麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年07月29日(木)
紺野天龍「シンデレラ城の殺人」読了。幼い頃に父親を亡くし継母や義理の姉たちと共に暮らすシンデレラは怪しい魔法使いにガラスの靴を渡され言葉巧みに王城で開かれる舞踏会へと誘われるがそこで王子殺しに巻き込まれ容疑者にされてしまう。自身の無実を証明するためシンデレラは法廷に立つことに――。
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posted at 02:57:11
シンデレラを題材にしたファンタジーミステリ。しかしながら事件が起きて以降、法廷劇が始まってからの展開はキャラのやり取りから真犯人のパターンまでまんま逆転裁判であり、正直シンデレラをやりたいのか逆転裁判のパロディーをやりたいのか読んでいて判断に困る(爆)。
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posted at 02:58:02
そのシンデレラ部分にしても途中からオリジナル要素がどんどん追加されていくので、最終的にはシンデレラと言っていいのかもかなり怪しいだろう。どちらかというとシンデレラオマージュとしてではなく逆転裁判パロディーの変わり種として読んだ方が楽しめる作品である。
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posted at 02:58:30
今村昌弘「兇人邸の殺人」読了。廃墟テーマパークに聳える兇人邸。班目機関の研究資料を探し求めるグループと共に兇人邸に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは無慈悲に首を斬り落とす怪物だった。同行者が次々と首のない死体となる中、比留子が行方不明に。更にもう一人殺人者の影が――。
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posted at 18:15:07
「屍人荘の殺人」から始まる特殊設定ミステリシリーズ第三弾。今回はモンスターパニックホラー×本格ミステリというべき内容で大分「屍人荘」に寄った印象だが同じクローズドサークルでも今回は探偵役曰く「私たち自身が留まることを選ばざるを得ないクローズドサークル」を作り出しているのが面白い。
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posted at 18:15:22
加えて今回は倒叙ミステリや安楽椅子探偵の趣向も盛り込んでおり、それによって探偵役の凄みを見せ付けると共に碓氷優佳ばり(!)の策を弄して犯人は勿論読者をも唖然とさせてみせる。だが本作が凄いのはむしろその先の展開だろう。
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posted at 18:16:03
推理の積み重ねの果てに待つこの特殊設定でしか成立しないトリックと動機、更に探偵と犯人の新たな関係を提示することで恐怖の物語を哀切極まりない物語へと反転させてみせた技巧には正直脱帽と言わざるを得ない。本作は特殊設定ならではの仕掛けを使い物語を美しく演出することに成功した傑作である。
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posted at 18:16:24
織守きょうや「花束は毒」読了。「結婚をやめろ」との手紙に怯える元医学生の真壁。彼には脅迫者を追及できない理由があった。そんな真壁を助けたい木瀬は探偵に調査を依頼しようと考える。奇しくも木瀬が依頼した探偵は中学時代、探偵見習いを自称して生徒たちの依頼を請け負っていた北見理花だった。
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posted at 23:26:45
結婚を目前に控えた男・真壁に脅迫状を送りつけた人物を女探偵が突き止める長編ミステリ。なぜ脅迫されているかを掘り下げていく過程で明らかになる真壁の過去や弁護士である作者の経験を活かした探偵の調査も読み応えはあるが、一番の見所は何と言ってもタイトルに象徴されるどす黒い真相だろう。
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posted at 23:27:08
真壁の過去に関してあえてどっちとも取れる描き方をしていたところにある事実を明かすことで読者を疑心暗鬼にさせてからぶちこまれる真相の破壊力はなかなかのもので、その上で読者の想像に委ねる結末にしているのがまたイヤ感に拍車をかけている。
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posted at 23:27:29