麻里邑圭人

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2012年01月04日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月4日

尾関修一「麗しのシャーロットに捧ぐ」読了。幽霊屋敷、人形を偏愛する主人、その主人を慕う若く美しいメイド、姿を見せない夫人、生者には興味のない墓守り男、悪魔召喚、死者の甦り……本作はこれといって突出したところはないものの、ラノベでは珍しいゴシックホラーという点は評価できるだろう。

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posted at 23:32:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月4日

だが一方でラノベらしい、テンポの良い読みやすい文章のせいで、この手の物語で最も大事な雰囲気が完全に払拭されてしまっているのは大きなマイナスと言わざるを得ない。故に本来なら濃厚に感じて然るべき狂気が殆ど感じられず、最後まで話に乗ることができなかった。

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posted at 23:33:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月4日

物語の構成や展開は悪くないだけに、そこだけが非常に悔やまれる。もしかしたら作者としてはラノベという媒体を意識した結果そうしたのかもしれないが、だとしたらそれは大きな間違いだと思う。

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posted at 23:34:49

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月4日

海渡英祐「罠のなかの八人」読了。当初描いていた犯罪計画が運命の悪戯により、まるで違った方向へ展開。もしくは無実の人間が偶然または真犯人の仕掛けた奸計のせいで悪夢のような事件に巻き込まれる……本作はそのいずれかの「罠」に嵌まった八人の物語を収録したミステリ短編集である。

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posted at 23:35:20

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月4日

作者の持ち味である捻りのきいたプロットは本作でも健在で、どの短編も皮肉なオチが上手く決まっている。収録作のうち、お勧めは自動車事故で一命をとりとめたヒロインに殺人の嫌疑がかかる「影を愛したわたし」と当選した宝くじ券を巡る様々な思惑が事件を引き起こす「大外れの犯罪」だろうか。

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posted at 23:36:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月4日

もっとも前者は解説者曰くサスペンス・ムードを醸し出しながらも本格ミステリ調のトリックに拘るあまり平仄を合わせようとしすぎて上手くいっていないとのことだが個人的にはシンプルなロジックと盲点をつくトリックを絡めたことで意外性が際立っているように思う。後者は皮肉なオチが最も秀逸な快作。

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posted at 23:36:52

2012年01月05日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月5日

綾辻行人「奇面館の殺人」読了。館に伝わる奇妙な仮面で全員が顔を隠す中、突如出現した首なし死体の謎――かつて作者は本格とは雰囲気であると語っていたが、確かに本作の大半は雰囲気作りに費やされており、新本格と共に育った人間にとっては堪らないものがあるだろう。

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posted at 23:34:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月5日

しかしながら、そんな丁寧に作り上げられた雰囲気に対し肝心のネタが見合っているかと言われると正直微妙なところだと思う。例えばあるネタは人によっては館シリーズならではの設定を上手く活かしたという見方をするかもしれないが、個人的にはその設定を悪い意味で逃げ道にしたとしか思えなかった。

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posted at 23:34:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月5日

もう一つ館シリーズならではの仕掛けがあるけれど、こちらに関しては発想としては嫌いではない。だがそれが効果的に使われているかと言うと話は別。しかもそのことを作者も自覚しているらしく、作中人物の言葉を借りて言い訳をしているのがまた何とも言えない気分に拍車をかけている。

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posted at 23:38:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月5日

とはいえ、久々に新本格にハマった頃の懐かしい気分を味わえたのも事実。本作は真相よりも雰囲気や謎解きの過程を楽しんでほしい作品である。

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posted at 23:39:18

2012年01月06日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月6日

梶龍雄「清里高原殺人別荘」読了。雪の降り積もった清里高原にある一軒の別荘にある事情で逃げ込んできた数人の学生たち。だが無人と思われた別荘には既に先客がいた。予想外の展開に戸惑う学生たちだったがそんな中、仲間の一人が何者かにナイフで刺し殺される事件が発生する。

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posted at 22:00:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月6日

以前から自分は、梶龍雄という作家は連城三紀彦や泡坂妻夫にも決してひけをとらない技巧の持ち主だと思っていたが、本作を読んで更にそれを確信した。本作は一見、雪の山荘で起こる連続殺人劇というオーソドックスな本格物に見えるがその実、連城ばりのとんでもない構図の反転が仕掛けられている。

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posted at 22:01:27

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月6日

そして何故泡坂ではなく連城なのかと言えば本作で作者が仕掛けた大技が極めて連城らしいからに他ならない。加えて本作を彩るある愛の形が一層それに拍車をかけている。勿論梶龍雄らしい伏線の妙も健在で意外な伏線と共に明らかになるある事実とそれを使ったトリックだけでも充分衝撃的と言えるだろう。

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posted at 22:04:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月6日

本作について作者は「特上の意外な真相と結末を用意したつもりでいる」と語っているが、その言葉に偽りなし。本作は策士・カジタツの本領発揮とも言うべき超絶技巧が炸裂する騙し絵の傑作である。

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posted at 22:05:03

2012年01月07日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月7日

館山緑「子爵探偵 甘い口づけは謎解きのあとで」読了。世話になっている老婦人と共に乗り込んだ豪華客船で殺人事件の濡れ衣を着せられたステラ・Dを助けてくれたのは自称「名探偵」の貴族・イアンだった。危険を顧みずに真犯人の罠から守ってくれるイアンに、ステラ・Dは次第に心惹かれていく――。

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posted at 17:22:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月7日

「貴族探偵」と「謎解きはディナーのあとで」を足して二で割ったようなタイトルに惹かれて読んでみた本作だが、結論から言えば探偵小説のガジェットを使っただけのラブロマンス小説だった。作者に真犯人の正体を隠す気は一切なく、謎解き要素も皆無に等しい。

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posted at 17:22:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月7日

なので、本格ミステリ要素を期待すると大いにガッカリさせられるだろう。とはいえ探偵役であるイアンのイケメンっぷりはなかなかのもので、恋する乙女の気分はたっぷり味わえる。とりあえずこのシチュエーションに萌えたいという人には男女問わず(!)お勧めしたい。

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posted at 17:23:08

2012年01月08日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月8日

飛田甲「幽霊には微笑を、生者には花束を」読了。心霊現象を一切信じない高校生・真田真也はある日、知り合いに巻き込まれた廃屋の幽霊調査で少女の幽霊と遭遇してしまう。妄想だと思い込む真也の自宅まで押しかけてきた「彼女」は自分が何者か分からないばかりか自分は殺されたのだと言い出して――。

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posted at 21:47:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月8日

心霊現象を信じない少年と幽霊の少女が織り成すボーイミーツガールミステリ。まず面白いと思ったのは主人公が自分の遭遇している現象を冷静に分析するところで、しかもそれを単なる主人公のキャラクターを印象付ける場面だけでは終わらせず、きちんと後の重要な伏線として活かしている点が秀逸。

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posted at 21:48:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月8日

そして終盤、主人公が辿り着く真相の意外性もさることながら、何よりさりげなくあちこちに伏線が張られていたことに感心させられる。後味も非常に良く、爽やかなファンタジー要素のあるミステリが読みたい人には正に打ってつけの作品と言えるだろう。

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posted at 21:48:32

2012年01月09日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月9日

風見潤「清里幽霊事件」読了。大学最初の夏休み、私こと麻衣子は清里にあるロッジで同じミステリ研の千尋クンと奈美の二人と合宿することになる。そこで千尋クンと親密になろうとしたのも束の間ワンピースだけ残してトイレから女性が消えた事件を皮切りに次々起こる不可解な出来事に巻き込まれて――。

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posted at 23:56:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月9日

六十作以上にも上る「幽霊シリーズ」の第一作目。事件の真相自体はなんてことはないものの、伏線がやたらと凝っていて、あんなところやこんなところが伏線だったのかという驚きが味わえるのは好印象。犯人当てというよりはむしろ伏線当てとして読むことをお勧めしたい作品である。

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posted at 23:58:03

2012年01月10日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月10日

風見潤「スキー場幽霊事件」読了。老人が遺した暗号の謎を追って純白のゲレンデにやってきた麻衣子たちだったが、そこでもやはり不可解な事件に巻き込まれてしまう。吹雪の中、リフトに乗った犯人が煙のように消え失せたかと思えば、その翌朝、雪の密室と化した小屋で死体となって発見されて――。

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posted at 21:25:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月10日

暗号にリフトからの人間消失、足跡なき殺人……「幽霊シリーズ」二作目の本作は一作目よりもぐっと本格ミステリらしい趣向が盛りだくさんな内容に仕上がっている。作者が新井素子と一緒に考えたという暗号もなかなか面白いが、何より秀逸なのはその謎の見せ方である。

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posted at 21:25:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月10日

小粒なトリックでもミスディレクションを駆使することにより、充分意外性を生み出すことができる。本作は正にそのいい見本と言えるだろう。伏線探しだった一作目とはまた違った楽しみが味わえる、軽本格の良作である。

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2012年01月12日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月12日

梶龍雄「奥秩父狐火殺人事件」読了。奥秩父の寒村を訪れた映画監督の五城は偶然、何者かに狙撃された美女・江森道代の命を救うことになる。彼女を狙撃した犯人を探し始めた五城はやがて『狐持ち』の一族である江森家で二十六年前に起こった悪夢を知ると共に恐怖の連続絞殺事件に巻き込まれていく。

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麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月12日

「裏六甲異人館の惨劇」同様、映画監督・五城賀津雄が探偵役を務める本作は目の前で美女が何者かに狙撃されるというスリリングな場面で幕を開ける。だがそうかと思えば次の瞬間には「ヤダーア、あたしのパンティー、ゼッタイなくなってるぅー!」という台詞と共に下着泥棒の話になるので要注意(爆)。

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posted at 18:50:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月12日

しかしながら、そんな脱力展開も全て計算の内なのが本作の凄いところで読み終わってみると無駄な部分が殆どないことに驚かされる。何より素晴らしいのは構図の反転で「反転図」と題された最終章でそれまで見えていた事件の構図が派手にひっくり返される様には思わず拍手を送らずにはいられないだろう。

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posted at 18:50:20

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月12日

伏線回収の見事さもさることながら、パズラーとしても実によくできている。本作は意外な構図、ミスディレクションの巧さ、練られたパズラーの三拍子が揃った、実にカジタツらしい秀作である。

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2012年01月13日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月13日

梶龍雄「殺人リハーサル」読了。演歌歌手の川村鳥江の許に届いた、殺人罪で服役中の男からのファンレター。それから八年後、出所した男は鳥江を脅し始め、あまつさえ彼女に危害を加え始める。二度に渡る不可解な殺人未遂事件は、これから起こる殺人のリハーサルなのか?

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posted at 22:17:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月13日

狙われた美人演歌歌手というと、まるで安っぽい二時間サスペンス物のように感じるが、蓋を開けてみればガチガチの本格ミステリなのがカジタツ流。二度に渡る不可解な殺人未遂事件を経て、遂に起こる殺人事件。だが探偵役が最初に突き止める真相は割と普通で拍子抜けを覚える読者もいるかもしれない。

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posted at 22:18:09

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年1月13日

だがそこはカジタツ。どんでん返しに次ぐどんでん返しで読者を翻弄した後ある意外な伏線と共にお得意の構図の反転をやってのけてくれる。とりわけ本作の構図は皮肉に満ちておりどこか西澤保彦を彷彿とさせるものがある。本作はゼロ・アワー形式(殺人が行われるまでの過程)に拘った本格の佳作である。

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posted at 22:18:35

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