麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年12月13日(日)
途中で判明するある意外な事実に関しては少々強引な気がしないでもないが、その展開があるからこそ、構図の因縁が際立つのがいい。本作もまた作者らしいミステリで人間を描いた秀作である。ちなみに徳間文庫版の、中島河太郎の解説では本編の核心の一部がネタバレされているので要注意。
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posted at 20:21:21
車にハネられたはずの人間が絞殺されるという奇妙な謎が目を惹く本作は、探偵役の設定(大学出のインテリで大のおばあちゃんっ子であるヤクザの用心棒)も相当変わっているが、読み終わってみるとこの設定が必要不可欠だったことが分かり、大いに唸らされる。
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posted at 20:21:05
笹沢左保「魔家族」読了。横浜黄竜会の用心棒を務める羽根沢はたった一人の肉親の臨終を見取るために車で病院へ向かう途中、見知らぬ老女と接触事故を起こした。緊急時ということもありやむなく放置した羽根沢だったが翌朝の新聞に老女がハネられた上で絞殺という記事が載っているのを見て愕然とする。
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posted at 20:20:52
2015年12月11日(金)
競馬ミステリだからこそできた盲点をつく誘拐トリック、倒叙形式だからこそ見えなかった構図、そして様々な人間の思惑が絡み合いギリギリのバランスで成り立っていた物語に引導を渡す皮肉なオチ……全てが有機的に結び付いた本作は、落選作とは思えないハイレベルな傑作である。
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posted at 23:21:41
第二十七回江戸川乱歩賞最終候補作。本作には競馬ミステリ、誘拐ミステリ、倒叙ミステリという三つの要素が盛り込まれているが、何より秀逸なのはそれらのうちどれが欠けても成立しない、一つの緻密な犯罪パズルを作り上げていることだろう。
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posted at 23:21:32
岡嶋二人「あした天気にしておくれ」読了。三億二千万円のサラブレッド・セシアが不慮の事故により骨折、多額の弁償を恐れた馬主の鞍峰とその部下たちはセシア誘拐事件をでっち上げることで窮地を免れようとする。だがそこに彼らの計画を知る謎の脅迫者が現れたことで事件は思わぬ方向へ――。
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posted at 23:21:00
2015年12月10日(木)
ただその反面、後半になればなるほど意外な展開を重視し過ぎていらない要素や雑な解決が目立つのが難。また事件の内容に対し動機が些か俗っぽすぎるのが気になるが社会派ミステリでこういうアプローチの仕方はあまり見ないし何よりロマンティックな結末がだいぶ俗っぽさを消しているので良しとしたい。
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posted at 22:35:19
作者らしいスケールの大きな犯罪が目を惹く作品。前半の脅迫事件を巡る犯人との駆け引き、航行中のタンカーを爆破させる方法はよく練られており、そこから二転三転、まさかの誘拐事件へと発展していくまでの流れは抜群に面白い。
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posted at 22:34:48
西村京太郎「炎の墓標」読了。東京に本社を持つ新太平洋石油にインド洋を航行している同社の巨大タンカー・洋平丸の爆破中止と引き換えに百万ドルを要求する脅迫電話がかかってくる。百万ドルの振り込み先はバリ島にある小さな商店だった。犯人の狙いはどこにあるのか? 十津川警部が捜査に乗り出す。
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posted at 22:34:37
2015年12月05日(土)
「グリーン・インフェルノ」観了。おバカな食人ホラーかと思いきや、意外と理知的な映画だった。全体的に計算されたブラックユーモア作品で、食人族も要素の一つに過ぎない。故に食人ホラーとして観ると物足りない部分もあるが、風刺という点ではロメロのゾンビ映画に通じるものがあるかもしれない。
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posted at 20:32:10
2015年12月01日(火)
もっとも罪の見当がついてしまうものばかりかといえばさにあらず、作者らしい黒さが炸裂するものや、この連作のスタイル自体を逆手にとって読者を騙そうとしたりするものもあるので油断ならない。ベストは「待ち人来たらず」で、次点は「懐かしい友だち」。
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posted at 22:28:38
謎多き館の住人が、館を訪れた人間たちの様々な罪を暴いていく連作ミステリ。基本的には犯人当てならぬ罪当てが眼目となるが、たとえその罪に見当がついてしまったとしても、探偵役がどこで気付いたのかというロジックの面白さがあるのがいい。
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posted at 22:28:19
石持浅海「罪人よやすらかに眠れ」読了。その館を訪れた者は自らの業と向き合うことになる。友人とその恋人を連れた若者、初めての一人旅に出た小学生、懐かしい友を思い出すOL……彼らを待ち受けるのは眉目秀麗の青年・北良。彼は言う。「謎が解かれてしまったら、もうここにいてはいけない」
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posted at 22:28:09