麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年03月19日(金)
竹町「スパイ教室 短編集01 花嫁ロワイヤル」読了。僕は『灯』の誰かと結婚している――少女たちによるスパイチーム『灯』の創設者・クラウスから告げられた衝撃の一言。そして婚約者は謎のまま『灯』メンバーで花嫁を巡る戦いが勃発する表題作ほか、本編では語られない少女たちの日常を描いた四編収録。
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posted at 11:24:08
「スパイ教室」シリーズ初の短編集。先に雑誌にて発表された四編に書き下ろしの表題作を加えることで連作としても読めるようにした本作のコンセプトは作者曰く「スパイ教室・ラブコメ篇その①」とのことだが、そう言いつつも全編このシリーズらしいバトルと騙し合いをきっちり盛り込んでいるのは流石。
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posted at 11:24:44
とはいえ、その騙し合いのレベルに関しては本編と比べるとやや物足りなさはあるものの、グレーテはさておき本編で影の薄い印象のあるジビア、サラ、モニカに焦点が当てられた内容になっているのは○。短編集らしく、いい意味でいつもより肩の力を抜いて楽しめる作品である。
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posted at 11:26:04
北山猛邦「天の川の舟乗り 名探偵音野順の事件簿」読了。髪が伸びる人形と奇妙な依頼人、怪盗の予告状に端を発する空飛ぶ舟と密室殺人の謎、古城の財宝を巡り暗躍する怪人と人間消失、怪獣に襲われたとしか思えない死体……四つの難事件を世界一気弱な名探偵・音野順がいやいやながらも解決する。
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posted at 19:29:52
2009年に刊行された「密室から黒猫を取り出す方法」以来、約12年ぶり(!)の名探偵音野順シリーズ三作目。今回は表題作の中編と三つの短編が収録されているが読んだ印象では後半二編「怪人対音野要」と「マッシー再び」の方が出来がいいように感じた。
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posted at 19:30:40
特に「怪人対音野要」はタイトル通り音野順の兄で指揮者の音野要が怪人の起こした古城の不可能犯罪に挑む話で前回彼が登場した某短編も傑作だったがこれもなかなかの逸品。盲点とも言える人間消失トリックと財宝に纏わる真相を巧く絡め、更に怪人さながらの鮮やかな退場と実にセンス良く決まっている。
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posted at 19:30:56
また怪獣に襲われたとしか思えない死体の謎を扱った書き下ろしの「マッシー再び」は表題作の後日談的な内容で、シンプルながら大掛かりな作者らしいトリックもさることながら音野順の探偵としての姿勢を優しくフォローしているのが○。最後の一行といい、音野順シリーズ復活に相応しい一編である。
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posted at 19:31:15