麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年03月31日(金)
またミステリ部分以外では捜査行を通じて徐々に変化していく探偵役である麻衣子の弟・孝夫と百合子の関係も読みどころの一つで、そういった点ではシリーズ読者にとって見逃せない作品と言っていいだろう。
タグ:
posted at 20:54:33
幽霊事件シリーズの一作。空中密室に探偵役による密室講義とミステリ読みのツボを押さえたシチュエーションが盛り込まれている点は○だが、トリック自体の目新しさは残念ながらあまりない。むしろトリックよりもそのトリックの背景にある人間関係にこそ見るべきところがあるように思う。
タグ:
posted at 20:53:53
風見潤「九州一周幽霊事件」読了。友人の結婚式に出席するため長崎にやって来た百合子はたまたま乗った稲佐山のゴンドラで殺人事件に巻き込まれてしまう。百合子が眠っている間に同乗したカップルが血まみれになっていたのだ。途中で誰も乗り込むことができない六分間の空中密室で一体何が起きたのか?
タグ:
posted at 20:52:08
2017年03月30日(木)
中でも完成度が高いのはやはりタイトルにもなっている「痛み」「かたみ」「妬み」の三編で、「痛み」はそれしかない残酷な結末に辿り着くまでの過程が、「かたみ」はこの時代背景ならではの符合が、「妬み」は演目の盲点をついたオチがそれぞれ秀逸。全体的に作者らしい洒落た作品集である。
タグ:
posted at 22:38:54
作者の作品で最も入手困難な短編集「痛みかたみ妬み」に「またたかない星(スター)」収録の二編と未収録短編二編を加えた増補再編集版。収録作の殆んどはサスペンス物で、その大半が途中でオチが読めてしまうものの、基本的にどれも語りが巧いのでオチに意外性がなくても差ほど気にならない。
タグ:
posted at 22:38:38
小泉喜美子「痛みかたみ妬み 小泉喜美子傑作短篇集」読了。病院に担ぎ込まれた痛みと後悔に苦しむ少女が知らぬ真実(「痛み」)、突然ホテルで命を絶った裕福な人妻の謎(「かたみ」)、天才舞踏家をずっと見てきた女の心裏(「妬み」)……人生の裏も表も知る大人のためのミステリ十編収録。
タグ:
posted at 22:38:15
2017年03月29日(水)
また犯人側の人間関係が明らかになるにつれ、メインヒロイン二人との対比が浮き彫りになってくる構成は○。ミステリとしてみると正直物足りなさが否めないが、警察小説という枠組みの中でも作者らしさがきちんと感じられる作品である。
タグ:
posted at 23:34:36
作者初の警察小説。にも拘わらずメインヒロイン二人のキャラ造形は相変わらず作者の趣味丸出しというか、全くぶれないのが凄い。もっとも事件の構図に関しては作中でも言われている通りミステリではお馴染み過ぎて特に驚きがないものの何故そこまでする必要があったのかという点はよく考えられている。
タグ:
posted at 23:33:01
長沢樹「ダークナンバー」読了。東京西部で発生した連続放火事件と埼玉県の連続路上強盗致死事件。監視カメラの包囲網を潜り抜けて凶行を重ねる犯人。警視庁分析捜査三係の渡瀬敦子と東都放送の土方玲衣は業界と管轄を越えて必死の捜査を続ける。“この世に存在しない犯人”の目的とは……?
タグ:
posted at 23:32:21
2017年03月26日(日)
「振り子」(「『NかMか』展Ⅲ配布小冊子」収録)/薄井風子は足を踏まれた――という書き出しから始まる、不条理物語。誰もが経験したことのある痛い話がより痛々しく発展していき、遂には唖然とする壮大なオチがつく様はさながら作者の描く絵画のイメージをそのまま小説化したかのようだ。//
タグ:
posted at 03:24:16
//加えてタイトル通り魔女というものを物語を通して考えさせる構成が秀逸。それにしても密室から消失するツナ缶という、どこか間の抜けた日常の謎からこんなおぞましい結末を迎えるとは一体誰が思うだろう?
タグ:
posted at 03:22:32
//美術学校を舞台にした日常の謎から始まり、二転三転する推理を経て変態ホラーへと着地する実に作者らしい怪作。作者の作品にはエキセントリックな芸術家がしばしば登場し、その奇矯な振る舞いの中に重要な伏線を隠蔽してみせるが、本作もまたそれらの技巧が遺憾なく発揮されている。//
タグ:
posted at 03:21:45
「魔女考」(「『NかMか』展Ⅲ配布小冊子」収録)/画学生の私は先輩の古島提子の頼みで市民オペラ『ヘンゼルとグレーテル』の小道具制作を引き受けることになる。その一つである魔女の人形を作っていたある日、密室状態の自室からここ最近よく食べていたツナ缶が何故か消え失せていて――。//
タグ:
posted at 03:21:04
2017年03月24日(金)
幽霊事件シリーズの一作。犯人当てとしてはベタながら良くできている反面、タイトルの意味と探偵が罠に嵌められた理由の雑さが気になる。特に後者は解決編の直前まで重要な情報が伏せられている点と行き当たりばったりで入れたとしか思えないあるキャラの絡ませ方がいただけない。
タグ:
posted at 20:05:47
風見潤「京舞妓幽霊事件」読了。高科コンツェルンの経営するホテルの再建をかけて推理劇が企画された。その下見で山頂に建つホテルへとやってきた麻衣子たちはそこで奇妙な盗難事件に遭遇。更にメンバーの一人が三通りの方法で殺され、その犯人として疑われたのは、あろうことか麻衣子本人だった。
タグ:
posted at 20:04:59
2017年03月21日(火)
幽霊事件シリーズの一作。千尋の妹・百合子と麻衣子の弟・孝夫初登場である本作は誘拐あり殺人ありのサスペンスストーリーでテンポ良く読ませる反面、トリックの分かりやすさと構図に前例があるのが難。とはいえ二転三転する展開で最後まで楽しませてくれる作品である。
タグ:
posted at 00:26:05
風見潤「東京ベイエリア幽霊事件」読了。京都から上京してきたばかりの千尋の妹・百合子が誘拐された。監禁場所の手掛かりは百合子が海に流した瓶詰めの手紙だけ。推理研の面々で手分けして捜索に乗り出すが、その矢先に殺人事件に遭遇してしまう。更に麻衣子の弟・孝夫まで姿を消してしまい……。
タグ:
posted at 00:25:44
2017年03月20日(月)
幽霊事件シリーズの特別編。今回はいつものシリーズ作品とは異なりホラー要素が全面に押し出された内容となっており、読者はミステリとホラーの狭間を行き来することになる。ミステリとしてみるとイージーな仕掛けながらホラー部分を巧く隠れ蓑に使っているのは好印象。
タグ:
posted at 18:13:28
風見潤「闇をつかさどるもの」読了。麻衣子たちは軽井沢の林道で闇に浮かぶ白い人影を見た。それは五ヶ月前に行方不明になっている少女・葉月なのか? そんな中、近くの別荘で不可解な首吊り事件が発生。その直後に行われた降霊会では死者のものと思われる「出して」というメッセージが残されて……。
タグ:
posted at 18:12:53
幽霊事件シリーズの一作。あとがきによると本作は「『スキー場幽霊事件』(シリーズ二作目)の暗号が評判よかったので、また暗号ものを 、と思って、腕によりをかけました」とのことだが、実際今回の暗号はかなり凝っており、しかもそれとあらすじにもあるメタ趣向が密接に絡んでいる点が素晴らしい。
タグ:
posted at 17:29:29
風見潤「北海道幽霊事件」読了。女子大生探偵の水谷麻衣子が恋人の日下千尋、親友の中田美奈子と共に念願の北海道旅行にやって来たのも束の間、屈斜路湖で中田美奈子を名乗る女が殺される。そして被害者は何故か『北海道幽霊事件』の本を持っていた。それから間もなく「水谷麻衣子」まで殺されて……。
タグ:
posted at 17:28:44
2017年03月19日(日)
更にその裏に隠された構図に至っては思わず作者にお疲れ様と言いたくなるほどの複雑さであり、前述した仕掛けと相俟ってこれ以上ないくらいシリーズの探偵役である水谷麻衣子の名探偵ぶりが際立つ事件に仕上がっている。本作はシリーズ最終作に相応しい傑作と言っていいだろう。
タグ:
posted at 20:53:24
京都探偵局シリーズの最終作。本作はシリーズの掉尾を飾る作品だけあっていつも以上に事件が凝っており、京都探偵局の三人がそれぞれ推理力を発揮する展開もさることながら、この展開だからこそできる仕掛けが盛り込まれているのが非常に熱い。
タグ:
posted at 20:52:52
風見潤「夜叉ヶ池幽霊事件」読了。京都探偵局の三人がそれぞれ向かった先――夜叉ヶ池、五箇山、白穂高原で、相次いで殺人事件が発生。足跡なき殺人、人間消失、クローズド・サークル状況下での見立て殺人……巧妙なトリックが散りばめられた三つの不可能犯罪に七つの解決をつけるシリーズ最終作。
タグ:
posted at 20:51:03
しかしながらタイトルにもなっているこの館の設計主旨に込められた島田荘司的奇想と社会派要素はなかなかのもので、これだけでも大いに本作を読む価値はあるだろう。本作はこの時代だからこそ生まれた館ミステリの意欲作である。
タグ:
posted at 20:07:08
第62回江戸川乱歩賞最終候補作。本作は作者が一級建築士だけあって舞台となる館の描写が非常に凝っている反面、肝心の事件部分がただ人や猫が消えるだけなので些か地味な印象が否めない。
タグ:
posted at 20:06:51
家原英生「(仮)ヴィラ・アーク 設計主旨」読了。設計事務所を経営する川津らが招かれたのは断崖に建つ「二本の筒が載った家」だった。豪華な館訪問という楽しい旅にやがて暗雲が漂い始め、事件が起こる。消えた黒猫を捜すうちに一人、また一人と行方不明者が……。この建物に隠された秘密とは何か?
タグ:
posted at 20:06:36