麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年04月03日(土)
また何気にポーの「黒猫」を知っていると更に作者の術中にハマるようになっている点も○。そして再読の表題作は仕掛けよりもむしろ真相からいかに読者の目を逸らせようかとする作者の苦心ぶりが興味深く、また某古典ミステリの変形と知ってから読むと所々に作者の工夫の跡が感じられる点も面白かった。
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posted at 13:50:07
一方「黒猫亭事件」は作者が冒頭で「顔のない死体」テーマに対する並々ならぬ意気込みを語るだけあって実に企みに満ちた内容に仕上がっており、今読んでも充分通用する綱渡りな構図とこれでもかというどす黒い真相もさることながら、最後のぬけぬけとした作者の一文に唸らされる。
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posted at 13:49:54
結論から言うと「車井戸はなぜ軋る」及び「黒猫亭事件」は表題作以上に傑作だった。特に「車井戸」は仕掛けこそ単純だが人物や舞台の設定、往復書簡という構成を巧みに活かしたミスディレクションが実に秀逸で、更に妹・鶴代が綴る恐怖や苦しみが何とも言えない苦い読後感を生んでいる点が素晴らしい。
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posted at 13:49:42
のっけから私事で恐縮だが自分がまだ中学生だった頃、学校の図書室で角川文庫の「本陣殺人事件」を借りたことがあった。その時は貸出期限の関係で残念ながら表題作しか読めずに返してしまったのだけど、今回改めて表題作以外の二編を読んで、なぜ当時こちらも読まなかったのかと激しく後悔した。
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posted at 13:48:39
横溝正史「本陣殺人事件」読了。婚礼の夜に響き渡った悲鳴と琴の音を聞いて離れ座敷に駆けつけた人々を待っていたのは密室で切り刻まれた新郎新婦の死体だった――。表題作他、ある名家で起きた殺人事件の顛末を兄と妹の往復書簡で綴った「車井戸はなぜ軋る」、顔のない死体を巡る「黒猫亭事件」を収録。
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posted at 13:47:44