麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年10月31日(土)
ソウマトウ「シャドーハウス」1~6巻読了。所々諸星大二郎っぽさを感じる特殊設定日常物かと思いきや、途中から約束のネバーランドのような展開になり、最終的にはジョジョ風の能力頭脳バトルと化したのにはビックリ。極めて今の漫画らしいジャンルミックス物であり、今後の展開が非常に楽しみ。
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2020年10月29日(木)
尤も第一話こそやや詰め込みすぎのきらいがあったものの、話が進むにつれ徐々に設定に慣れてきた感があり、それとベタな仕掛けを巧く組み合わせている。その一方で彼らの過去に迫りつつも作者らしい幻想的なボーイミーツガール物としても楽しませてくれる、読みどころの多い作品である。
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不思議なものが見えるファーブル君とそれを描くことのできる元美大生の真亜梨が村で起きた不思議な事件を解き明かすファンタジーミステリ連作。基本的にはファーブル君の観察日記が事件を解く鍵となっておりそこに書かれている不思議なものを真亜梨が具現化することで真相が見えてくる構造がユニーク。
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井上雅彦「ファーブル君の妖精図鑑」読了。美術大学を中退し母親の地元で働くことになった遠野真亜梨は移動の電車の中で盗難事件の容疑者にされていた全身黒ずくめの青年・ファーブル君と出会う。不思議なもの達が生息する村で、真亜梨とファーブル君のコンビが謎めいた事件の数々を解決する。
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2020年10月24日(土)
とはいえずっとベタなままかといえばさにあらず。第二話終盤以降の展開ではおっと思わせるものの、登場人物の少なさが災いして折角の真相もそれほど意外性が感じられないのが残念。ちょっと捻りのある猟奇サスペンスを読みたい人ならまだしも久住四季らしさを求めるとやや物足りなさが残る作品である。
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新人女性刑事・氷膳莉花が未決死刑囚にして天才的な犯罪心理学者・阿良谷静の協力のもと連続猟奇殺人犯を追う長編ミステリ。久住版「羊たちの沈黙」と言えば聞こえはいいが、あまりにもベタな展開かつ件の犯罪心理学者が介入してからのトントン拍子で進みすぎる捜査は正直好みが分かれるところだろう。
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久住四季「異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき」読了。都内で女性の腹部を切り裂き、臓器を丸ごと奪う連続殺人が発生。指揮を執る皆川管理官は所轄の新人刑事・氷膳莉花にある密命を下す。それは犯罪心理学の若き准教授にして数々の凶悪犯罪を計画した未決死刑囚から助言を得ることだった。
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2020年10月23日(金)
そしてトリを飾る「探偵不十分」ではSNSに投稿された画像から自殺志願者を探すというシリアスな内容そのものをミスディレクションにした大胆さと思春期の生々しい問題を両立させた手腕が素晴らしい。本作は日常の謎と青春小説としての巧さにますます磨きがかかった佳作である。
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オンラインRPGの猫キャラプレイヤーを当てる「猫ぞ知る箱の中」は真相こそこの手の設定の定番ながら気付きの部分がだいぶ凝っているし、文芸部の部誌に載る直前に消えた原稿の行方を突き止める「読読者者の密室」も三つの評論に隠された手掛かりとそこから浮き彫りになる人間心理が実に秀逸。
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探偵の父を持つ男子高校生の俺が双子姉妹と一緒に日常の謎に挑む連作ミステリシリーズの二作目。収録された三つの事件はいずれも前作同様、高いクオリティーで安定しており、加えて作者が同じパターンにならないよう気を遣っているためかバラエティーに富んだ内容に仕上がっている。
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玩具堂「探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」読了。オンラインRPGの犯人当てならぬプレイヤー当て、文芸部の部誌に載る直前に消えた原稿の行方、SNSの投稿からの自殺志願者探し……今日も寄せられる奇妙な事件(相談事)を山田姉妹と俺が解き明かす。
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また「ミモザ」は料理研究家として成功した主人公に付き纏う元不倫相手の何ともねちっこい不快感もさることながら、その行動の理由が見方によっては国内作家Hの某作を思わせて成る程と唸らせてくれる。所謂イヤミスの範疇ながら、良くできた短編が読みたい人であれば本作は一読の価値があるだろう。
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posted at 15:15:12
基本的には全編ハズレなしのクオリティーではあるが個人的に良かったものを挙げるなら「埋め合わせ」と「ミモザ」になるだろう。「埋め合わせ」は収録作中最もミステリ度が高い一編で、ある失態を誤魔化そうとした教師の偽装工作とそれに気付いた教師のロジックの応酬とタイトルに掛けたオチが秀逸。
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ノンシリーズ物のミステリ短編集。収録作五編のうち、前半三編はミステリ寄り、後半二編はサスペンス寄りで、いずれも隠された人間の悪意を浮き彫りにする技巧に優れた内容となっている。
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posted at 15:14:45
芦沢央「汚れた手をそこで拭かない」読了。夫が不治の病に冒された妻に語る過去の罪、自らの失態を誤魔化そうとした教師の偽装工作、隣人の死の秘密を認知症の妻に隠す夫、薬物使用疑惑の俳優を衝動的に殺してしまった映画監督、料理研究家に付き纏う元不倫相手……小さな綻びが破滅へと導く五編収録。
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天樹征丸/さとうふみや「金田一37歳の事件簿」8巻読了。「騒霊館殺人事件」第一の殺人のトリック解明まで。ポルターガイストとしか思えない不可能犯罪の演出や今のところ明かされたトリックはベタだが悪くはないので引き続き期待したい(そして予告を見ると次回いよいよ美雪の登場か……?)
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2020年10月22日(木)
しかしながら生首連続殺人事件を扱っているとはいえ本作に首切り物の新機軸を求めると些か肩透かしを覚えるかもしれない。むしろ本作の一番の見所は伯爵家に隠された秘密でありシンプルながら巧く盲点をついた真相であっと驚かせてくれる。本作は大正という時代に合った仕掛けが楽しい良作である。
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posted at 21:59:53
大正時代の東京を舞台に華族捜査局長・周防院円香が伯爵家で起きた生首連続殺人事件に挑む長編ミステリ。これまでの作者の作品にしては珍しく探偵役のキャラを前面に出しており、加えて時代小説の書き手ならでは伯爵家に纏わる練られた設定が事件を盛り上げてくれる。
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posted at 21:59:31
岡田秀文「首イラズ 華族捜査局長・周防院円香」読了。時は大正。警視庁に華族捜査局が新設され公爵で局長の周防院円香と警部補の来見甲士郎は九鬼梨伯爵家で起きた毒殺事件に取りかかる。その矢先に第二の犠牲者の「生首」が現れ、鎌倉時代から語り継がれる九鬼梨家の首なし村の呪いが明らかに――。
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posted at 21:59:01
2020年10月17日(土)
なお本作はフェアな謎解きよりも次々と意外な新事実を出して読者を翻弄するサスペンス重視の作品であり、時にはメタ的な記述や全く予想外のエピソードが事件と思わぬ繋がりを見せていくのが実に面白い。本作は最後まで予断を許さない、捻りに捻ったプロットが秀逸な傑作である。
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posted at 18:56:07
「世界的人気作家は、なぜ筆を折ったのか?」という謎を巡る長編ミステリ。一人の架空の作家を物語の中心に据える場合、まずその作家を魅力的に描くのに苦心するが、本作は彼に憧れる文学青年の視点を活かした小説論、創作論を展開し、フォウルズという作家に自然と感情移入させることに成功している。
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posted at 18:55:48
ギヨーム・ミュッソ「作家の秘められた人生」読了。20年前に断筆を宣言して以来、地中海の島に隠棲して沈黙を守っている世界的人気作家のフォウルズ。文学青年のラファエル、新聞記者マティルドが彼との接触を試みていた矢先、浜辺で女性の惨殺死体が見付かり島は封鎖される非常事態に――。
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posted at 18:55:24
2020年10月16日(金)
トリックだけ取り出せば定番過ぎるものながら、ある気付きと犯人の涙ぐましい努力(?)により、巧く捻られた作品に仕上がっている。それ以外は小粒すぎるネタと微妙にぶれる犯人にモヤッとさせられるものの、作者らしいユーモアたっぷりのノリは健在である。
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posted at 19:07:50
東京の谷根千を舞台にしたユーモアミステリ連作。謎だけ見ればミステリ読者にはお馴染みの部屋にあるものが逆さまになっている表題作に惹かれるかもしれないが、個人的には第三話の「風呂場で死んだ男」を推したい。
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posted at 19:07:34
東川篤哉「谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題」読了。踏んでいない筈の足を踏まれたと主張する男、部屋にある物が中途半端に逆さまになっている謎、風呂場で死んだ男、泥棒騒動と容疑者のアリバイ……東京の谷根千を舞台に女子大生つみれと奇妙な店主・竹田津が四つの事件の真相を解き明かす。
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「C.M.B.殺人事件」の後日談として綺麗に纏まった「大団円」もさることながら特に良かったのは大人になった立樹がロマノフ王朝の秘宝を追う先々で不可解な連続殺人に遭遇する「ロマノフ王朝の秘宝」で、漫画ならではの見事な仕掛けと主役コンビの再会が最高のエピローグに仕上がっている傑作である。
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posted at 13:45:54
加藤元浩「C.M.B.森羅博物館の事件目録」45巻読了。「C.M.B.殺人事件」を解決し指輪の主としての役目を果たした榊森羅を待ち受けるものとは?「大団円」、そして森羅の相棒・立樹が大人になり遭遇したロマノフ王朝の秘宝を巡る不可解な連続殺人事件を扱った「ロマノフ王朝の秘宝」の二編収録。
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posted at 13:45:35
一方「ポプラ荘の殺人ゲーム」もまたよくある館物の事件と思っていると途中で明かされるある事実に驚かされる一編で、この事実の使い方こそ定番ながらオーソドックスな事件の内容に巧く意外性を与えることに成功している。既存のアイディアの組み合わせにセンスが感じられる意欲作と言っていいだろう。
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posted at 10:16:54
今回収録された二編のうち特筆すべきは「トロッコ問題」で、よくある遺産相続を巡る事件と思っていると見事にしてやられることだろう。問題そのものを誤認させる技巧もさることながら、全ての謎が明らかになった時、タイトルの意味と相俟って静かな感動が呼び起こされること請け合いの傑作である。
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加藤元浩「Q.E.D.iff」17巻読了。秘宝を懸けたゲームのために訪れた洋館「ポプラ荘」で立て続けに密室殺人が発生。だが参加者全員にアリバイがある「ポプラ荘の殺人ゲーム」、遺産相続問題と奇妙な葉書の関係、容疑者全員に犯行が不可能な遺髪焼失事件の謎に迫る「トロッコ問題」の二編収録。
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