麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年10月23日(金)
天樹征丸/さとうふみや「金田一37歳の事件簿」8巻読了。「騒霊館殺人事件」第一の殺人のトリック解明まで。ポルターガイストとしか思えない不可能犯罪の演出や今のところ明かされたトリックはベタだが悪くはないので引き続き期待したい(そして予告を見ると次回いよいよ美雪の登場か……?)
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posted at 09:23:43
芦沢央「汚れた手をそこで拭かない」読了。夫が不治の病に冒された妻に語る過去の罪、自らの失態を誤魔化そうとした教師の偽装工作、隣人の死の秘密を認知症の妻に隠す夫、薬物使用疑惑の俳優を衝動的に殺してしまった映画監督、料理研究家に付き纏う元不倫相手……小さな綻びが破滅へと導く五編収録。
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posted at 15:14:24
ノンシリーズ物のミステリ短編集。収録作五編のうち、前半三編はミステリ寄り、後半二編はサスペンス寄りで、いずれも隠された人間の悪意を浮き彫りにする技巧に優れた内容となっている。
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posted at 15:14:45
基本的には全編ハズレなしのクオリティーではあるが個人的に良かったものを挙げるなら「埋め合わせ」と「ミモザ」になるだろう。「埋め合わせ」は収録作中最もミステリ度が高い一編で、ある失態を誤魔化そうとした教師の偽装工作とそれに気付いた教師のロジックの応酬とタイトルに掛けたオチが秀逸。
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posted at 15:14:59
また「ミモザ」は料理研究家として成功した主人公に付き纏う元不倫相手の何ともねちっこい不快感もさることながら、その行動の理由が見方によっては国内作家Hの某作を思わせて成る程と唸らせてくれる。所謂イヤミスの範疇ながら、良くできた短編が読みたい人であれば本作は一読の価値があるだろう。
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posted at 15:15:12
玩具堂「探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」読了。オンラインRPGの犯人当てならぬプレイヤー当て、文芸部の部誌に載る直前に消えた原稿の行方、SNSの投稿からの自殺志願者探し……今日も寄せられる奇妙な事件(相談事)を山田姉妹と俺が解き明かす。
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posted at 20:27:18
探偵の父を持つ男子高校生の俺が双子姉妹と一緒に日常の謎に挑む連作ミステリシリーズの二作目。収録された三つの事件はいずれも前作同様、高いクオリティーで安定しており、加えて作者が同じパターンにならないよう気を遣っているためかバラエティーに富んだ内容に仕上がっている。
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posted at 20:28:05
オンラインRPGの猫キャラプレイヤーを当てる「猫ぞ知る箱の中」は真相こそこの手の設定の定番ながら気付きの部分がだいぶ凝っているし、文芸部の部誌に載る直前に消えた原稿の行方を突き止める「読読者者の密室」も三つの評論に隠された手掛かりとそこから浮き彫りになる人間心理が実に秀逸。
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posted at 20:28:43
そしてトリを飾る「探偵不十分」ではSNSに投稿された画像から自殺志願者を探すというシリアスな内容そのものをミスディレクションにした大胆さと思春期の生々しい問題を両立させた手腕が素晴らしい。本作は日常の謎と青春小説としての巧さにますます磨きがかかった佳作である。
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posted at 20:29:30