麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年08月27日(月)
更に「殺しのベテランに能なしはいない」「死ぬ者はかまわない。どうせ能なしなのだ」と言い切ってしまうあたりには感動すら覚える。このイカレっぷりこそ友成作品である。短編ということもあり、長編に見られる投げっぱなし感がないのも○。ラストに生き残った者のモノローグが胸を打つ快作である。
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posted at 21:35:02
基本的にどの短編も友成作品ではお馴染みのシーンを抜き出したような内容だが、その中で最も気に入ったのはやはり表題作だろう。何と言っても人口調整のために全面的な無差別殺人と略奪が合法化されるという設定が素晴らしい。
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posted at 21:34:13
友成純一「憎悪の惑星」読了。これまでに開発と称し、数多くの惑星を侵略してきた惑星〈青〉の知性生物たち。そんな彼らが新たに開発に着手した惑星〈緑〉で受けた恐怖の審判とは……? SF表題作他、スプラッター・ホラー四編を収録した作品集。
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posted at 21:33:42
これらの短編はいずれもエロ要素を含んでおり、「匂う肌」は史実に絡めた大胆な発想が、「チタマゴチブサ」はラストの恥辱とも感じられるシーンの滑稽さが、「異臭の時代」は加納一朗「生殖センターの殺人」にも似た設定が印象的。本作はミステリ要素よりも奇抜な発想を楽しむ方が吉だろう。
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posted at 17:26:41
内容紹介を見ると、本作はSFミステリ短編集とあるが、SFミステリと呼べるのは表題作と「人脳培養事件」くらいで、あとの五編は全てSFのカテゴリに分類される。表題作は密室殺人のアイディアに光る部分はあるが、個人的にはむしろ「匂う肌」「チタマゴチブサ」「異臭の時代」の三編に惹かれた。
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posted at 17:26:25
佐野洋「金属音病事件」読了。神並建三は車に轢かれたのをきっかけに度々頭の中で謎の金属音が聞こえると共に電子頭脳ばりの記憶再生機能を持つようになった。だが、その後の調査で知り合った同じ奇病を持つウエイトレスが数日中に神並が殺害されると予言して――。
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posted at 17:23:36
2012年08月25日(土)
尤も映画の謎に関しては、これまで野崎まど作品を読んできた読者ならばある程度予想できるかもしれないが、映画の謎が明らかになった先に待っていた、ある意外な事実にはさすがに唖然とさせられた。本作は作者の新境地ではないものの、一つの到達点であるのは間違いない。
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posted at 12:55:54
同時に本作は野崎まどの集大成でもある。というのも本作には野崎まどの過去作品のキャラが総出演しており、しかもそれが重要な伏線として機能するのだから正に圧巻の一言。逆を言えば、野崎まど作品を全作品読んでない読者は置きざりにされること請け合いである。
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posted at 12:54:44
傑作にして怪作。まずこの小説の謎はいたってシンプルだ。最原最早が作ろうとしている『2』という映画は一体何なのか? ――この謎は野崎まどのデビュー作「[映]アムリタ」と共通しており、そういう意味では本作は「[映]アムリタ」の再来と言っていいだろう。
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posted at 12:54:11
野崎まど「2」読了。数多一人は超劇団『パンドラ』の舞台に立つことを夢見る青年。入団試験を乗り越え晴れて劇団の一員として認められるが、その矢先に『パンドラ』は一人の女性の登場によって解散してしまう。彼女は数多に言う。「数多さん、映画に出ませんか?」彼女は名を――最原最早といった。
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2012年08月24日(金)
ただ後者に関しては最後に登場人物がどう答えたか論理的に推測できるように書かれているとのことだが、生憎自分はさっぱり分からなかった(爆)。ミステリというより所謂「奇妙な味」の短編集であり、「ミステリーズ」みたいな作品や小泉喜美子のリドル・ストーリー短編が好きな人にこそお勧めしたい。
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posted at 21:36:25
山口雅也「謎の謎その他の謎」読了。結末を読者の想像に委ねるリドル・ストーリー五編を収録した短編集。個人的に気に入ったのは「異版 女か虎か」「謎の連続殺人鬼リドル」で、前者は王女サロメと彼女を巡る人々の選択を、後者は謎々を出してその答えによって生死を判断する連続殺人鬼を描いている。
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posted at 21:35:55
だが最後の最後で物語は再び本格へと回帰、それと共に明らかになる意外な真相もまたいい意味でお約束を裏切っている。何より秀逸なのは、早い段階で行われたトリックの解明が、真相の意外性を引き立たせていることだろう。本作はハウダニットを効果的に取り込んだ、プロット型本格の良作である。
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posted at 18:12:36
まず本作は読者の予想を常に裏切るような構成になっている。例えば冒頭、密室からの死体消失という不可解な謎で読者を惹き付けるが、そのトリック及び犯人は中盤に差し掛かる前にあっさりと判明。以降は本格ミステリからサスペンス物へと舵を切ったような展開が続く。
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posted at 18:11:56
鷹見緋沙子「死体は二度消えた」読了。竹村は嫌いな上司・古川の殺害をテーマにした推理小説を構想するが、その古川がある日密室で絞殺後、消失する場面に遭遇する。その体験をもとに竹村は推理小説を執筆するが今度は同じトリックの小説が既に存在することが発覚、盗作の疑いをかけられることに――。
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posted at 18:11:36
2012年08月23日(木)
その他、謎の手紙の真相にミスがあるのも気になる。一応「札幌大通公園80秒の謎」というサブタイトルの意味については最後に語られるが「で?」という感想以上のものはなく、お世辞にも作者の試みは成功しているとは言い難い作品である。
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posted at 14:16:53
内容紹介を見ると本作は夜行高速バスを使った新機軸のアリバイ崩しに挑戦したとのことだが正直トリックに夜行高速バスを使わなければならない必然性があまりないのが微妙。またそのトリックにしても図解まで入れて読者に伝えようとする努力は買うが、ぶっちゃけこれを推理しろというのは無理がある。
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posted at 14:16:36
大谷羊太郎「東京青森夜行高速バス殺人事件 札幌大通公園80秒の謎」読了。夜行高速バスを使って札幌での結婚式に出席後、東京に戻った淵川を待っていたのは密室状態の自宅で首にナイフを突き立てられた妻・真佐子の死体だった。警視庁捜査一課の八木沢警部補が鉄壁のアリバイと密室殺人の謎に挑む。
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posted at 14:16:13
2012年08月22日(水)
むしろ本作は事件を通して世界観を描くという構成になっており特に収録作の一つ「灼けた煉瓦の炉の上で」で描かれるグロテスクな世界観はどこかホラー的でなかなか面白い。個人的にはもう少しミステリ方面でも楽しませてほしかったけれど、この独特な世界観を体験するだけでも一読の価値はあると思う。
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posted at 21:10:15
一条明「猫刑事」読了。人間化された元動物たちが住む居住区第8セクターを舞台に元猫の特殊捜査員・フェリシアと元犬の捜査補佐員・アーニーが遭遇した事件の数々を描いたSFミステリ短編集。但し本作で起こる事件に、所謂狭義のミステリ的な謎解きを期待すると些か肩透かしを覚えるかもしれない。
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posted at 21:09:13
2012年08月21日(火)
ただ個人的には巻末の著者プロフィールにおける作品紹介で「六とん」の名前が挙がっていないのが納得いかない。蘇部健一の代表作といえば「六とん」「届かぬ想い」「木乃伊男」じゃないの?←
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posted at 11:44:49
そのすれ違いは毎回手を替え品を替え、様々なバリエーションが用意されており、それはさながら「ファイナル・デスティネーション」で意外な死に方を楽しむのと似ているかもしれない(何のこっちゃ)。また単なるすれ違いの繰り返しにならないよう、構成にも捻りが加えられているのは○。
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posted at 11:44:32
蘇部健一「まだ恋ははじまらない…」読了。本作は本屋で見知らぬ男女が一冊の本に同時に手を伸ばしたことから始まった恋の行方を描く恋愛ストーリーという体裁をとっているが、どちらかというと恋愛過程を楽しむというより恋愛に発展する前の、男女のすれ違いを楽しむ内容になっている。
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posted at 11:44:11
2012年08月18日(土)
傑作。そのプロットは細部まで計算されていて、例えば事件が起こるまで少々長く感じるかもしれないが、それも終盤に至るとある盲点から読者の目をそらすための巧妙なミスディレクションだったことが分かり、思わず唸らされる。
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posted at 19:05:37
鷹見緋沙子「わが師はサタン」読了。魔術学に取り憑かれた金城学園大学「マジック研究会」に所属する六人の学生たち。彼らは博学の奇人・明日多郎太を師とし崇高な目的のもと黒ミサを執り行うが、ある儀式の最中に全裸の女子大生・康美が殺されてしまう。困った学生たちは講師の南郷に相談するが――。
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posted at 19:05:06
2012年08月17日(金)
ちなみに本作を読んで、自分は某ゾンビ映画を思い出したのだけど、収録作の一つ「踊るデンキオニ」の雰囲気がそれに近いところから考えると、もしかしたら作者の方も多少意識しているのかもしれない。
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posted at 14:27:16
怪奇映画をテーマにした連作短編集。収録作はいずれもホラー小説というよりホラー映画小説と呼びたくなるものばかりでホラー映画が大好きな自分としては大いに楽しませてもらった。映画館で実際に映画を観ているような雰囲気を再現するという作者の狙いは、かなり成功していると言っていいだろう。
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posted at 14:26:44
井上雅彦「スクリーンの異形―骸骨城―」読了。幻の怪奇映画を上映する映画館『骸骨城』。魔性の科学者が生み出した怪物たち、古都ウィーンに跳梁するヴァンパイア、甦った幽鬼を巡る豪華客船の惨劇、仲良さげに手を繋いだ『奴ら』との恐怖の鬼ごっこ――それら四本の映画を観終わった後に待つものは?
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posted at 14:26:27