麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年12月15日(土)
尤もその現在とは何も技術だけに限った話ではない。事件の構図もまた例外ではなく、そうしたものを駆使して本格ミステリの新たな可能性を切り開いてしまうところにこの作者の凄さがある。加えて事件解決後に用意された「かなり長めのエピローグ」によって本作は一つの小説としても傑作たらしめている。
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posted at 18:22:08
誘拐ミステリの傑作。歌野晶午が誘拐物を手掛けるのは同じ舞田ひとみ物の短編「誘拐ポリリズム」以来、長編だと92年の「さらわれたい女」以来となる。「さらわれたい女」で当時流行ったポケベルなどを活かした誘拐劇を見せてくれたように、本作でも現在ならではの最新の誘拐劇を見せてくれる。
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歌野晶午「コモリと子守り」読了。引きこもりの由宇はパチンコ屋の駐車場に停められた車の中に前から虐待疑惑のある幼児が放置されているのを見て咄嗟に自宅へ連れ帰ってしまう。グズる幼児に困り果てた由宇は元同級生の舞田ひとみに助けを求めるが、ひとみを連れて家へ戻ると幼児はいなくなっていた。
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次点は表題作で、作者のアイドル趣味にニヤリとさせられつつも、構図の反転からのフーダニットが鮮やかに決まっている。一時はこのまま完結しないのでは、と危ぶんだこともあったが(!)、いざ出てみれば待たされた甲斐のある秀作傑作揃いで、個人的には満足度高し。
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収録作の中からベストを挙げるならば「宿命の交わる城で」で、犯人をロジックで引きずり出す過程とフェアプレイ精神が行き届いた構成が実に秀逸。あとがきで作者はこれが某作品のパイロット版であると語っているが、どちらかといえば某作品よりもこちらの方が好みかもしれない。
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「星座シリーズ」と銘打った「犯罪ホロスコープ」の第二巻。一巻から約五年ぶりとだいぶ出るまでに時間がかかったが、その分一巻よりもクオリティの高い作品集に仕上がっている。全体的にプロットがよく練られているが、後半になればなるほど「ロジック<プロット」化が顕著になっていくのが面白い。
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法月綸太郎「犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題」読了。殺人現場に残されたタロットカード、殺人を依頼した疑いのある元アイドル、獣医に付きまとうストーカーの死、音楽評論家の遺したダイイング・メッセージ、存在しない息子の誘拐、生まれ変わりの息子探しに隠された秘密など全六編収録。
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2012年12月14日(金)
また作者が得意とするアニメネタは本作も健在で、それと老人問題がどう繋がるのかと思ったら、まさかこうくるとは……。本作は作者の徹底したサービス精神と本格ミステリの技巧が両立した傑作である。
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しかも謎の一つ一つが有機的に結び付いており、名探偵の登場をきっかけにまるでドミノ倒しのように次々と謎解きの連鎖が起こっていく様は実に圧巻。特に劇画家の事故での、ある伏線から導き出される真相には思わず唸らされた。
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「アリスの国の殺人」から始まる「おとぎ話ものミステリ」三部作の完結編。文庫本で337ページという決して長くはない分量にこれだけのネタを詰め込んだのもさることながら、それを破綻することなくまとめあげた作者の手腕には脱帽と言わざるを得ない。
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辻真先「白雪姫の殺人」読了。元アニメーターの七人の老人が入居している「ダイヤライフ多摩」で血も凍るような事件が発生した。入居者の一人・アッコちゃんが首を切り取られた上、白雪姫の衣装と面を着けた状態で発見されたのだ。それを皮切りに次々と起こる不可解な事件にスナック蟻巣の面々が挑む。
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2012年12月13日(木)
それでいて妙に哀愁のある幕切れが、独特の余韻を残す。対して残りの二編はというと人間か人外かの違いはあるものの、ほぼやっていることが変わらない上、ありがちな話に留まってしまい、いまいちインパクトに欠けるのが残念。とはいえ、全編から漂うB級ホラー感は嫌いではない。
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美少女アイドルホラーオムニバス。基本的にはどれもアイドルとその狂信的なファンの間で起こる話を扱っているが、個人的には「どうして、こんなに~」が最も楽しめた。何と言っても、もし憧れのアイドルに変身できたら何をするか? というキモオタの願望を包み隠さずありのままに描いている点がいい。
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posted at 16:59:02
竹内義和「夢なら醒めて……」読了。思い詰めたアイドルおたくが気付いたら憧れのアイドルに変身していた「どうして、こんなに悲しいんだろう」、ストーカーに脅かされるアイドルの恐怖「涙、あふれて……」、清純派アイドルに付きまとう不気味な着ぐるみ「君をこんなに抱きしめても……」の三編収録。
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2012年12月12日(水)
収録作の中では謎の怪盗に秘宝『金の豚』を狙われる「怪盗からの挑戦状でございます」が最も派手だが、個人的にはさりげない描写からの気付きが秀逸な「この川で溺れないでください」と、不可解な死体の状況が意外な繋がりを見せる「殺人には自転車をご利用ください」を推したい。
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posted at 22:05:29
2010年から始まったこのシリーズも早いもので本作で三作目。初出一覧からも分かるようにかなりのハイペースで書かれているわけだが、それにも拘わらず本作の収録作はどれも一定のクオリティを保っているのだから驚きだ。
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東川篤哉「謎解きはディナーのあとで3」読了。お嬢様刑事が頭を悩ませる謎を毒舌執事が解き明かすシリーズの三作目。ペットボトルと飼い猫が鍵を握る老人の死、陸で発見された溺死体、密室から消えた秘宝、元競輪選手の鉄壁のアリバイ、体中から装飾品を奪われた死体、不可解な強盗殺人など六編収録。
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2012年12月10日(月)
あとがきで作者は登場人物の口を借りて「次回作もお願いします」と書いているが、仮に次回作が出たとしても今回と同じような内容なら申し訳ないが自分は遠慮したいと思う。
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posted at 22:22:46
褒めるところといえば前二作より読みやすくなったことくらいで(とはいえ二編目のバカトリックの発想自体は嫌いではない)巻末の「端正な謎解きに定評がある」という著者紹介はもはやツッコミどころとしか思えない。
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posted at 22:22:10
それが例えば連作の仕掛けとして最後に繋がればまだ良かったのだが、そんなことは一切ないままジエンド。密室魔の正体、動機も酷いの一言で、作中のアマンと編集者のやり取り(自作の宣伝やしょーもないトリック談義)も脱力感に拍車をかけている。
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posted at 22:21:40
作者がモデルと思われるミステリ作家が登場するユーモア連作ミステリ……なのだけど正直作者が何をやりたかったのかさっぱり分からない。アマンに持ち込まれる四つの謎は読者に解かせる気が全くないとしか思えないくらい伏線が殆どないし、毎回密室に閉じ込められるのも意味不明としか言いようがない。
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posted at 22:21:17
安萬純一「ポケットに地球儀 探偵作家アマンと謎の密室魔」読了。実際にあった謎を探偵作家アマンに解明させる企画「あなたの『謎』募集」を雑誌ナゾーンに掲載したところ四つの謎がアマンの許へ持ち込まれる。だが謎を解こうとすると必ず何者かに脱出不可能と思える空間に閉じ込められてしまい――。
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posted at 22:20:30
全六編からなる本作は、基本的に教授がバイオテクノロジーに基づく推理を披露した後に「カミさん」がそれを否定する合理的解決を示すという体裁をとっているが、その解決が必ずしも優れているとは言い難く、どちらかと言うとバイオテクノロジーの紹介と軽妙なやり取りを楽しむのが正解だろう。
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posted at 18:12:42
藤本大三郎「バイオ探偵の事件簿」読了。バイオケミストリー(生化学)専攻の藤本教授の身の回りで起こる珍事件、怪事件の数々。何でも最新のバイオテクノロジーと結び付けたがる教授に対し「カミさん」こと教授夫人の方は至って現実的な推理で事件を解き明かしていく。
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posted at 18:12:28
2012年12月07日(金)
終盤で明かされる真相以外にも要所要所に意外な事実を用意し、読者を飽きさせないよう工夫を凝らしているのは○。この作品ならではの斬新な見せ方こそないものの、職人芸のような騙しの巧さが堪能できる作品である。ちなみに作中に出てくる評論家・新山博久のモデルはやはり新保博久なのだろうか……?
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posted at 21:37:12
大胆な真相をこの作者お馴染みの設定を駆使して最後まで隠し通した秀作。冷静に考えればベタな手ではあるが、それを悟らせまいとミスディレクションの限りを尽くしたような構成が実に秀逸。
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posted at 21:36:06
折原一「潜伏者」読了。ノンフィクション作家の笹尾はある推理小説新人賞に送られた未完の小説『堀田守男氏の手』に興味を抱く。その作品は八年前に埼玉県の久喜市で起きた少女連続失踪事件の容疑者・堀田守男の視点で書かれていた。それから間もなく堀田が出所したのを機に事件は大きく動き出す――。
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posted at 21:35:41