麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年08月15日(月)
ミステリとしてみると誘拐事件の真相に捻りを入れてはいるものの、今となっては定番のネタなので、やられたとまではいかないのが残念。とはいえ妻探しの過程が誘拐事件の真相に巧く説得力を与えているのは流石だし何よりラストシーンが美しい。お勧めとまではいかないが読んで損はない作品である。
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posted at 22:21:43
しかしながら主人公が妻の行方を知るために妻と不倫関係にあった男たちから話を聞く流れはまだ分かるが、その男たちが仲間に加わったばかりか最終的には友情まで育んでしまう(!)のは完全に予想外で、しかもそれをいい話風味に読ませてしまうあたり、やはり作者は只者ではない。
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posted at 22:21:14
蒸発した妻が誘拐事件の犯人かもしれないという衝撃的な導入部から始まる長編ミステリ。作者が得意とする誘拐物だけあって期待して読んだが、どちらかというと誘拐事件よりも妻探しの方がメインで、そういった点ではやや物足りなさが残る。
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posted at 22:21:05
笹沢左保「その朝お前は何を見たか」読了。元パイロットの三井田久志は二年前に妻の紗織に逃げられ、それが原因で情緒障害になった六歳の息子の友彦と二人で暮らしていた。そんなある日、ラジオのニュースで流れた女子大生誘拐事件の犯人からの電話の声を聞いた友彦が「お母さん……」と呟いて――。
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posted at 22:20:37
2016年08月10日(水)
故に狭義のミステリを端から期待するものではないが、話の展開にしてもラノベなどでよくある自分探し物の域を出ておらず、乱歩賞としては新しいかもしれないが、物語としてみるなら決して新しいとは言えない(そしてそれは選考委員の辻村深月も選評で指摘している)。
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posted at 20:36:44
第62回江戸川乱歩賞受賞作。選考委員の有栖川有栖は本作を指して「これは平成の『ドグラ・マグラ』である」と称したとのことだが、個人的には『ドグラ・マグラ』というより『多重人格探偵サイコ』に近いように感じた。
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posted at 20:36:30
佐藤究「QJKJQ」読了。猟奇殺人鬼一家の長女として育った17歳の亜李亜はある日、自宅で兄の惨殺死体を発見してしまう。直後に母も姿を消し、亜李亜は父と共に取り残される。何が起こったのか探るうちに、亜李亜は自身の周りに違和感を覚え始め――。
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posted at 20:36:17
市川哲也「名探偵の証明 蜜柑花子の栄光」は前作で現実の事件はちゃちいものものと作者が開き直ってしまったためにどう頑張っても事件が面白くならない上に、最後の仕掛けにしても登場人物の一人が「推理よりも想像」が必要と言ってしまっている時点でどうしようもない。
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posted at 08:16:37
これを作者が狙ってやっているのかどうかは定かではないが、どちらにしろミステリとしては前二作同様(というかそれ以上に)全くお勧めできない作品である。あとどうでもいいことだが、登場人物の一人が使う偽名(戦場ヶ原、暁美、間桐)は寒いだけなのでやめた方がいいと思う。←
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posted at 00:30:15
以降、人間消失、ダイイングメッセージ、アリバイ物と事件が続くが、そこで行われる推理はどれも杜撰の一言に尽きる。それは四つの事件の裏に隠されたどんでん返しすらも例外ではなく、挙げ句の果てには杜撰だからこそ探偵が助かる流れに呆れを通り越して思わず笑ってしまった。
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posted at 00:30:00
「名探偵の証明」三部作の完結編。粗筋だけ見ると「ダンガンロンパ霧切」の3巻以降の話を彷彿とさせるが、残念ながら「ダンガンロンパ霧切」のような展開をこの作者に期待するのは酷というものだろう。それはシリーズ読者でなくても最初の人体発火事件を読めば否応なしに思い知らされることになる。
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posted at 00:29:33
市川哲也「名探偵の証明 蜜柑花子の栄光」読了。奇妙なグループに母親を人質にとられた。蜜柑が四つの未解決事件を解き明かさなければ母親の命はない――祇園寺恋から助けを求められた名探偵・蜜柑花子は大阪、熊本、埼玉、高知の順にたった六日間で全国に散らばった四つの難事件に挑むことになる。
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posted at 00:29:24
2016年08月07日(日)
「一九四一年のモーゼル」を読むついでに米澤穂信「Do you love me?」と獅子宮敏彦「諏訪堕天使宮」も読んだけど、前者はまんま過ぎるネタとそれに至った心理が描かれてなくて微妙。後者は定番のネタではあるものの、舞台を活かした隠蔽方法と史実との絡ませ方が良かった。
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posted at 11:44:11
北山猛邦「一九四一年のモーゼル」読了。第二次大戦下のソ連で起きた館消失の謎を扱った安楽椅子探偵物。大掛かりなトリック以上に状況によって役割が変化するペンダントの使い方が巧い。ややできすぎなきらいはあるが、作者らしいロマン溢れる結末が印象深い、短編ミステリの見本のような作品である。
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2016年08月06日(土)
「シン・ゴジラ」観了。怪獣映画特有の破壊の美学を求めると些か物足りない部分もあるが、災害パニック物としてテンポ良く見せることにより万人受けする良質なエンタメ作品に仕上げている。所々窺える庵野テイストも○で、個人的には「巨神兵東京に現わる」を彷彿とさせる夜の場面が良かった。
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posted at 22:59:10
むしろ本作の見所はある事件における犯人の動機であり、大胆この上ないこのネタだけで元がとれると言っても決して過言ではないだろう。加えて捻りのきいたプロットと余韻が絶妙な結末が素晴らしく、たとえトリックが微妙でもそれ以外の部分で充分カバーできることを教えてくれる(?)佳作である。
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posted at 13:01:35
犯罪学者ツイスト博士が探偵役を務めるシリーズの一作目。稀代のマジシャン・フーディーニに纏わるエピソードと怪奇趣味に彩られた不可解な謎の連打は魅力的だが、その真相自体はどれも大したものではない(というかアルテ作品でトリックに唸らされるものは一部を除き、あまりないような気がする)。
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posted at 13:01:15
ポール・アルテ「第四の扉」読了。数年前に密室状態の屋根裏部屋で全身を切り刻まれて死んだ夫人の幽霊が出ると噂されるダーンリー家の屋敷に霊能力を持つと称する夫婦が越してきて以来、不可解な事件が続発する。そして、遂には呪われた屋根裏部屋での交霊実験の最中、またもや密室殺人が……。
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posted at 13:01:04