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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2012年08月01日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月1日

夏寿司「蒼天のエリップマーヴ」読了。舞台は吸血鬼の住むとある惑星。大切な人を殺してしまった過去に苦しむ17歳のレオはある日この惑星で絶対的な存在である〈守護者〉に反発する団体〈ゼロ〉に捕まってしまう。そこで彼は輸血鬼(エリップマーヴ)の少女エリと運命的な出逢いを果たすことに――。

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posted at 18:15:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月1日

本作は「トリック・ソルヴァーズ」の作者による異世界ファンタジーだが、見方によっては異世界本格ミステリと言えなくもない。というのも物語の鍵である、主人公を苦しめる過去の殺人事件が所謂「密室状況下の殺人」であり、その手掛かりは実にフェアに作中で示されているからだ。

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posted at 18:16:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月1日

そしてそれを取っ掛かりにして明かされる世界の真実――尤も人によっては設定説明の段階でぴんときてしまうかもしれないが、個人的には世界観にちゃんと必然性があるのは○。一部のネーミングセンスは正直どうかと思うものの、ストーリー自体は徹頭徹尾王道なので安心して楽しめる作品ではあると思う。

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posted at 18:20:36

2012年08月02日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月2日

村瀬継弥「相手を不幸にしない会話」読了。40の掌編を収録したユーモア・ショートショート集。自分は以前からショートショートを書くセンスとミステリを書くセンスには近いものがあると思っているが、こうして本格ミステリ作家が手掛けた本作を読んでみると尚更そう思う。

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posted at 17:30:00

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月2日

例えば収録作の一つ「給食嫌い」は叙述トリックにも似た構図の反転が見られるし、「子供服を買う恋人」ではタイトルにもなっている「子供がいないにも拘わらず度々子供服を買っていく恋人」という日常の謎を扱っている。

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posted at 17:30:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月2日

勿論、収録作の全てがミステリっぽいというわけではないが、ミステリ作家がショートショートを書いたらどんな感じになるのだろうという見方で読んでみると、色々と発見があって面白いかもしれない。

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posted at 17:30:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月2日

村瀬継弥「藤田先生のミステリアスな一年」読了。不思議な魔法で六年一組の生徒たちの心を掴んだ藤田先生。『千枚の絵の出現』『七夕の奇跡』『樹海の脱出』『サンドイッチの魔法』『インディアンの伝説』……その華麗なマジックの陰に隠された先生の秘密とは?

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posted at 17:31:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月2日

第六回鮎川哲也賞佳作。かつて藤田先生が見せた魔法の仕掛けについて、生徒たちが卒業後の同窓会で推理し合う構成で、個々の真相こそ小粒だが、謎の見せ方が巧く、ぐいぐいと読ませてくれる。

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posted at 17:31:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月2日

個人的に最も感心したのは「藤田先生自身の謎」におけるある伏線で、キャラクター設定の中に巧みに織り込むことにより、それと気付かせなかった点は秀逸。仕掛けの派手さを求めるとハズレだが、不可能興味とほのぼのとした雰囲気が両立した、いい連作ミステリだと思う。

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posted at 17:32:16

2012年08月03日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月3日

青木知己「偽りの学舎」読了。進学塾「栄秀学園」を経営する株式会社栄秀の社長・片貝栄作宛に二年前に焼身自殺した男から脅迫状が送られてきた。醜聞を恐れた栄秀学園は、かつて敏腕と謳われた元警察官でペンションのオーナーの来生に事件の解決を依頼する。果たして男は自殺したのか、それとも……。

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posted at 17:57:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月3日

複雑な人間関係の中に巧みに仕掛けを織り込んだ本格ミステリの良作。尤も最初の仕掛けに関しては○○○の段階で引っ掛かっていたために途中で読めてしまったが、それだけで終わることなくその後、犯人を絞り込む手掛かりとして活かした点は秀逸。

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posted at 17:58:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月3日

ただ登場人物たちに様々な関係性を持たせ過ぎて些かご都合主義に感じてしまう部分はあるが、幾重にも張り巡らせた伏線を破綻させることなく綺麗に回収してみせた手腕はなかなかのもの。突き抜けたものこそないが、さりげなく張られた伏線の妙を堪能したい人にはお勧めしたい作品である。

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posted at 17:58:54

2012年08月04日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月4日

矢樹純「Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件」読了。H大学の講師を務める三崎忍の強い要望により青森県P集落にある縁切り寺――篭山寺にやってきた忍と私。だが雪で閉ざされた縁切り寺で私たちを待っていたのは世にも奇怪な連続殺人だった。不可解な事件の謎に覗き見探偵・桜木静流が挑む。

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posted at 14:53:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月4日

おぞましき因習が残る村。雪に閉ざされた山荘で起こる連続殺人。密室の首なし死体。周囲に足跡がない状況で発見された焼死体……というように本作には本格ミステリ好きの心を擽るガジェットが多く用意されているが、全体を通して見ると、どうにも居心地が悪い。

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posted at 14:53:47

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月4日

その理由は幾つかあり、例えば構成一つとっても前半はちょっとしたサプライズを盛り込むなど巧く機能していたのに対し、後半は詰め込み過ぎの感があり、謎解きの効果がそれほどあげられていない。また伏線の張り方にしても中途半端で、ちゃんと張ってあるかと思えば、思いっきり後出しだったりする。

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posted at 14:54:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月4日

むしろ本作はそういったミステリ部分よりも因習などのおどろおどろしい要素に力が入っていて、ミステリよりもホラーの方が向いているんじゃないかという気がしないでもない。とはいえ探偵役の設定や一部の伏線の張り方は悪くないので、次回作はもう少し余裕をもって書いてもらいたいと思う。

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posted at 14:55:22

2012年08月05日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月5日

乙野四方字「ミニッツ~一分間の絶対時間~」読了。私立穂尾付学園高校の一年生・相上櫻には一分間だけ相手の心を読める『ミニッツ』という能力があった。櫻は一年生にして生徒会長になるという野望を叶えるべく、その『ミニッツ』を使い人望を得ていたが、ある日琴宮遥に自身の秘密を知られてしまう。

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posted at 12:06:41

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月5日

これは酷い。本作の売り文句は「トリックとロジックが交差する、学園騙し合いラブストーリー」となっているが、実際はトリックもロジックも存在せず、ただの出来の悪い学園ラブコメに申し訳程度に特殊能力設定(それもあまり効果的とは言い難い)を盛り込んだだけと言わざるを得ない。

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posted at 12:07:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月5日

一応、帯には「僕みたいな知略バトル好き狙い撃ちですよ、これは」という某アニメ脚本家の推薦文があるが、これは「プリズン・トリック」における東野圭吾の推薦文「乱歩賞史上最高のトリックだ」と同義であり、恐らく本作の騙し合いとはこの「読者と推薦者のメタレベルの騙し合い」を指すのだろう。

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posted at 12:07:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月5日

とはいえ二作目では大分マシになっているとのことなので、その言葉を信じて二作目を読んでみたいと思う。

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posted at 12:07:54

2012年08月06日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月6日

乙野四方字「ミニッツ2~神の幸運、天使の不運~」読了。「相手の心を読む」能力を持つ相上櫻が敗北を喫した相手・守垣内明芳には「常に勝負に勝つ」幸運の持ち主だった。明芳の妹・芽明から兄を負かしてほしいと懇願された櫻はゲーム「ワルツの十四番」で明芳と対決することになる。

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posted at 17:46:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月6日

前作は「トリックとロジックが交差する、学園騙し合いラブストーリー」と謳った割にトリックもロジックもなく、悪い意味で読者を騙したとしか言いようがない散々な出来だったが、本作では打って変わって、編集者のテコ入れが功を奏したのか別人が書いたのではと思えるくらい格段に良くなっている。

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posted at 17:47:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月6日

物語の前半ではラブコメをやりつつもきっちりとゲームに至るまでの過程を描き、後半のゲームパートでは「ライアーゲーム」を彷彿とさせる心理的駆け引きが展開する。一部伏線が足りないのが気になるものの意識して意外性を盛り込もうとしている点は好印象。これなら次回作も期待していいかもしれない。

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posted at 17:48:01

2012年08月08日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月8日

吉村達也「スターダスト殺人物語」読了。田丸警部は衝撃を受けた。マンションの一室で女が全裸で両手を縛られ片足に赤いハイヒールをはいて首を吊っている。しかもその時、繋がっていた電話の向こう――軽井沢の別荘でも男が同様の格好で死んでいた。精神科医・氷室想介が奇怪な同時首吊り殺人に挑む。

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posted at 18:49:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月8日

粗筋からも分かる通り本作のメインは同一犯による同時首吊り殺人トリックであり、確かにそれは非常に凝っている。だがその反面、犯人の設定、動機に関しては作り込みが甘く、全体の出来としては一長一短と言わざるを得ないだろう。

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posted at 18:50:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月8日

いっそのこと「硝子のハンマー」のように部分的に倒叙形式を採用した方がより犯人の悪魔ぶり、犯行の壮絶さが伝わってよかったのでは、と思わなくはないが、それを抜きにしてもハウダニット物としては一読の価値はあると思う。

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posted at 18:53:33

2012年08月09日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月9日

東野圭吾「虚像の道化師」読了。物理学者の湯川が探偵役を務めるガリレオシリーズの第四弾短編集。指一本触れずに転落死させる術「幻惑す」、他人には聴こえない囁き「心聴る」、別荘での惨劇に隠された企み「偽装う」、女優が脚本家の死に仕組んだ罠「演技る」の四編を収録。

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posted at 19:10:47

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月9日

前半の二編「幻惑す」「心聴る」は魅力的な謎で本格ミステリ読者をその気にさせるものの、オチはいつもの科学ネタで特に見るところはなし。むしろ見るべきところがあるのは普通の殺人事件を扱った後半の二編「偽装う」「演技る」で、こちらは紛れもなく本格ミステリである。

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posted at 19:11:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月9日

「偽装う」は地味ながらも些細な気付きからのロジックが○。一方「演技る」は倒叙ミステリで冒頭から女優のアリバイ工作が描かれる。だがそれも早い段階で見破られてしまい、一体どこに罠が?と思っていたら……。作者の仕掛けた罠が巧く決まった良作であり、ベストを挙げるなら間違いなく本作だろう。

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posted at 19:11:46

2012年08月14日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月14日

田中啓文「星の国のアリス」読了。十六歳のアリスが乗った宇宙船〈迦魅羅〉号で体内の血液を全て抜かれた密航者の死体が発見された。七人いる乗客・乗務員の中に乗船するはずだったドラキュラ伯爵の子孫の姿が見当たらないことから、既に誰かに取り憑いているのではないかという疑惑が持ち上がる――。

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posted at 18:01:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月14日

SF設定を使ったクローズド・サークル物をベースにメルヘン、ホラーなど様々な要素を詰め込んだ、ごった煮ミステリー。それを約150頁という短い頁数でやってのけたのもさることながら、何より要素の一つ一つがちゃんとミステリとして活かされているのが秀逸。

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posted at 18:02:20

麻里邑圭人 @mysteryEQ

12年8月14日

具体的にどう活かされているのかに関してはネタバレになるので言及は避けるが、それらを併せ技として使うことにより真相が盲点になっている点が素晴らしい。その分、登場人物の背景があっさり気味なのが残念だが、この頁数でこれだけやってくれれば上等だろう。本作は異世界本格の隠れた良作である。

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posted at 18:02:46

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