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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2014年04月03日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月3日

二階堂黎人「ラン迷宮 二階堂蘭子探偵集」読了。狂気に取り憑かれた博士が建てた奇妙な建物〈霊応堂〉で起きた五重密室殺人、〈蘭の家〉と呼ばれる西洋館で十二年前に起きた毒殺事件と密室殺人、白人が殺され胃袋が奪われる事件の背後で暗躍する青い怪物……三つの怪事件に名探偵・二階堂蘭子が挑む。

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posted at 00:16:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月3日

「ユリ迷宮」「バラ迷宮」に続く、名探偵・二階堂蘭子シリーズの中短編集第三弾。五重密室殺人を扱った「泥具根博士の悪夢」は謎を強固にすればするほど真相の酷さが際立つという典型的な作品で、唯一評価できるトリックも前例があるのが残念。

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posted at 00:17:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月3日

回想の殺人を扱った「蘭の家の殺人」はこのシリーズにしては地味な内容だが、トリックはなかなか面白いものがある。とはいえ手掛かりがあからさま過ぎて犯人がすぐ分かってしまうのが難。

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posted at 00:17:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月3日

怪物による猟奇殺人を扱った「青い魔物」は前作「覇王の死」の悪いところをそのまま持ってきたような真相がアレで、これを自力で解くのはかなり厳しいと言わざるを得ない。正直なところ、収録作三編中「蘭の家の殺人」以外は微妙な出来ではあるものの、それでも前作に比べれば大分面白い作品である。

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posted at 00:17:55

2014年04月04日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月4日

井沢元彦「葉隠三百年の陰謀」読了。佐賀鍋島藩藩主・鍋島閑叟が龍造寺高房と名乗る化け猫に襲われる事件が起こった。化け猫は三百年前に絶えた龍造寺家に封土と政事を返せと迫り、近習の者の喉笛をかみちぎって姿を消したという。この奇妙な事件の探索方を命ぜられた若侍・大隈八太郎の推理やいかに?

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posted at 23:52:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月4日

化け猫による連続殺人の謎を若かりし頃の大隈重信が解き明かす本作は物語の構成が実に巧みで、展開の盛り上げ方もさることながら、事件の背景を浮き彫りにする様々なエピソードが物語への没入感をより一層高めてくれる。

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posted at 23:52:51

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月4日

特に秀逸なのが太平記と事件の絡ませ方で、その際に披露される足利尊氏が後醍醐天皇に対する忠義の心を失っていないとする理由には思わず唸らされた。ミステリとしてみるとトリックは微妙だが、その代わり物語とオチは綺麗に決まっている作品である。

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posted at 23:53:00

2014年04月05日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月5日

中町信「田沢湖殺人事件」読了。東和大学助教授・堂上の妻で推理作家の美保が中学の同窓会に出席した後に近くの田沢湖で水死体となって発見された。堂上は真相を探ろうとするが関係者は一様に口を閉ざした挙げ句、次々と殺されていく。やがて堂上が辿り着いたのは十五年前に隠蔽された密室殺人だった。

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posted at 21:29:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月5日

読者を翻弄するプロットと凄まじいまでのミスディレクションに圧倒される秀作。本作に詰め込まれたネタの密度は相当なもので中にはこのトリックはいるのかと首を傾げたくなるのもあるが、最後まで読むとそれらが全てミスディレクションのために編み出されていたことが分かり、かなり唖然とさせられる。

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posted at 21:29:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月5日

特に第三部からの展開が圧巻で、作者が得意とする文体トリックと二転三転する真相の合わせ技で読者を徹底的に引きずり回してみせる様はもはや感動的ですらある。何気ない場面に隠された伏線も素晴らしく、プロットや構図を何よりも重視するミステリ読みには是非お勧めしたい作品である。

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posted at 21:30:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月5日

中町信「湯煙りの密室」読了。ニセの合格電話で人生を狂わされた浪人生・八千草英彦と津山吾一。英彦は気分転換に指宿温泉へ旅に出るが、そこの露天風呂で何者かに殺されてしまう。しかも奇妙なことに現場は密室状況で、犯人と思われる女が目撃されるも忽然と姿を消していた。

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posted at 21:30:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月5日

例によって本作のプロローグにはお馴染みの文体トリックが仕掛けられてはいるものの、本作に限ってはそれほど効果を上げられていない。むしろ本作はさりげない伏線から導き出される意外な事実の連続と二転三転する犯人が楽しい作品に仕上がっている。

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posted at 21:30:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月5日

最終的な真相に関しては手紙に隠された意味と早い段階からぬけぬけと示された犯人の手掛かりが秀逸。ただ一点、ある特殊知識を知っているかどうかで評価が分かれそうな気もするが、それを差し引いても作者の細やかな計算が行き届いた良作と言っていいだろう。

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posted at 21:30:42

2014年04月09日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月9日

中町信「下北の殺人者」読了。親睦旅行の幹事だったOLが何者かに殺害され、グループ買いで得た宝くじの三千万円が奪われた。それから数日後、被害者の追悼旅行という形で下北を訪れた一行を待っていたのは謎の連続殺人だった。

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posted at 00:24:45

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月9日

参加者が何人殺されようが絶対に中止にならない恐怖の殺人ツアー(!)という本作の展開はまんま二時間サスペンスだが、いかんせん事件が地味過ぎるのと致命的なまでに盛り上がりに欠けるために全く面白くない(爆)。とはいえミステリとしては、ある構図の反転に見るべきところがある。

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posted at 00:25:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月9日

そこから読者の目を逸らさせる技巧には感心させられるものの、それ以外の要素が微妙過ぎて評価を完全に落としてしまっているのが残念。いっそのこと、その部分だけで短編として纏めてしまった方がまだ面白かったのではないだろうか。

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posted at 00:25:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月9日

笹沢左保「他殺岬」読了。ルポライター・天知昌二郎の一人息子・春彦が誘拐された。犯人は天知の記事が原因で足摺岬から投身自殺した環ユキヨの夫・日出夫。彼は復讐として誘拐した春彦を五日後に殺害すると宣言する。天知は息子を取り戻すため、ユキヨの死が他殺であることを証明しようとするが……。

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posted at 00:25:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月9日

傑作。身代金目的ではなくあくまで復讐としての誘拐、その誤解を解くために自殺として処理された事件を他殺であると証明しなくてはならないという一風変わった趣向もさることながら、五日間というタイムリミットを設けることでサスペンス性に拍車をかけているのが○。

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posted at 00:25:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月9日

そして何より凄いのはそれら全てに必然性がある点で、パズルのピースが嵌まっていくようにあらゆるものが有機的に繋がり浮かび上がる構図は正に圧巻の一言に尽きる。キャラクター設定一つとっても無駄というものが一切なく、読んでいて空恐ろしくなるくらい完成度の高い作品である。

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posted at 00:26:17

2014年04月10日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月10日

笹沢左保「求婚の密室」読了。女子学生とのスキャンダル疑惑を機に引退を決意した西城豊士教授が身の潔白の証明と養女の婿選びを兼ねて関係者を軽井沢の別荘に呼び集めた。だが翌朝、教授は夫人と共に離れの鍵がかかった地下室で服毒死体となって発見される。床に「WS」という謎の文字を遺して。

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posted at 00:06:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月10日

ルポライター・天知昌二郎シリーズの二作目にして作者が初めて密室テーマに真っ向から挑んだ作品。事実、本作は密室トリックの解明がそのまま犯人の正体に直結するシンプルな構造となっており、加えて物語の四分の三が事件の推理に費やされているのだから作者の意気込みの程が窺えるというものだろう。

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posted at 00:06:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月10日

だが一方でその推理のプロセスが犯人の絶妙な隠れ蓑にもなっており、なかなか一筋縄ではいかない面も持ち合わせている。また前作同様、主人公の設定が謎の解明に巧く活かされている点も○。本作は数ある作者の作品の中でも珍しい、コード型本格の佳作である。

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posted at 00:07:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月10日

岬鷺宮「大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド」読了。時は大正。帝都・東京に悪夢を齎す螺子巻き仕掛けの異形の化け物「活キ人形」と、謎の魔術によってそれを悉く凄惨に屠る異端の少女・墜落乙女。彼女を追う少年記者・乱歩が追跡の先に見るのは血染めの美少女が隠していた真実か、それとも……。

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posted at 23:11:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月10日

「失恋探偵」の作者の新作は、大正時代を舞台にした、怪人対名探偵ならぬ、怪人対魔法少女物。昨今の流行(?)を取り入れ多少の血腥さはあれど、その展開は徹頭徹尾王道なので、魔法少女物が好きな人には違和感なく受け入れられることだろう。

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posted at 23:12:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月10日

ちなみに「失恋探偵」で培ったミステリ要素に関しては、墜落乙女と敵対する存在である「活キ人形」のボス「人形座座長」の正体と、墜落乙女自身の謎に迫る時に見ることができる。あくまで添え物程度なので意外性には欠けるものの、一部の伏線にはさりげない巧さがある。

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posted at 23:12:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月10日

大正ロマンと魔法少女(+ミステリ的ガジェット)という組み合わせはそれなりに面白いので、二作目が無事に出たら、引き続き読んでみたいと思う。

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posted at 23:12:32

2014年04月12日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月12日

笹沢左保「真夜中の詩人」読了。江戸幸デパートの社長・三津田良吉の一歳になったばかりの孫・和彦が誘拐され、その半月後に平凡なサラリーマン家庭に育つ純一が誘拐された。いずれも犯人からは何の要求もなく警察が困惑する中、今度は純一の祖母が轢き逃げされて命を落とす。犯人の狙いは何か?

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posted at 15:20:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月12日

本作は「他殺岬」同様、身代金目的ではない奇妙な誘拐事件を扱っているが、「他殺岬」が五日間という期限を儲けることでタイムリミットサスペンスとして読ませる作品だったのに対し、本作は誘拐事件に絡めた謎をテンポよく提示することで巧く読者の興味を惹き付けてみせる。

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posted at 15:21:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月12日

メインのネタに関して言えば、今となっては幾つか作例があるため、早ければ探偵役である純一の母・真紀が過去を探り始めた段階で気付いてしまうかもしれないが、それでも本作の魅力が減じることはない。

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posted at 15:21:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月12日

本作にはその手の先例である歴史的価値は勿論のこと、事件の背景と探偵役の母としての側面を丁寧に描いたことで、終盤での夫婦の結束感と、過去と決別してみせたラストシーンを際立たせることに成功している。本作は五百頁近い厚さを一切感じさせない、一気読み必至の誘拐ミステリの佳作である。

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posted at 15:21:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月12日

笹沢左保「ふりむけば霧」読了。十八歳の時に二人を殺害し逃亡生活を続けていた千早芙美子はあと一年半で時効が成立するタイミングで被害者の夫・八ツ橋待彦と出会ってしまう。だが意外にも待彦は芙美子に逃亡の援助を申し出たのだった。やがて二人は愛し合うようになるが、再び殺人事件が起きて……。

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posted at 23:14:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月12日

時効寸前という作者が好んで使うシチュエーションを活かしたタイムリミットサスペンスにして、大胆な仕掛けに唖然とさせられる作品。正直いえば途中まではただのサスペンス小説という雰囲気が濃厚なのだが、ヒロインを付け狙う男の正体が判明したのを境に謎の度合いが一気に深まる展開が実に秀逸。

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posted at 23:15:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年4月12日

そして終盤、全く予想もしていなかった真相が明らかになると同時にようやく作者の狙いがどこにあったのかが分かり、大いに唸らされる。そういう意味では本作はホワットダニットの秀作と言ってもいいかもしれない。

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posted at 23:15:37

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