麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年01月30日(月)
だが、問題はむしろそこからで、巧妙なミスディレクションに守られたトリックに気付かない限り、犯人と動機に辿り着くのは至難の技だろう。若干、犯人限定のロジックが弱い気もするが、代わりに伏線が説得力を与えているので個人的には充分許容ラインだと思う。
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posted at 21:58:20
本作は作者が「(前略)かなりすらすらと、この連続殺人のプロットとトリックが構成できた」と語っていることからも窺えるように、連続殺人とトリックが密接に結び付いたシンプルな構造の作品に仕上がっている。被害者たちに隠されたミッシングリンクに関しては早々と見当がつく人もいるかもしれない。
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posted at 21:57:44
梶龍雄「金沢逢魔殺人事件」読了。昭和十一年二月、金沢で第四高等学校の生徒が次々に片目を刺されて殺される事件が起きた。いずれの事件も凶器のメスが犯行前に被害者宅へと送り付けられていた。全ては現場周辺で度々目撃される黒い眼帯に茶褐色のマントを付けた「片目マントの男」の仕業なのか。
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posted at 21:56:52
2012年01月29日(日)
同時収録の「消えた乗用車」はベタなタイムリミットサスペンスだが、その手のツボを押さえた内容には仕上がっていると思う。個人的にはカジタツがこういった作品を書いていたことがなかなか興味深い。
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posted at 17:12:01
表題作他「消えた乗用車」収録。表題作は「少年探偵団」のような冒険活劇要素のあるジュブナイルミステリで、真相は何てことのないものだが、伏線の張り方はそつなく綺麗に纏めている。一部、子供騙しなネタもあるが、見方によってはこれはこれでお約束と思えなくはない。
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posted at 17:11:37
梶龍雄「影なき魔術師」読了。資産家の両親を亡くし兄をも失っていたマリ子が最近夢遊病にも似た発作を起こし伊豆へ転地療養に旅立ったという話をぼくは影なき魔術師と名乗る謎の男から聞かれる。数日前から彼女の周囲を顔に傷のある男がうろつき始めている不安からぼくはマリ子を守ることを決意する。
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posted at 17:11:16
2012年01月27日(金)
また出た時期もよろしくない。本作のメインのネタは昨年出た某作と同じものなのだが、いかんせんミスディレクションを駆使して秀作レベルに仕上げていた某作と比べると、どうしても見劣りしてしまう。そしてタイトルの意味も完全に滑っているとしか思えず、個人的には残念な出来と言わざるを得ない。
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posted at 21:21:38
謎の新人による直球のフーダニットということで期待していたのだけど、結論から言うとかなり微妙だった。まず気になったのはどうでもいい人物、エピソードが多い点で作者としてはミスリードを狙ったのかもしれないが、その結果プロットが錯綜し直球のフーダニットとは程遠い内容になってしまっている。
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posted at 21:20:20
田南透「翼をください」読了。男たちを翻弄する女子大生。そうとは知らず、彼女に一途な想いを寄せる青年。そして、彼女の本性に気付き、殺意を抱くストーカー。三者三様の縺れた感情は、やがて嵐に閉ざされた孤島で殺人事件を引き起こすことになる――。
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posted at 21:19:55
2012年01月26日(木)
表題作に関しては一点引っ掛かるところはあるものの、ミステリーズ!新人賞の佳作だけあって伏線の張り方にはそれなりに見るべきものがあった。だが、それ以降の短編になると、既視感バリバリだったり、あまりに都合が良すぎだったりと、どれも首を傾げたくなるものばかりなのがいただけない。
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posted at 21:46:10
うーん……没個性というか、悪い意味で型にはまった学園ミステリだと思う。それでも表題作はまだ芸術学部ならではの個性があったのだけど、回を重ねるごとにどんどんよくある学園ミステリと化していくのが読んでいて辛い。そして、それはミステリ部分にも同じことが言える。
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posted at 21:45:32
市井豊「聴き屋の芸術学部祭」読了。「無料で何でも聴きます。ただ聴くだけですのでお気軽にどうぞ」――そんな看板を掲げた「聴き屋」こと大学生・柏木君が芸術学部祭の最中に起こったスプリンクラー騒動と黒焦げ死体の謎を解き明かす表題作含む四つの事件が収録された連作学園ミステリ。
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posted at 21:45:06
また被害者たちを繋ぐ糸が明らかになると共に今まで隠されていたあるトリックが浮かび上がる構成が秀逸で、成る程、これが作者の語る「事件そのものの中のトリックとプロット上のトリックを噛み合わせた」結果なのかと感心した。本作は連続殺人劇というプロットに様々な企みが仕組まれた秀作である。
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posted at 16:36:11
「幻の蝶殺人事件」「淡雪の木曾路殺人行」に続くシリーズ三作目の本作は、ミッシングリンクテーマの連続殺人劇を扱った作品である。本作でまず面白いのは、作中で連続殺人の分類を試みている点だろう。その上で作者は応用ともいえる真相を提示し、読者をあっと言わせてみせる。
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posted at 16:35:41
梶龍雄「銀座連続殺人手帖」読了。友人に招かれた画廊で奈都子はそこで一枚の不気味な絵と五人の名前が並べて記された奇妙な手帳を目にする。それこそが恐るべき連続殺人劇の幕開けだった。手帳に書かれた順番通りに進行する殺人。リストの末尾に名を連ねた友人を守るべく奈都子は必死の推理を巡らす。
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posted at 16:35:15
2012年01月25日(水)
物足りないといえばミステリとしてもかなり緩く、しかもご都合主義な部分が目につくので、それが気になる人にはあまりお勧めできないだろう。逆にそれが気にならない人であれば、普通に楽しめる作品には仕上がっていると思う。
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posted at 17:21:43
自分が思う黒田作品というとほのぼのした展開から一気に読者を奈落へと突き落とすことが多いのだが、本作はどこまでいってもそういった手のひら返しがない。いや、一応それなりにシリアス展開はあるものの、従来の黒い黒田作品を読み慣れているとどうにも物足りない。
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posted at 17:20:08
黒田研二「CUTE & NEET」読了。ニートの鋭一は姉の出張中、姪っ子で幼稚園児のリサの面倒を見ることになる――。園児探偵が活躍する連作ミステリと聞いてまず思い出すのは二階堂黎人の「ボクちゃん探偵シリーズ」だが本作で扱われる事件はそれとは対照的な些細な日常の謎で占められている。
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posted at 17:17:26
2012年01月24日(火)
ミステリとしてもさることながら、個人的に最も目を惹いたのは語りの巧さだ。ある時はインタビュー形式で、ある時はレズビアンの女の視点で、またある時は咄家の視点で……というように様々なバリエーションに富んだその語り口は作者の引き出しの多さを感じさせる。
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posted at 19:32:10
梶龍雄「殺人魔術」読了。ドサ回りの小屋の主人が殺された。事件はその小屋でマジックショーを演じる妖艶な双子の姉妹が企てたものなのか? ……表題作含む八編が収録された本作は切れ味鋭い短編こそないものの、そつなく丁寧に仕上げられたミステリ短編集である。
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posted at 19:30:24
2012年01月23日(月)
ただ欲を言えば、個々の事件ももう少し凝ったものにしてほしかったと思うが、それは些か求め過ぎなのかもしれない。ちなみに今回、出版元が今までと違うということで作者の新境地的なものになってくれればと思っていたのだけど、蓋を開けてみればその通りの内容で個人的には満足度高し。
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posted at 22:10:05
物語としてはなかなか面白いもののミステリとしては真相が分かりやすいものばかりだし何よりこの設定を使う意味が見出だせない。これはハズレかなと思っていたら……まさか最終章でこうくるとは思わなかった。前言撤回。本作は個々の事件の中にメインのネタを巧みに隠し通した良質な異世界本格だった。
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posted at 22:08:58
天祢涼「葬式組曲」読了。葬式の規制された国を舞台に若き女社長に率いられた北条葬儀社は今日も遺族の様々な要求に応えようと奔走する一方で故人が残していった謎の数々を解き明かしていく――。一風変わった設定を用いた連作ミステリの本作だが、正直言えば途中まで読んだ印象はあまり良くなかった。
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posted at 22:07:26
2012年01月22日(日)
残りの一編「水漬く屍、草生す屍」は最初、老婆の訛りの強い語りが非常に読みにくかったが、次第に慣れてくるとその語りしか有り得ないと思えるくらい惹き込まれる不思議な作。最後にハッと夢から覚めたような驚きが仕掛けられているのも好印象。
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posted at 17:46:29
この儀式性の強い内容は、もしかしたらゲームの「零」シリーズが好きな人ならば気に入るかもしれない。個人的にはもう少しスプラッター色が強いとなお良かったのだが、それだと却って幻想味が薄れてしまうような気もする。
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posted at 17:45:57
本作には表題作含む二編が収録されているが、いずれも幻想味溢れる物語に仕上がっている。表題作の真相自体はさして意外性のあるものではないけれど、くらくらと眩暈を覚えるような雰囲気の中、繰り出される日本のホラー特有の陰湿でねっとりとしたイヤ感が秀逸。
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posted at 17:45:22
秋里光彦「闇の司」読了。凄惨極まる映画「女殺油地獄」の撮影中、撮影直後に起こった連続殺人。被害者は主演女優含む三人でいずれも生きたまま腸を引きずり出されたり、腐葉土を傷口に詰め込まれるなど残虐な手口で殺されていた。手掛かりは被害者の一人が死に際に書き残した「オニ」という文字――。
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posted at 17:44:38
2012年01月21日(土)
とはいえ一応ミステリなので最終的にはそれらしい着地をするものの、個人的にはあえて空気を読まず(!)そのまま突き抜けてくれた方がより面白くなったような気がする。本作は次々と血祭りにあげられる若者達にキャッキャできる自分のようなB級ホラー好きの読者に是非ともお勧めしたい作品である。
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posted at 17:37:34
あの怪作「死霊鉱山」再び……というより刊行順で言えば本作が「死霊鉱山」の原型なのだろう。雪に閉ざされた鉱山に泊まり込んだ若者達の間で次々起こる惨劇というシチュエーションから解説者は「そして誰もいなくなった」を引き合いに出しているが、むしろ本作はB級ホラーに例えた方がしっくりくる。
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posted at 17:37:08
草野唯雄「悪霊の山」読了。四国のとある村で起きた深夜の火事。目撃者の女子高生・昭子は火事が人災であることを突き止めるものの、それを隠しておきたい人間たちによって暴行された挙げ句、事故に遭い命を落としてしまう。そして、それはやがて鉱山の雪を血で染める惨劇を引き起こすことになる――。
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posted at 17:36:20