麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年04月30日(日)
しかしながら肝心の真相はというと悪い意味で予想の範疇に留まってしまっているのに加え、ある人物の心理を考えると一部矛盾しているように思えるのが難。せっかく謎は面白いのだから、それに相応しい意外性のある真相を用意してほしかった。
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幽霊事件シリーズの一作。十年前に小説通りに起きた誘拐事件が十年の時を経て繰り返される謎、それに作者・風見潤と探偵役の水谷麻衣子が挑む展開もさることながら第一部と第二部の冒頭に挿入される土屋隆夫「針の誘い」やエラリイ・クイーン「最後の一撃」からの引用文が否応なしに盛り上げてくれる。
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風見潤「東京・京都二重誘拐幽霊事件」読了。一九八七年四月、推理作家・万里小路さくらの妹すみれが誘拐される事件が起こった。事件は何故かさくらの小説通りに展開し、幾つかの謎を残したまま終息した。それから十年の月日が流れ、再び同じ事件が繰り返される――。
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しかしながらそれも作者の計算の内であり、そこから一筋縄ではいかない犯人当てにしてやろうという作者の意気込みが窺える。また使われるトリックはどれも初歩的なものながらバランス良く配置されており、突出したものはないが最後までテンポ良く読める作品である。
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幽霊事件シリーズの一作。遺跡の中で発見された女優の全裸死体に足跡なき殺人と冒頭から魅力的な謎が示されるが、それをメインの謎だと思って読むと中盤であっさり解かれてしまうので人によっては少々肩すかしを覚えるかもしれない。
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風見潤「秋の飛鳥路幽霊事件」読了。飛鳥地方にある遺跡の中で発見された女優の全裸死体。その側では醍醐玲子がナイフを手に気を失っていた。しかも現場までの地面には被害者と玲子の足跡以外残されていなかったという。玲子の窮地を救うべく駆けつけた麻衣子だったが、その直後に第二の殺人が――。
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2017年04月28日(金)
ベストを選ぶなら最終話で、逆転の発想が光るロジックもさることながら不思議の国のアリスと絡めた事件の構図が秀逸。次点は第三話でさりげない人物描写に隠された伏線とこの設定を活かした犯罪計画が○。とはいえ他の短編も見るべきところは多く、全体的に安定した出来の良作である。
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この作者にしては珍しい高校生探偵物。一部例外はあるものの、基本的には殺人以外の事件を扱っており、その内容も倒叙にホームズなどでお馴染みの某趣向、連作ならではの仕掛けにロジック重視の犯人探し……とバラエティに富んだものに仕上がっている。
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滝田務雄「不良品探偵」読了。学校で起きた不良殺し、幽霊が場所を指定する肝試し、スキャンダルに絡んだ窃盗事件、警察署での犯人探し、ハロウィンイベントの最中に切り裂かれたウサギのぬいぐるみ……伝説の不良品探偵・藍須救武の活躍とその後輩・白城一馬の毒舌が楽しめる全五編の連作短編集 。
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2017年04月27日(木)
幽霊事件シリーズの一作。孤島にある女子大の寮で起きる幽霊騒動にアリバイトリックを絡めた本作は舞台設定や事件の内容だけ取り出せば魅力的と言えなくはないが肝心の真相がいただけない。幽霊騒動の真相はしょうもないの一言に尽きるしアリバイトリックもさすがにこれはバレバレと言わざるを得ない。
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風見潤「大阪ウォーターフロント幽霊事件」読了。大阪湾に浮かぶ無人島・恩根島。そこに建つ女子大の寮に痴漢の幽霊が出るという事件の調査を依頼された麻衣子たちだったが、島を訪れて間もなく寮生の一人が崖から落ちて無残な死を遂げる。事件は幽霊の仕業なのか?
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2017年04月25日(火)
そしてそれは密室の謎にしても同様で、何故密室を作ったのかというホワイを巧く犯人当てと結び付けている。また物語の後半には暗号も盛り込まれており、180頁と短い作品ながら様々な趣向で楽しませてくれる良作である。
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幽霊事件シリーズの一作。本作はロンドンと軽井沢で同一人物がほぼ同時刻に殺されるというメインの謎も魅力的だが、それ以上に何故そんな状況が起こったのかという点に力が入れられており、あっと驚くトリックこそないものの設定を活かした説得力のある真相を提示しているのは○。
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風見潤「軽井沢幽霊事件」読了。日下千尋は醍醐玲子と共にロンドンへ。そして水谷麻衣子は中田美奈子と共に軽井沢へ――だがそれぞれの滞在先であろうことか殺人事件に巻き込まれてしまう。しかもその二つの事件はほぼ同時刻に起こったばかりか、被害者まで同一人物としか思えない不可解な状況で……?
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2017年04月22日(土)
その他、バカトリック炸裂の第一話や犯人視点で描かれるミッションインポッシブル的展開の第四話から窺える作者らしさも○。本作は物語とミステリ的仕掛けが絶妙に融合した秀作である。
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だが何といっても一番の見所は最終話における連作を活かしたフーダニットで、何気ない場面とあるミステリ的趣向を結び付けた発想もさることながら、そこから浮き彫りになる探偵と犯人の関係性が実に秀逸。加えて歴史ロマンの要素がより一層、それを劇的なものとして演出している点もいい。
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posted at 15:55:28
不可能犯罪に拘る謎の殺し屋・上海デスドールが起こす事件の数々を推理力以外ぱっとしない新聞記者の早瀬が解き明かす、全五話構成の連作ミステリ。扱う事件の性質上ハウダニット物がほとんどだろうと思っていると不意に思いもよらぬ依頼人探しのフーダニットであっと言わせてくれるので油断ならない。
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獅子宮敏彦「上海殺人人形(ドール)」読了。1920年代の上海で続発する不可能犯罪。『赤死病の仮面』に擬えた仮面舞踏会で起きた密室の人間消失、衆人環視の寝室から風のように消えた犯人、遺留品の多すぎる犯行現場……だがそれが解かれても真犯人・上海デスドールをとらえることはできない――。
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むしろトリックよりも犯人の正体に工夫が凝らされている作品だが、トリックの解明が即犯人に結び付いているせいでせっかくの意外性が半減してしまっているのが難か。一方、シリーズ読者にとっては事件の合間に語られる、後の京都探偵局シリーズに繋がるエピソードが見逃せない作品である。
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幽霊事件シリーズの一作。密室殺人といっても鍵のかかった密室ではなく視線の密室――所謂準密室の方だが、トリックに関しては伏線があからさまなのである程度ミステリを読み慣れている人ならすぐに読めてしまうだろう。
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posted at 08:37:33
風見潤「天草四郎幽霊事件」読了。茶道の家元・醍醐玲子は弟子である須山亜美の実家で密室殺人に遭遇した。事件が起きる少し前から現場周辺に現れた天草四郎の生まれ変わりを名乗る美青年と書き残される不可解な文字は何を意味するのか? 名探偵・水谷麻衣子の推理が冴える。
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2017年04月20日(木)
ミステリとしての見所はやはり死体移動のアリバイが発想の逆転によって崩される点であり、いかにもクリスティがやりそうな人間関係の中に仕組まれたミスディレクションと登場人物の設定を活かした大胆なトリックの相乗効果がその謎解きの意外性を見事に際立たせている。
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posted at 23:11:33
幽霊事件シリーズの一作。クリスティの某作を意識したという本作はシリーズの中でもかなり本格度の高い作品であり、その力の入れようは読者への挑戦が盛り込まれているところからも窺うことができる。
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風見潤「まぼろしの富士幽霊事件」読了。美奈子の姉の友人・美緒の誕生パーティーが孤島にある別荘で開かれることになった。ところが招待客の中には美緒の夫の元恋人がいて怪しい雲行きに。そして遂に起きる殺人事件。だが死体は服だけ残して消失してしまい……。
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posted at 23:10:33
2017年04月19日(水)
幽霊事件シリーズの一作。事件そのものはシリーズの他の作品と比べると些か地味な印象が否めないが、その代わりある意外な繋がりであっと言わせてくれる。もっとも元ネタである小説を知らないとどうしてもアンフェアに感じてしまうのが難だが、それでも最後まで真の狙いを隠し通した点は評価したい。
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posted at 22:28:54
風見潤「金沢幽霊事件」読了。歌舞伎役者の芳沢吉也の招待を受けて金沢へとやって来た麻衣子たち。だが、そこで待っていたのは親友の美奈子の誘拐と、美奈子によく似た女性が被害者となる殺人事件だった。二つの事件を追う麻衣子はやがて全てがある小説に結び付くことに気付く――。
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posted at 22:28:43
2017年04月18日(火)
加えて本作が面白いのは鎮憎師の目的が憎しみの連鎖を断つことであるが故に事件を起こした犯人だけではなく、これから事件を起こしそうな人物――言うなれば未来の犯人をも推理してみせる点だ。そして、それらを成立させるために用いられる要素や構図はどことなく西澤保彦を彷彿とさせるものがある。
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人によって賛否が分かれそうな問題作。通常本格ミステリでは物的証拠や機会から犯人を論理的に絞り込むものだが本作ではなんと論理では割りきれないはずの動機や性格、何気ない仕草から犯人を論理的に絞り込んでみせる。これは石持作品特有の妙にロジカルな登場人物だからこそ成せる技と言えるだろう。
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石持浅海「鎮憎師」読了。赤垣真穂が友人の結婚式の二次会に招かれた翌日、出席者の一人が他殺体で発見される。これは学生時代の事件の復讐なのか? それから間もなく真穂は叔父から鎮憎師なる人物を紹介される。叔父曰く、彼は「事件を上手に終わらせる方法を考えてくれる人」だというのだが……。
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posted at 23:04:27