方が楽しめる作品である。
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posted at 22:52:51