麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年07月14日(木)
花林ソラ/伏見航介「ウェルベルム ―言葉の戦争―」1巻読了。「動詞の力」を駆使して戦う異色の異能バトル漫画。しかしながら遺体に無数の小銭が突き刺さっている連続変死事件の現場の状況から犯人の能力――「動詞」を絞り込む過程は正にミステリであり、その能力が分かって以降の駆け引きも熱くて○。
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posted at 21:37:00
一方「他人の生活」は作者が度々取り上げる「人は見たいものしか見ない」というテーマを地で行く内容で、数々の疑惑を探偵役の燈馬がどう晴らしていくかもさることながら読了後にタイトルの意味がじわじわと沁みてくる快作である。
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posted at 09:43:25
「盗難、収賄そして殺人」は扱っているテーマから真相がだいたい読めてしまうものの、序盤の何気ないやり取りがその後に齎す影響や、終盤のある人物の問いかけに対する燈馬のロジカルな反論など細部の作り込みにこそ見るべきものがある。
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posted at 09:42:49
加藤元浩「Q.E.D.iff ―証明終了―」22巻読了。他人を疑うことを知らない刑事が担当した、現職の噂国会議員が容疑者の宝石盗難事件が思わぬ展開を見せる「盗難、収賄そして殺人」、亡き歯科医師の遺品整理中に発見された鑑定額500万以上の古伊万里の器が忽然と姿を消す「他人の生活」の二編収録。
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posted at 09:42:01
次点は「レミングの群れ」で社会派テーマで読ませつつ不意打ちの仕掛けで一気にブラックユーモアへと転じる読後感が心憎い。またトリを飾る表題作は前半のミステリ趣向から一転じっくり小説として読ませる内容になっており、全体的にシリアステイストながらバラエティー豊かな物語が揃った良作である。
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posted at 00:11:20
特に前半の作品に顕著なのは人一人殺したら死刑になるという設定が真相やミステリ的仕掛けの絶妙な隠れ蓑になっている点で「籠の中の鳥たち」は論理的に考えると犯人がいないことになってしまう状況のユニークさもさることながら一筋縄ではいかないフーダニットと設定を逆手に取った動機の異常性が○。
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posted at 00:10:59
人を一人殺したら死刑になる架空の日本を舞台にした全五編の連作ミステリ。面白いのは収録作五編の方向性が見事にバラバラである点である時は猟奇サスペンス、ある時はクローズド・サークルの本格ミステリ、またある時は倒叙――といった具合に作者の引き出しの多さを楽しめるようになっているのがいい。
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posted at 00:10:41
貫井徳郎「紙の梟 ハーシュソサエティ」読了。デザイナーが目と指と舌を奪われた理由、論理的に考えると犯人がいないことになってしまうクローズド・サークル状況下の殺人、いじめの加害者が次々と襲われる事件を巡る様々な思惑――。これは、人一人を殺したら死刑になる世界の物語。
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posted at 00:10:20