麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年06月16日(火)
そしてその大仕掛けを際立たせるための演出もよく練られており、それまで不可能状況として立ちはだかっていた事実が一転して大胆な推理を裏付ける証拠として機能する点が実に秀逸。但しフーダニットとしてみると物語の都合上、一部の手掛かりが後出し気味に感じてしまうかもしれない。
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posted at 20:26:44
ゲーム「ダンガンロンパ」のスピンオフシリーズの完結編。シリーズ一作目と同じシリウス天文台を事件の舞台に持ってくるという熱いシチュエーションもさることながら、特筆すべきは何と言っても北山ファンであればニンマリすること請け合いの人工的かつ豪快な大仕掛けだろう。
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posted at 20:26:20
北山猛邦「ダンガンロンパ霧切7」読了。宿敵「犯罪被害者救済委員会」最強の刺客、新仙帝が仕掛けた最後の事件。その舞台に選ばれたのは、かの組織と初めて対決したあのシリウス天文台だった。雪に閉ざされた星型の天文台で再び繰り広げられる連続密室殺人に、鎖に繋がれた探偵たちはどう挑む?
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2020年06月15日(月)
とはいえ一部の真相の開示に駆け足感が否めないのと真相に意外性があまり感じられないのが残念だが、それでも物語や事件が島へと収束していく過程とそこに託された人々の様々な想いは実に読み応えがある。本作は「展望塔のラプンツェル」や「熟れた月」が好きな読者なら安心して楽しめる良作である。
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posted at 23:57:35
小笠原諸島にある一つの島を巡る三つの物語を描いた長編作品。粗筋を見る限りあまりミステリっぽく思えないかもしれないが、ある変死事件の真相をそれぞれの物語の異なる視点から浮かび上がらせていく手法は正しくミステリ以外の何物でもないだろう。
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宇佐美まこと「ボニン浄土」読了。1840年、荒天の果てにある島に漂着した五百石船の乗員たち。そして現在。幼少期に祖父が大切にしていた木製の置物をふとしたことで手に入れた中年男とある事故をきっかけにチェロの音が聴こえなくなったチェロ弾きの少年の物語はやがて一つの島へと帰結する。
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2020年06月14日(日)
ミステリなのに主要人物以外は描かれないもどかしさやアリバイのぞんざいさもさることながら、それ以上にアレをトリックに持ち込んだことによる何でもあり感がいただけない。だがその反面、ややご都合主義ではあるもののBL小説というジャンルだからこその意外性が用意されているのは◯。
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posted at 13:28:15
BL小説では珍しい、クローズド・サークル物。展開は思ったよりも(?)この手のミステリのお約束を押さえた真っ当なものなので、雰囲気だけ楽しむ分には問題ないかもしれないが、狭義のミステリとしてみるとやはりそこかしこに粗が見えてしまう。
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楠田雅紀「海辺のリゾートで殺人を」読了。無人島での豪華リゾートホテル体験ツアーに当選した会社員の瑞樹はそこでフリーライターの阿久津と知り合う。それから間もなくツアー客の一人がプールで溺死した矢先に謎の通信トラブルが発生、外部との連絡手段が完全に断たれてしまう。そして更に事件が――。
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posted at 13:26:27
2020年06月10日(水)
同じく長編だった四巻が怪奇性を際立たせた館物だったのに対し、本作はある意味ミステリという物語が持つ幻想性を際立たせた、クリスマスに相応しい雪の山荘物と言えるだろう。
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posted at 08:22:21
それは一種のミステリ論であり、前作の第二話でも扱われたテーマと結び付くことでより強固な説得力を与えてくれる。加えてそこにある登場人物の隠された想いを絡めることによりクリスマスらしい美しい物語に仕上げている点がいい。
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posted at 08:22:01
「子ひつじは迷わない」シリーズの六作目は四巻に続く長編作品。五年前に起きた殺人事件の謎を解くため、雪の山荘を舞台に当時の事件関係者の行動を主人公たちが演じるという粗筋からしてまず魅力的だが、それ以上に印象に残るのは事件を通して見えてくるミステリという物語の扱い方だろう。
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posted at 08:20:24
玩具堂「子ひつじは迷わない 贈るひつじが6ぴき」再読了。クリスマス直前に「迷わない子ひつじの会」に持ち込まれた一つの依頼。それはある殺人事件の謎を解くことだった。かくして雪の山荘を舞台に被害者が亡くなる最期の二日間を「子ひつじの会」の面々がリアルタイムで演じることに……。
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posted at 08:19:34
2020年06月08日(月)
ミステリとしてみるとベストは時代小説の作中で明かされない伝説の必殺剣の正体に迫る第一話で正体そのものよりも気付きの部分に見るべきものがある。また『々人事件』なる奇妙な小説の謎を扱った第二話は推理というより想像によるところが大きいものの真相自体はミステリ好きの妄想っぽくて興味深い。
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posted at 22:12:16
「子ひつじは迷わない」シリーズの五作目。前作が長編にして異色の館ミステリだったのに対し、今回はまた従来の日常の謎系連作ミステリに戻ってはいるものの、あとがきでも作者が語っている通り1巻で扱った相談事の後日譚的側面が強く、そのため1巻未読だとネタバレだらけになるので、ご注意を。
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posted at 22:11:17
玩具堂「子ひつじは迷わない 騒ぐひつじが5ひき」読了。文化祭が迫り「ひつじ」喫茶ならぬ「執事」喫茶の準備に追われる「迷わない子ひつじの会」の面々。そんな中、時代小説の作中で明かされない伝説の必殺剣の正体や『々人事件』なる奇妙な小説の謎など、お悩み相談も相変わらずの大忙しで……。
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2020年06月05日(金)
その一方で解決の仕方はこのシリーズならではのものであり、そこに作者の考える探偵役の在り方が透けて見えるようで興味深い。本作はシリーズの異色作にして、ある種の怪奇ミステリとしても楽しめる秀作である。
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posted at 21:03:44
本作のあとがきで作者は「昭和初期くらいの夢幻と怪しい理屈がごっちゃになったような奇想小説が好き」と語っているが本作は正にそれを体現したような内容になっており、ある奇想を成立させるために構築された舞台設定や幻惑的な演出、様々な蘊蓄はさながら京極夏彦の百鬼夜行シリーズを思わせる。
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posted at 21:03:19
「子ひつじは迷わない」シリーズ四作目にして初の長編である本作はこれまで扱ってきた日常の謎とは打って変わって、まさかの館ミステリに。しかしながら同時に目次に並ぶ「ねじの回転」や「閉じた本」といった章題からも分かる通り、怪奇小説としての側面も持ち合わせている。
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posted at 21:03:02
玩具堂「子ひつじは迷わない うつるひつじが4ひき」読了。「迷わない子ひつじの会」の面々が泊まり込みアルバイトでやってきたのは「万鏡館」という名前とは裏腹に一切鏡がなく、中も外も全て白と黒で統一された奇妙な館だった。館の主人である美少女・芳花が鏡を見ることを禁じる理由とは?
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posted at 21:02:25
2020年06月04日(木)
そこで描かれるのはシリーズの主要登場人物たちのキャラの掘り下げと関係性の変化であり、シリーズ読者であれば見逃せない作品と言えるだろう。ちなみに唯一ミステリである水泳部での盗難事件を扱った第一話はネタこそよくあるものだが真相を水泳部らしいやり方で補強しているのが興味深い一編である。
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posted at 20:05:40
日常の謎系学園ミステリ「子ひつじは迷わない」シリーズの三作目。これまでの二作は日常の謎を扱ったミステリ短編が二編ないし三編ほど続いた後、最後に青春小説で纏める構成だったが、本作は実質ミステリと言えるのは最初の一編のみで、どちらかというと青春小説がメインの内容となっている。
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posted at 20:05:25
玩具堂「子ひつじは迷わない 泳ぐひつじが3びき」読了。水泳部で起きた校章盗難、自宅に呼んだ恋人が疎遠になった理由――今日も生徒からの悩みに答える「迷わない子ひつじの会」だったが、ある時「クラスメイトに絶好された」という相談を聞いてメンバーの一人・成田真一朗の様子がおかしくなり……。
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posted at 20:05:07
2020年06月03日(水)
そして最終話は前作同様ミステリではなく青春小説として着地させているが、今回はそこにスポーツ小説要素も加わり更に読み応えのある内容に仕上がっている。本作は前作以上にミステリ的技巧に磨きがかかった秀作である。
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posted at 22:06:20
一方ミステリ的巧さで言えば喫茶店でオムライスが出た日に決まって小動物や昆虫の死体が遺棄される第二話で、真相だけ取り出せば何てことないものだが、この話の見所は真相に辿り着くまでの過程で解き明かされる登場人物たちの隠された関係であり、それによって見えてくる人間ドラマが実に秀逸。
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posted at 22:06:07
ミステリ的に凄いことをやっているのは奇妙な国語のテスト問題に挑む第一話で、本来ロジカルに解かれることはない国語の問題をある発想に基づくロジックで鮮やかに解いてしまう本作は正に目から鱗であり、これはもはや一つの発明と言っても決して過言ではないだろう。
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posted at 22:05:42
日常の謎系学園ミステリ「子ひつじは迷わない」シリーズの二作目。前作が四話構成だったのに対し本作は三話構成と一話少なくなっているものの、だからといって前作からパワーダウンしたわけではない。それどころかミステリとしてのクオリティーで言えば間違いなく前作以上である。
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posted at 22:05:19
玩具堂「子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき」再読了。生徒からの悩みに答える「迷わない子ひつじの会」に今回持ち込まれたのは、恋の行方に関わる奇妙な国語のテスト、オムライスが呼ぶ死体遺棄(?)事件、一人の部員の対処に悩むソフトボール部顧問と、いずれも厄介な案件ばかりで――。
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posted at 22:04:52