麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年07月27日(火)
平石貴樹「葛登志岬の雁よ、雁たちよ」読了。函館近郊のある家で主婦が殺された。奇妙なことに死体の額は十字に傷つけられていた。加えてその近所では少し前に白骨死体が発見されているという。犯人に繋がる糸口が見えてこない中、やがて新たな殺人が起きるが、死体の額にはまたしても十字の傷が――。
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posted at 02:17:52
函館で起きた殺人事件の謎をフランス人の青年・ジャン・ピエールが解き明かすシリーズの三作目。本作もまたこれまでのシリーズ同様、警察の地道な捜査をメインに描いているが、それにも拘わらず殺人事件が次々と起きていく過程はややもすると読者に警察の無能ぶりを印象付けてしまうかもしれない。
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posted at 02:18:30
本作では目次からも窺える通り合計四つの事件が起きているが、特筆すべきは第一の事件の真相及び第二の事件を引き起こすに至った理由であり、ある人物の設定を巧みに活かしたミスディレクションはさすがの一言に尽きる。
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posted at 02:19:13
また過去の事件にしてもある人物の行動が後に警察の捜査を裏付けていく点にはさりげない巧さが感じられるだろう。ただその一方で現代が舞台の話とは思えない、登場人物たちの昭和的価値観がやや気になるが、それに目を瞑りさえすれば充分良作と言える出来である。
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posted at 02:20:27
犬飼ねこそぎ「密室は御手の中」読了。深山の奥深くにある新興宗教『こころの宇宙』の総本山・心在院では百年前、瞑想中の修験者が施錠された堂から消え、山中で発見されたという逸話があった。ある事情からその心在院にやってきた探偵が巻き込まれる凄惨な連続密室殺人は神の起こした奇跡なのか?
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posted at 21:00:15
光文社による本格ミステリ限定の新人発掘プロジェクト〈カッパ・ツー〉第二弾作品。冒頭から「獄門島」や「夏と冬の奏鳴曲」を彷彿とさせる設定ややり取りが出てきて本格ミステリ好きをその気にさせるが読み終わってみると良くも悪くも普通の本格ミステリの粋を出ない点は好みが分かれるところだろう。
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posted at 21:01:59
加えて事件の背景の描き込みが足りないためにせっかくのどんでん返しや動機にいまいち説得力がなく、むしろどんでん返しをしなかった方が良かったのではないかと思ってしまう部分が散見されるのが難。とはいえ人を人とも思わないトリックには光るところもあるので、次回作に期待したい。
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posted at 21:02:51