麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年02月15日(月)
紙城境介「僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない」読了。明神凛音は、どんな事件の犯人でも神の啓示を受けたかのように解ってしまう才能があった。だがその一方で無意識下で推理を行うため真実に至ることができた論理が解らないという。伊呂波透矢は「彼女の推理」を推理することになるが……。
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posted at 23:56:45
今やラブコメの書き手として知られる作者がデビュー作「ウィッチハント・カーテンコール 超歴史的殺人事件」以来久々に書いた待望の本格ミステリ連作。本作は何と言っても名探偵の推理を無意識の行動という理由で吹っ飛ばすことによりまさかの「推理当て」を成立させてしまった点がまず非常に面白い。
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posted at 23:57:43
しかも扱っている事件は全て所謂日常の謎であるにも拘わらず、その「推理当て」の内容は驚くほど緻密であり、別解ならぬ別推理の余地を一切許さないロジックの徹底ぶりには正直脱帽と言わざるを得ない。
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posted at 23:58:04
それでいて本作は構成にもかなり気を配っており、全三話中最初の二話を使って「名探偵がどういう手順で推理したのか」そのプロセスを完璧に理解させた後、三話目でそれを逆手に取った応用編ともいうべき仕掛けを用意して、あっと言わせてくれる。
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posted at 23:58:30
更にトドメとばかりに作者が得意とするラブコメ要素を隠れ蓑に使った強烈な真相で主人公と共に読者を奈落に突き落としてくれたとあっては、もはや何も言うことはない。本作は「ウィッチハント・カーテンコール」から更に磨きがかかったロジックと構成の妙に圧倒されること請け合いの傑作である。
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posted at 23:59:08