麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2021年08月22日
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2021年08月22日(日)
大島清昭「影踏亭の怪談」読了。「塗り込められた空間」のある宿の離れ。複数の「首のない女」が目撃される幽霊トンネル。共同墓地に出現する「泥の怪物」。空から降る冷凍メロンに「殺害」された死体――実話怪談作家・呻木叫子が遭遇する四つの怪異と密室殺人の謎を解いた先に待つものとは?
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posted at 16:58:44
第17回ミステリーズ!新人賞受賞作である表題作含む連作ホラーミステリ。本作を読んだ印象で一番近いのは三津田信三の作家シリーズで、元々幽霊や妖怪の研究をしていた作者らしく怪異の堂に入った描き方もさることながら全編密室殺人を扱っている点に作者の本格に対する並々ならぬ拘りが窺える。
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posted at 16:59:22
とはいえ一編目の表題作の時点ではまだ怪異が雰囲気作りとオチにしか活かされておらず、ミステリとしても至って普通という印象だったのに対し、二編目「朧トンネルの怪談」からは一転、怪異がミステリ部分――特に動機にがっつりと関わっており、これぞホラーミステリという真相であっと言わせてくれる。
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posted at 17:01:11
更に三編目の「ドロドロ坂の怪談」は子供の神隠しに密室、死体を泥で汚した謎を巧く繋げた上でオチと絡めているし、トリを飾る「冷凍メロンの怪談」に至っては思わず微笑ましくなる雪密室のバカトリック(!)に連作ならではの仕掛けを絡め、ホラーとしてきっちり着地してみせている点が秀逸。
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posted at 17:03:03
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