麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年04月23日(金)
天樹征丸/さとうふみや「金田一37歳の事件簿」9巻読了。「騒霊館殺人事件」完結。トリックこそ既存の組み合わせながら、犯人を追い詰める決め手にちょっとした工夫があるのは○。むしろ今回から始まった「綾瀬連続殺人事件」の方がこれまでのシリーズでは珍しいシリアルキラー物なので今後に期待。
タグ:
posted at 12:39:03
浅倉秋成「フラッガーの方程式」読了。高校生・涼一は日常をドラマに変える《フラッガーシステム》のモニターになる。意中の同級生・佐藤さんとのロマンスはどこへやら、ツンデレお嬢様の偽彼氏になったり悪の組織と対決したりと生活は激変。やがてシステムはある意味、感動的な結末へと暴走を始める。
タグ:
posted at 18:57:33
現実世界で深夜アニメのような物語が体験できる画期的な装置が巻き起こす騒動を描いたメタラブコメ小説。その装置のモニターとなった主人公が意中の同級生・佐藤さんとお近づきになりたいために次々と登場する美少女キャラとのフラグをへし折っていく展開はラブコメのお約束を知っていると実に痛快。
タグ:
posted at 18:57:58
しかしながらラブコメにハマりすぎたあまりラブコメに愛憎半ばの感情を抱く(文庫版あとがき参照)作者らしく、物語はやがてある不穏な展開を迎えることになる。そしてそれを回避すべく主人公が奮闘することになるのだが、そこからが伏線の狙撃手の異名を持つ作者の本領発揮である。
タグ:
posted at 18:58:16
ここぞという場面で次々と回収される伏線がとにかく圧巻で、特に終盤で分かるある人物が『ストーリー除外対象者』になった理由と最後の最後に回収される『心当たり』が秀逸の一言に尽きる。それでいて今後を予感させる結末も巧く、ラブコメを知り尽くした作者だからこそ書けた佳作と言っていいだろう。
タグ:
posted at 18:58:46