麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2022年01月04日(火)
大山誠一郎「記憶の中の誘拐」読了。未解決事件などの捜査書類を収蔵する〈赤い博物館〉館長の冴子。ある日26年前に起きた奇妙な誘拐事件について相談される表題作ほか、あの人に会いたという動機で放火を繰り返す犯人「連火」、十個の部位にバラバラにされた死体の謎「死を十で割る」など五編収録。
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posted at 21:06:26
赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が元捜査一課の寺田刑事と共に遺留品から迷宮入り事件の謎を解く連作シリーズの二作目。本作は一編目こそこの作者にしては普通すぎてやや肩透かしを覚えるものの徐々にブーストがかかってきて個人的な印象では三編目からが作者の本領発揮と言えるだろう。
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posted at 21:06:48
その三編目「死を十で割る」は死体をバラバラにしたホワイダニットが巧く犯人当てに繋がる点もさることながら犯人の心情を浮き彫りにするある奇想が○。続く四編目「孤独な容疑者」は倒叙形式で堅実なロジックにより犯人が追い詰められる課程が見所と思いきや意外な所からくるサプライズが実に効果的。
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posted at 21:07:11
そしてトリを飾る表題作では作者がしばしば用いる偶然が自然な形で活かされており事件の構図が明かされると共に「死を十で割る」同様浮き彫りになる犯人の心情がいい。また前作で目についたご都合主義や不自然さがだいぶ解消されているのも好印象で、前作が合わなかった人にもお勧めできる佳作である。
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posted at 21:07:51
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