麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年08月31日(火)
個人的に面白いと思ったのは事件を暴く側の筆頭である隣室の美女・真帆子の可憐かつ破天荒なキャラで一種の名探偵像としても見ることができるだろう。そして終盤での主人公の選択と共に明らかになるある事実からの惨劇は血生臭さの中にタイトルを象徴する美しさがあり本作最大の見せ場となっている。
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posted at 21:03:09
不気味なマンションを舞台にしたホラーミステリ長編。ミステリといっても事件の構図に意外性はほとんどなく、どちらかと言えばホラー風味の、社会的弱者たちによるディストピア小説のような趣があり、事件を暴く側と隠す側のどちらにつくべきか揺れ動く主人公の心情を静かな筆致で描いている。
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posted at 21:02:50
篠たまき「月の淀む処」読了。築40年のマンション・パートリア淀ヶ月に引っ越してきたフリーライターの紗季はある日敷地内で行われていた不気味な盆踊りに乱入した女が連行されるのを目撃。それを機にマンション周辺で続発する奇妙な事件の数々を隣室の美女・真帆子と共に調査することになるが……。
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posted at 21:02:34
2021年08月29日(日)
「オールド」観了。人が急速に老化するビーチに閉じ込められてしまった人々の話。どうやってビーチから脱出するのかを軸に展開しつつこんな死に方は嫌だというホラーとしての見せ場も盛り込んでいるのがいい。それでいてなぜ彼らが閉じ込められたのかというホワイダニットを絡めたミステリ的着地も○。
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posted at 21:38:52
2021年08月27日(金)
その他一編目の「豚の顔をした死体」も本作の開幕に相応しいぶっ飛んだ真相が○で、全編お勧めとはいかないまでも、収録作の幾つかは人を人とも思わない系(?)本格ミステリの最先端が堪能できることだろう。
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posted at 23:48:41
収録作の中で特に秀逸なのは後半の二編「死体の中の死体」と「生きている死体」でどちらも作者にしか書けない凄絶な死体を扱いつつも、前者は実際に起きた某事件を更に鬼畜にしたウップオエップな構図が、そして後者は鬼畜な構図もさることながら連作であることを活かした驚きの犯人当てが素晴らしい。
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posted at 23:47:39
架空の街で起きた八つの猟奇殺人の謎を街のならず者たちが解き明かす連作ミステリ。豚の顔をした死体、折り畳まれた死体など目次に並んだタイトルを見てワクワクする読者もいるかもしれないが、さすがにこれだけ異常な謎を用意するのは作者も大変なのか中には微妙なものも幾つかあるがそこはご愛嬌。
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posted at 23:46:35
白井智之「死体の汁を啜れ」読了。小さな港町、牟黒市。この街ではなぜか人がよく殺される。豚の頭をかぶった死体。頭と手足を切断された死体。胃袋が破裂した死体。死体の腹の中の死体......。推理作家、悪徳刑事、女子高生、そして深夜ラジオ好きのやくざが異常過ぎる死体ばかりの事件の謎を追う。
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posted at 23:45:39
もっとも毒殺物としてみた場合、その手口はやや平凡の粋を出ていないのが気になるが、前述したホワイダニット部分がそれを補って余りあると同時に最後の犯人の行動がある種の爽快感を与えてくれる傑作である。
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posted at 17:43:05
一見すると突飛に見える動機ながら作中に犯人の心の機微をさりげなく織り込むことできちんと説得力を与えるものに仕上げている点、そして満州の闇が際立てば際立つほど真相が明らかになった時に読者が衝撃を覚えるよう、あらゆる面から落差のある設定にしている点が実に秀逸。
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posted at 17:42:40
勿論それは犯人の意外性を際立たせるための巧みなミスディレクションかつ演出であり、そういった技巧もさることながら何よりも本作がミステリとして優れているのはやはりホワイダニット部分――犯人の動機に尽きるだろう。
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posted at 17:42:13
大戦前夜の満州で起きた連続毒殺事件の顛末を描いた歴史ミステリ長編。本作は本格ミステリではあるものの展開はハードボイルド小説に近く、探偵が調査を進めるにつれて見えてくる構図もまたいかにもそれっぽいにも拘わらず、終盤のあるシーンに至ると一転して本格ミステリに変貌する点がまず面白い。
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posted at 17:41:43
伊吹亜門「幻月と探偵」読了。1938年、満州の地で革新官僚・岸信介の秘書が急死した。秘書は元陸軍中将・小柳津義稙の孫娘の婚約者で小柳津邸での晩餐会で毒を盛られた疑いがあった。岸に真相究明を依頼された私立探偵・月寒三四郎は調査を進めるにつれ、満洲の闇に足を踏み入れることになる。
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posted at 17:41:15
2021年08月26日(木)
そして名探偵たちが推理を外しまくった先に待つのはどうしてこうなったというべき悪い意味で落差のある明後日の真相であり、正直作者が何をしたかったのかよく分からない。少なくともタイトルや内容紹介に惹かれた人にはお勧めしかねる作品である。
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posted at 20:53:42
タイトルに偽りあり。まずゲームに参加する名探偵たちの能力及び実力を短編ミステリのように描いてみせる前半は悪くないが問題は本題の推理ゲームに入ってからである。大戦とは名ばかりのスケールの小さな事件と、前半で見せた実力が嘘のように微妙な推理を連発する名探偵たちには首を傾げてしまう。
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posted at 20:53:20
似鳥鶏「推理大戦」読了。日本のある富豪が発見したという「聖遺物」を巡り、前代未聞の「推理ゲーム」が行われることとなった。参加者はアメリカ、ウクライナ、日本、ブラジルなど各国から選ばれた論理と「特殊能力」を駆使する超人的な名探偵ばかり。果たして誰が「聖遺物」を手にするのか?
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posted at 20:53:04
2021年08月25日(水)
そして一転、物語の後半では前半の緻密さとは真逆の恐るべきクソゲーをあえて取り上げているのが面白い。更に豪快な新キャラ(?)まで加わり、ますます今後の展開から目が離せない。
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posted at 02:17:10
特に秀逸だったのは三つの遊戯に隠されたイカサマ当てであり、何気ない会話の中に織り込まれた伏線は勿論のこと、これまでのシリーズの中で語られてきた設定すらも巧みに使い、シンプルながらも盲点を突いたその答えに辿り着くだけではなく一種の逆トリックをもやってのけた点が素晴らしい。
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posted at 02:16:23
神々が考案した様々なゲームに挑むファンタジー頭脳戦シリーズの三作目。VS賭け神に関しては前作がかなり気になるところで終わっていたために続きを読むのを楽しみにしていたのだけど、結論から言えばその期待に十分応えてくれる内容で非常に満足した。
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posted at 02:13:25
細音啓「神は遊戯に飢えている。3」読了。新たにネルを仲間に迎えるべく賭け神(ブックメーカー)との戦いに臨むフェイたちだったが、狡猾な賭け神にネルはあえなく返り討ちに。だがフェイは「想定通り」と賭け神を挑発。天才的な起死回生の策と共にフェイVS賭け神の1VS1の戦いを仕掛ける。
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posted at 02:12:55
2021年08月24日(火)
とはいえ同じ作者の女学生探偵シリーズのように続けて読んでいればいつかは当たりに出会える可能性もなくはないので(ついでに言うと明らかに続編を意識した終わり方になっている)、2巻以降の出来に期待したい。
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posted at 23:29:01
唯一第三話の「クーロンズ・ホテルの殺人鬼」だけは探偵の特殊体質を活かしたミステリパロディ的シチュエーションコメディでちょっとニヤリとさせてくれるものの、結局ミステリとしてみると無意味な見立て殺人と推理もへったくれもない解決でゲンナリする。
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posted at 23:28:36
殺されても生き返る探偵という特殊設定にしてもミステリ的必然性はなく、あとがきで作者が言うように難事件を迅速に、かつ楽に解決するためのただの便利装置でしかない。ぶっちゃけ推理の余地は殆どなく、低レベルなダイイング・メッセージやバレバレの真相でお茶を濁しているだけなのはどうかと思う。
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posted at 23:27:33
ボカロPとして知られる作者による、殺されても生き返る体質の探偵が活躍する全三話構成の連作ミステリ。本作の内容紹介には本格ミステリーとあるけれど、個人的見解から言えば本作は本格ではないと思う。
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posted at 23:27:18
てにをは「また殺されてしまったのですね、探偵様」読了。名探偵を父に持つ追月朔也は半人前の高校生探偵だが、なぜか行く先々で殺人事件に巻き込まれてしまう。そればかりか毎回殺されては特殊体質によって生き返る朔也に対し優秀な助手リリテアは言う。また殺されてしまったのですね、探偵様――と。
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posted at 23:26:16
2021年08月22日(日)
更に三編目の「ドロドロ坂の怪談」は子供の神隠しに密室、死体を泥で汚した謎を巧く繋げた上でオチと絡めているし、トリを飾る「冷凍メロンの怪談」に至っては思わず微笑ましくなる雪密室のバカトリック(!)に連作ならではの仕掛けを絡め、ホラーとしてきっちり着地してみせている点が秀逸。
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posted at 17:03:03
とはいえ一編目の表題作の時点ではまだ怪異が雰囲気作りとオチにしか活かされておらず、ミステリとしても至って普通という印象だったのに対し、二編目「朧トンネルの怪談」からは一転、怪異がミステリ部分――特に動機にがっつりと関わっており、これぞホラーミステリという真相であっと言わせてくれる。
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posted at 17:01:11
第17回ミステリーズ!新人賞受賞作である表題作含む連作ホラーミステリ。本作を読んだ印象で一番近いのは三津田信三の作家シリーズで、元々幽霊や妖怪の研究をしていた作者らしく怪異の堂に入った描き方もさることながら全編密室殺人を扱っている点に作者の本格に対する並々ならぬ拘りが窺える。
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posted at 16:59:22
大島清昭「影踏亭の怪談」読了。「塗り込められた空間」のある宿の離れ。複数の「首のない女」が目撃される幽霊トンネル。共同墓地に出現する「泥の怪物」。空から降る冷凍メロンに「殺害」された死体――実話怪談作家・呻木叫子が遭遇する四つの怪異と密室殺人の謎を解いた先に待つものとは?
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posted at 16:58:44