麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年04月30日(金)
エラリー・クイーン「ギリシャ棺の秘密」読了。急逝した盲目の絵画商ゲオルグ・ハルキスの遺言状が収められた鋼鉄の箱が消えた。事件に関わることになった大学卒業後まもないエラリーの推理に従いハルキスの棺が再び掘り返されるが、その棺の中にあったのはハルキスの死体と絞殺された男の死骸だった。
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名探偵エラリー・クイーン最初の事件を描いた国名シリーズの四作目。国名シリーズ最長の作品であるにも拘わらず構成に無駄がない点もさることながら特筆すべきは中期以降のクイーン作品を思わせる偽の手がかりを扱っている点であり、それを駆使する犯人とエラリーの攻防や幾度にも渡る多重解決が熱い。
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そしてそんな偽の手がかりを逆手にとったエラリーの罠とそれを踏まえたロジックが秀逸な反面、一方で「読者への挑戦」が挿入されるタイミングにはやや疑問。サプライズ的に仕方ないのかもしれないが現代の日本人には分からない知識が前提にあることを考えるともう少し後の方がフェアだったように思う。
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posted at 13:43:00
とはいえ、それを差し引いても第一の事件に関するエラリーの推理や第三の事件における矛盾点の演出など見るべきところも多く、エラリー・クイーン・ファンクラブの長編ランキングで1位に選ばれることはある傑作と言っていいだろう。
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天野明「鴨乃橋ロンの禁断推理」2巻読了。「生放送殺人事件」は毒殺トリックこそよくあるものながら被害者の操りに工夫が凝らされている点は○。また問題編のみ収録の「孤島天文台殺人事件」はこれまでにない長編らしい盛り上げ方が好印象で何となくトリックは推察されるものの解決編にも期待したい。
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posted at 15:35:02