麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2014年09月30日(火)
河合莞爾「ダンデライオン」読了。密室状態の廃牧場のサイロで発見された、空中で刺殺されたとしか思えない異様な死体。そして翌週、都心の高層ホテル屋上で殺人事件が起きるが、今度は犯人が空を飛んで逃げたかのように姿を消していた。この浮遊死体と開放密室の謎に個性派揃いの鏑木特捜班が挑む。
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posted at 23:49:57
捜査第一課の鏑木警部補率いる特捜班が活躍するシリーズの三作目。本作もまたこれまでの作品同様、ポスト島田荘司というべき奇怪な謎と幻想性が打ち出されており加えて今回は原発ネタまで出てくる徹底ぶりである。しかしながら単なるフォロワーになっていないのはそのネタの使い方を見れば一目瞭然だ。
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posted at 23:50:25
そして何より島田荘司と決定的に違うのは、これらの要素がある事実の目眩ましとして用いられていることだろう。言うなればトリックではなくプロットで魅せる本格であり、構成からして問題そのもののミスディレクションになっている点が実に秀逸。
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posted at 23:50:38
故に「俺たちは、とんでもないことを見落としていたのかも知れん」という作中の台詞が解決編に至り、じわじわときいてくるのだ。本作は島荘流奇想本格の要素を巧みに取り入れたプロット本格の傑作である。
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posted at 23:50:53
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