麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年07月28日(水)
月原渉「炎舞館の殺人」読了。体の一部が欠落した者たちが陶芸で身を立てる山奥の函型の館で師匠が行方不明となり程なくして窯の中から弟子の一人のバラバラ死体が発見された。奇妙なことに死体からはなぜか胴体だけが持ち去られていた。やがて館が嵐で孤立する中、今度は首がない死体が発見されて――。
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謎めいた使用人・栗花落静(ツユリシズカ)が探偵役を務めるシリーズの五作目。本作はこれまでのシリーズの中では最も設定とミステリ的仕掛けが巧くかみ合っており、シンプルながらも盲点をついたトリックもさることながら犯人の動機とその最期にもきちんと説得力があるのは○。
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posted at 00:21:04
その一方で本作にはシリーズならではのちょっとした仕掛けもあり、それとメインの事件の間に直接的繋がりがない点はやや残念ではあるものの、メインの事件の謎解きに入る前のツイストとしては悪くない。あくまでシリーズ読者向けの内容ではあるが、出来としては久々の良作と言っていいだろう。
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posted at 00:21:31
三津田信三「忌名の如き贄るもの」読了。「この忌名は、決して他人に教えてはならん……もしも何処かで、何者かに、この忌名で呼ばれても、決して振り向いてはならん」――生名鳴(いななぎ)地方の虫くびり村に伝わる「忌名の儀礼」の最中に起きた不可解な殺人事件。なぜ犯人は儀式の最中に殺したのか?
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posted at 20:50:22
刀城言耶シリーズの長編八作目。冒頭でシリーズお馴染みの怪異が描かれるものの、本作の大半は「忌名の儀礼」という儀式の最中に起きた一件の殺人事件と儀式及びそれを取り巻く状況の説明に費やされており、その丹念すぎる描写はともすると退屈に感じる読者もいるかもしれない。
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posted at 20:51:30
しかしながらそれも終盤の謎解きに入ると一変、これまたこのシリーズの読者にはお馴染みの刀城言耶による多重推理もといトンデモ推理の連打が始まり「一体この人は何を言い出すんだ?」といい意味で唖然とさせられること請け合いだが何よりも凄いのはそのトンデモ推理すらも超越する驚愕の真相だろう。
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posted at 20:52:21
そこで語られる動機の衝撃はある意味前作「碆霊の如き祀るもの」以上であり、その動機から組み立てられた狂気の構図は正にホラーミステリに相応しいものであると同時に、かなり早い段階からミスディレクションが仕掛けられていたことに驚かされることだろう。
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posted at 20:53:14