麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年08月24日(水)
それでいて消失の謎が解かれた後にくるサプライズはなかなかのもので、伏線回収の巧さもさることながら、大人たちが気付かない子供たちの繊細な感情や心理をさりげなく解き明かしてみせる手腕には脱帽と言わざるを得ない。本作は子供たちの視点で丁寧に紡がれたジュブナイル本格ミステリの傑作である。
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posted at 20:18:43
これは良いジュブナイルミステリ。事件の真相こそ他愛ないものながら、本作の見所はそれを示唆する丁寧かつ細やかな伏線とミステリファンの心を擽る八つの仮説をベースにした推理、そして何より自閉スペクトラム症の少年がどうやって真相を突き止めるか、その過程が極めて自然に描かれている点だろう。
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posted at 20:17:34
シヴォーン・ダウド「ロンドン・アイの謎」読了。ロンドン・アイと呼ばれる巨大な観覧車に乗り込んだ従兄弟のサリムが12歳のテッドと姉のカットが見ていたにも拘わらず忽然と姿を消してしまった。不可解な人間消失の謎に「ほかの人とはちがう」優秀な頭脳を持つ少年テッドが挑む。
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posted at 20:17:16
加えてそのドラマ性に一役買っているのが事件を追う台北南署の刑事・李山海の設定であり、この探偵役だからこそ際立つ犯人との対決シーンが実に秀逸。あくまで野球はドラマを盛り上げる要素の一つにすぎず決して派手な作品ではないものの、静かな人間ドラマがじわじわと胸に沁みる滋味深い良作である。
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posted at 19:42:42
また本作は昭和本格らしく(?)時刻表を駆使したアリバイ崩しを扱っているが、そのトリック自体はそこまで目新しいものではない。むしろ本作最大の見所は動機の方であり、日本統治下の台湾という舞台ならではのそれはたとえ真相が途中で分かってしまったとしても一気に読ませるドラマ性がある。
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posted at 19:42:09
第6回金車・島田荘司推理小説賞受賞作。島田荘司賞の受賞作というと島田荘司が提唱する21世紀本格を彷彿とさせる作品が多いが本作はというと意外にもその対極とも言える昭和本格要素が強く、登場人物に日本人が多いせいもあって読んでいて全く翻訳ミステリらしさが感じられないのにも驚かされる。
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posted at 19:41:51
唐嘉邦「台北野球倶楽部の殺人」読了。昭和十三年、日本統治下の台湾・台北市。野球愛好家の集まり「球見会」の会員二人が別々の列車内で不審な死を遂げた。やがて容疑者が浮かび上がるも、鉄壁のアリバイが捜査陣の前に立ち塞がる。果たして二人の死にはエースのスカウト合戦が関係しているのか?
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posted at 19:41:27