麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年07月28日(木)
赤川次郎「魔女たちのたそがれ」読了。「助けて……殺される」事の始まりは津田の許に幼なじみの依子からかかってきた助けを求める電話だった。確か依子は山の中の小さな町で小学校の教師をしていたはずなのに……。閉鎖された町で連続して起こる動機不明の殺人事件。一体町では何が起きているのか?
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posted at 18:19:02
奇妙な作品である。次々と不可解な事件が発生するものの、一体何が起きているのか作者は読者に一切明かさないまま、話だけがどんどん進んでいく。そして残りあと十ページを切り、広げた風呂敷にどう収拾つけるのかと思ったら……。
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posted at 18:19:18
本作に関しては、あまり多くは語れない。しかしながら作者が何故こういう構成にしたのか、最後まで読むと大いに納得することだろう。読了後の余韻が絶妙な傑作だと思う。
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posted at 18:19:36
2011年07月30日(土)
初野晴「水の時計」読了。脳死と診断された少女・葉月が最期に望んだのは自らの臓器を移植を必要としている人々に分け与えることだった。そして、その運び屋として暴走族の少年・昴が選ばれる――第22回横溝賞受賞作の本作は「幸福の王子」を下敷きにした現代の寓話とも言うべき内容になっている。
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posted at 19:16:05
本作の見所は二つ。何故、昴が選ばれたのか。そして、昴は誰を助けようとするのか、である。それらが連作形式で語られていく展開はミステリというよりまるでお伽噺のよう。正直ミステリとしては物足りない所もあるものの、ハルチカシリーズにも見られる瑞々しい筆致と構成の巧さで読ませる作品である。
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posted at 19:16:44
2011年07月31日(日)
初野晴「漆黒の王子」読了。ある地方都市を舞台に、次々と眠るように死んでいくヤクザたち。それと平行して地下の暗渠に隠れ住む七人のホームレスたちと記憶を失った「わたし」の物語が語られていく。
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posted at 21:30:31
前作「水の時計」を思わせる寓話的なストーリーと血と暴力に彩られたノワールが一つに結び付いた時、本格ミステリという本作のもう一つの顔が明らかになる――巧みに隠された暗号もさることながら、何よりもこの世界観ならではの盲点をついたトリックが秀逸。
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posted at 21:31:03
その一方で本作はノワールとしても良くできており、高遠と紺野という二人のヤクザが周囲を巻き込みながら破滅へと向かっていく様は、タイトルにあるような漆黒の魅力に満ちている。ハルチカシリーズとはまた違った作者の一面を垣間見ることができる作品である。
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posted at 21:31:38