麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2020年09月06日
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2020年09月06日(日)
宇佐美まこと「るんびにの子供」読了。暴力事件と窃盗を繰り返していた男が古家の老夫婦に孫だと思わせ同居する「柘榴の家」、犬の散歩で見かけた右手のみの手袋が次第に家に近づいてくる「手袋」、第1回『幽』怪談文学賞短部門で大賞を受賞した表題作や書き下ろし「狼魄」など七編の怪談を収録。
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posted at 16:03:44
作者のデビュー作含む七編を収録した怪談集。「獺祭」を除く収録作六編に共通するのは怪談の中心にいるのがいずれも大人しい女性であることで、静かで淡々とした語りの中、不意に覗く彼女たちの内に秘めたおぞましさを切り取ってみせる演出が実に優れている。
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posted at 16:04:35
収録作はどれもクオリティーが高いが、強いて選ぶなら「キリコ」と「とびだす絵本」で、前者はミステリー作家でもある作者らしい仕掛けで読者を脱力させた後に今なお続く恐ろしさを強調してみせる技巧が秀逸。後者は失われた青春とメルヘン要素が絶妙に絡み合った泣かせるホラーの逸品である。
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posted at 16:05:08
また書き下ろしの「狼魄」も短い話ながら長い時を経過しても決して消えることのない呪いと人間の業を見事に描ききった、今の作者の作家としての力量が窺える作品である。
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posted at 16:05:48
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