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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2012年07月16日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月16日

奥田哲也「エンド・クレジット」読了。関係者が次々と事故死した呪われたホラー映画。脚本家は呪いを否定する為ドキュメンタリーの後日談を企画、私立探偵の美鳩にかつてのスタッフ捜索を依頼するが皮肉にもそれを機に関係者が次々と殺されていく。しかも首を落とされ、映画に見立てた細工を施されて。

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posted at 17:47:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月16日

本作を読んでまず最初に思ったのは、ハードボイルドとホラーは思いのほか相性がいいということ。それは本作に限らず、例えば飛鳥部勝則「ラミア虐殺」にも言えることだが、耽美と幻想に彩られた上品なホラーよりも、怪奇色の強いグロテスクなB級ホラーの方がしっくりくる。

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posted at 17:47:34

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月16日

一応本作は本格ミステリに属する作品だが、事件そのものはB級ホラー愛に満ちている。犯人の設定もさることながら何より首を切った動機が奮っている。個人的には「霧の町の殺人」「三重殺」「絵の中の殺人」路線よりも「赤い柩」「冥王の花嫁」そして本作のようなホラー要素を活かした作品の方が好み。

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posted at 17:47:59

2012年07月18日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

奥田哲也「霧の町の殺人」読了。北国の街、久寿里。霧が多く、空の晴れないこの街で相次いで陰惨な事件が起こった。まず最初に若い女性の首吊り死体が、続いて鍵のかかった密室から首なし死体が発見されたのだ。署長に嫌われ、捜査の主流から外れた四人の刑事が犯人を追う。

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posted at 18:36:27

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

新本格ムーブメントに乗ってデビューした作者の長編第一作。新本格というと、本格ミステリのガジェット満載な、非現実的イメージがあるが、本作にはそういった要素がほとんど見られない。それもそのはずで、本作の著者の言葉には次のようなことが書かれている。

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posted at 18:36:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

『なるべく普通の場所で、なるべく普通の人々が、なるべく普通の動機から、なんとか独創的な犯罪を犯せないものか』だが残念ながら本作で描かれた犯罪からは独創的な点はあまり見られなかった。むしろ事件よりも久寿里という街を丹念に描いていた印象が強く、情景の一つ一つが思い浮かびやすいのは○。

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posted at 18:36:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

奥田哲也「絵の中の殺人」読了。現役を引退した元プロ野球選手の輝彦が第二の人生として選んだのは美術学校の事務員だった。だが、その歓迎会の夜、上司の田谷がアトリエで殺されてしまう。更に一年前にも、理事長が何者かに殺されていた。

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posted at 18:37:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

作者の長編第三作。デビュー作「霧の町の殺人」の著者の言葉で「普通の場所、普通の人々、普通の動機から生まれる独創的な犯罪」を目指していると語っていた作者だが、その試みは本作では幾分達成されているように思う。

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posted at 18:38:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

とはいえ、本格ミステリとしてみると物語に無駄な部分が多く、主人公の設定があまり活かされていないのもマイナス。これだったら短編で書いた方が良かったのではないだろうか。

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posted at 18:39:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

竹本健治「かくも水深き不在」読了。見られたものが鬼になる、洋館で繰り広げられる恐怖の鬼ごっこ。廃墟に群生する真っ赤な花に秘められた忌まわしい記憶。憧れの女性に付き纏うストーカー。身代金奪取に成功する寸前で消えてしまった誘拐犯の謎……精神科医・天野不巳彦が遭遇した四つの怪しい物語。

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posted at 21:45:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

まず本作がホラーかミステリかと問われたら、自分はミステリだと答えるだろう。本作で語られる四つの物語には、いずれも精神科医・天野不巳彦により合理的解決が与えられる。その中でも特に秀逸なのは不可解な誘拐事件を扱った「零点透視の誘拐」だろう。

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posted at 21:47:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

そこで示されるのは竹本健治らしからぬ論理のアクロバットであり、収録作のうち最も本格ミステリ的醍醐味が味わえる。但し、それで全てが終わったわけではなく、最後に待ち受けるエピローグ「舞台劇を成立させるのは人でなく照明である」で、読者は本作が竹本健治の作品であることを思い知らされる。

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posted at 21:48:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月18日

本作は絶妙な不安定さがいつまでも尾を引く、異形のミステリ短編集である。

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posted at 21:48:54

2012年07月20日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月20日

奥田哲也「三重殺」再読了。刑事の私は、矢萩利行という名を三度も聞いた。まずは首なしのバラバラ死体、次に首なしの焼死体、最後は崖から突き落とされた男の身元てして……。果たして、この怪事件の真相は?

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posted at 18:40:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月20日

初読の時も感じたことだが、本作の真相はさして意外なものではない。むしろ、ミステリ読みであれば真っ先に検討する類いのものであり、故に初読の時は酷くがっかりしたものだが、今回再読してみて少々考えを改めた。これは本格ミステリ的シチュエーション・コメディ小説なのだ、と。

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posted at 18:41:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月20日

そう考えれば、色々腑に落ちる。例えば、犯人が使った一部トリックに関して、登場人物が日本のミステリに前例があると指摘する場面がある。これなんかは通常の本格ミステリでは有り得ない場面だが、本作がコメディ小説であると考えれば、非常にしっくりくる。

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posted at 18:42:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月20日

勿論、本格ミステリとして読むことも否定はしないが、個人的には不可解なシチュエーションに翻弄される刑事たちの方に注目して読むことをお勧めしたい。

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posted at 18:42:58

2012年07月21日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月21日

村瀬継弥「青空の下の密室」読了。梅田川高校で日本史を教えている谷沢教諭が学校の屋上で腹部を刺されて死んでいるのが発見された。密室状態だった屋上には凶器はなく代わりに「一」という謎めいた血文字が残されていた。そして一ヶ月後、今度は数学教諭の船田が殺され現場には「二」の血文字が――。

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posted at 19:56:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月21日

鮎川哲也賞出身の作者がラノベレーベルで出したミステリ・シリーズの第一弾。といってもその内容はどちらかというと、ラノベというより、はやみねかおる作品のようなジュブナイルに近い。

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posted at 19:57:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月21日

ミステリとしてみると秀逸なのはやはりタイトルの由来にもなっている第一の事件で、凶器の隠蔽方法にまさかアレを持ってくると思わなかった。また読み返してみると、プロローグが巧いミスリードになっているのも○。

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posted at 19:58:03

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月21日

それに対し第二の事件は、フェアであることにこだわりすぎるあまり、真相が途中で読めてしまうのが少々残念。とはいえ、第一の事件だけでも充分読む価値はあると思う。

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posted at 19:58:25

2012年07月22日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月22日

村瀬継弥「白いブランコの鎮魂曲」読了。梅田川高校に通う僕は探偵の才能がある由紀夫らと共に、ひょんなことから福白高校文芸部の合宿イベントに参加することになる。そのイベントとは、密室状態の体育館からの脱出劇。そしてイベントは無事成功するが、翌朝その体育館で首吊り死体が発見される――。

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posted at 16:37:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月22日

着流し探偵シリーズの二作目。前作は手掛かりの出し方にやや難があり、一部の真相が分かりやすい欠点があったのに対し、本作はだいぶ構成が練られており、手掛かりの出し方も極めて自然。特に前半で明かされる密室トリックと、それの応用編とも言うべきメイントリックの二段構えが秀逸。

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posted at 16:37:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月22日

またキャラの動かし方も前作に比べてこなれており、事件と平行して描かれる微妙にリアルな高校生の恋愛模様が、ほろ苦い読後感を生み出している。残念ながらシリーズはこれで打ち切りとなっているが、個人的には本格ミステリと青春要素が程よく融合した良作に仕上がっていると思う。

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posted at 16:38:26

2012年07月23日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月23日

笹沢左保「炎の虚像」読了。テレビ界の実力者・加古川が自ら演出する大作の撮影をすっぽかした。その後、加古川はスポンサー企業の幹部である北見の許に現れ今まで交通事故に遭い新進女優の家で眠り続けていたと語る。だが数日後、今度はその新進女優が密室状態のマンションの一室から墜落死して――。

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posted at 19:01:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月23日

本作は密室とアリバイ崩しを扱っているが、前者はあくまでオマケに過ぎず、どちらかと言えばメインは後者の方だろう。個人的に感心したのは、何故この舞台設定を選んだかであり、言い換えればそれこそが本作が本格ミステリである証明とも言える。

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posted at 19:02:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月23日

また、ある小物からの気付きも秀逸。幕切れもよく計算されており、プロット型本格の良作と言っていいかもしれない。

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posted at 19:03:27

2012年07月25日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月25日

静月遠火「R&R」読了。廻谷千瀬は5月6日を何度も繰り返す奇妙な状況に陥っていた。しかも他の人間はそれを認識していない。半ば自棄になりながら何度目か分からない今日を過ごしていた時、千瀬はたまたま自分の話を聞いてくれた少女・百音と知り合う。千瀬は百音と共に事態の打開を試みるが……。

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posted at 12:07:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月25日

好きな作家が西澤保彦という作者だけに、粗筋を見るとどうしても「七回死んだ男」を思い出さずにはいられないが、結論から言うと本作は本格ミステリではない。しかしながら、ミステリ的技法を駆使しているために本格ミステリに似た醍醐味を味わうことができる。

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posted at 12:07:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月25日

特筆すべきは伏線の張り方で、夜中に家の前に佇む女や田んぼに立ち尽くす男など、謎めいた出来事が終盤、意外な伏線と結び付いて次々と回収されていく様は必見。とはいえ、それらが主人公が巻き込まれている状況に一切関係ないのは、さすがにどうかという気がしないでもない。

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posted at 12:08:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年7月25日

またメインのはずの反復現象が完全に前述したサブイベントに食われている印象も否めず、手放しでは褒められないものの、本格ミステリ好きなら間違いなく楽しめる作品ではあると思う。

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posted at 12:09:22

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