麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年03月31日(木)
尤も細かいところを見れば生き返り設定とフーダニットに特に関連性がない点、結末のご都合主義感がやや気になるものの、それを差し引いても本作の面白さにはあまり影響はないだろう。
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その一方でミステリとしてみると意外にも(?)真っ当な作りであり、事件の丁寧な検証も好印象だが、それ以上に犯人の侵入経路に纏わる不可能状況を演出しつつその謎を一気に解決する事件の構図もさることながら、そこから犯人を絞り込む決め手がしっかりと用意されているのがいい。
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一時的に生き返った女王が限られた時間の中で自分を殺した犯人を探す長編ミステリ。本作はフーダニット趣向と同時にキャラクター小説としての面白さも兼ね備えており、生前は大人しく周りの人間の言いなりだった女王が生き返ったのを機に自分の生き方を見直し生前の雪辱を晴らしていく様が実に痛快。
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石田リンネ「女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け」読了。私は私を殺した犯人を知りたい――女王オフィーリアの死の間際の願いは妖精王リアに聞き届けられ十日間だけ彼女は生き返ることになる。果たしてオフィーリアは十日間という限られた時間で自分を殺した犯人を探し出すことができるのだろうか?
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2022年03月30日(水)
とはいえ要所要所できちんと考えさせるようには作られており、その結果主人公が出した答えからは主人公の成長がしっかりと感じられることだろう。重量級ではないものの社会派要素とホワイダニットが巧くブレンドされた良作である。
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その真相はシンプルながらも巧く盲点を突いたものになっており更にそこから派生したフーダニットにしてもある毒薬に纏わる設定をさりげなく活かしているのは○。また自殺と物語論を関連付けた本作の展開はどうしても重くなりがちだが主人公たちがあくまでも前向きなのでそれほど暗くならないのもいい。
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「スイッチ 悪意の実験」「時空犯」に続く作者の三作目はコロナ禍が引き起こした若者たちの自殺を巡る長編ミステリ。まず本作が面白いのは自殺が流行っている世界であえて自殺か他殺か分からない不可解な死を描くことにより、独特のホワイダニットを作り上げている点だろう。
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潮谷験「エンドロール」読了。早世したベストセラー作家・雨宮桜倉を姉に持つ雨宮葉は姉の遺作がある理由で急増する若者たちの自殺を肯定しているという受け止められ方をしてしまったという思いから自殺を阻止しようと自殺志願者たちとの討論会に出ることに。だがその中の一人が不可解な死を遂げて――。
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2022年03月29日(火)
それでいてコロナ禍という状況を自分の知る限り最も巧くミステリとして活かしている点も実に秀逸。これまで作者が発表した本格ミステリエロ漫画では間違いなく最上の出来と断言できる傑作である。
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しかしながら本作は紛れもない本格ミステリであり、こと終盤においては早坂吝を彷彿とさせるHの最中からの犯人の指摘もさることながら、美しい女に弄ばれるドM物に定評がある作者ならではの設定を使い、まさかの京極夏彦ばりの異形の真相をやってのけてしまうのだから畏れ入る。
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とはいえ殺人は一件だけ、しかも作中の登場人物に言わせると「アリバイも無い、動機も無い、見立てや密室といった気の利いたトリックも無い、本当に何も無い殺人事件」であり、更に「もしも館(ここ)にミステリ小説の様な名探偵が居たらいったいどう推理するというんだろうね?」と挑発してみせる。
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本格ミステリエロ漫画第三弾「女神家の一族」全六話他一編を収録した作品集。これまで作者が発表した本格ミステリエロ漫画二作はいずれも名探偵・岡佐礼太陽(おかされたいよう)が探偵役を務めたのに対し、本作は完全なノンシリーズ物で雪に閉ざされた館で起きた不可解な殺人事件の謎に挑んでいる。
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香吹茂之「射精推理~女神の館~」読了。美しい女たちと美しい女の様な男たち、女神家の一族が住む『女神館』。民俗学を研究する紅須荻菜は女神館に調査に来たものの寒波で帰れなくなり館に留まることに。そして乱交が繰り広げられた翌朝、女神家の長女涼子が雪に埋もれた全裸死体で発見されて――。 pic.twitter.com/Cb5d2ppTsB
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2022年03月28日(月)
どちらかというとミステリ部分よりキャラクター小説としてよく書けており、色々なタイプの美女(美少女)からモテる異世界召還物のお約束もきちんと(?)兼ね備えている。少なくともこのキャラたちの活躍をもっと読んでみたいと読了後に思わせる程度には面白い作品である。
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現役薬剤師でもある作者による異世界召還×医療ミステリ。とはいえミステリとしてみると難易度は低めで真相が明かされる前にだいたい読めてしまうものの、それでも和風ファンタジーの世界に現代の医療知識、実在する薬や病気ネタを持ち込んだ展開は新鮮味があって○。
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紺野天龍「幽世の薬剤師」読了。薬剤師として働く空洞淵霧瑚はある日、病院からの帰り道で不思議な少女に出会う。「幽世の薬師様、お迎えに上がりました」――気が付けば、そこは携帯の電波も届かぬ異界であり更に謎の感染現象に苦しむ人々が溢れていた。これは病か。あるいは、怪異か。
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2022年03月27日(日)
「ナイトメア・アリー」観了。見世物小屋から読心術で成り上がった男の栄光と転落。丁寧すぎる展開はやや冗長すぎるきらいがあるものの、見事に再現された当時の雰囲気とメタファーをそこかしこに盛り込んだ一人の男の人生は見応えがある。またオチは読めるかもしれないが綺麗に決まっていると思う。
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2022年03月24日(木)
前作がファンタジー寄りのミステリだったのに対し本作はだいぶSF寄りのミステリになっているところは好みが分かれるものの、それでも込み入った構造の話を282頁というコンパクトな頁数に落とし込んでみせた手腕はさすがと言える良作である。
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ある人物が助かるか否かの根拠として未来視を持ってくる発想も面白いが、物語後半でタイムリミットサスペンスの要素を盛り込み、その人物を巡り未来視を使ったコンゲーム的展開をしてみせる点が実に秀逸。
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ボーイミーツガールミステリの佳品「幽霊には微笑を、生者には花束を」の続編(故に前作のネタバレが普通に出てくるので前作未読の人はご注意を)。今回は不幸の手紙と鎮守祭に共通する狐の呪いの正体に迫る話だが、どちらかというと本作最大の読み所は未来視の扱いだろう。
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飛田甲「夏祭りに妖狐は踊れ」読了。科学信奉者の真田真也と予知能力を持つ三島優希の二人が通う峰岸高校に不幸の手紙が流行り出した。同じ頃、夏の鎮守祭を調べ始めた民俗研の赤城と後輩の涼子は、その縁起に狐の祟りが関係していることを知る。不幸の手紙と鎮守祭に共通する狐の呪いとは何なのか?
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2022年03月23日(水)
「デリリウム」観了。殺人鬼の主人公が便乗殺人犯の正体に迫るジャッロ。真相自体はやっぱりねとしか言いようがないものながら本作の見所はむしろ度々挿入されるエロス溢れる幻覚と嗜虐趣味全開の殺人シーン、それに美人で処女(!)の主人公の妻でありやがて迎える狂気迸る結末も忘れ難い作品である。
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2022年03月22日(火)
故に人によってはそこをアンフェアと捉えるかもしれないが個人的には充分アリ。伏線の張り方が極めてフェアなのもさることながら、何より謎を解き明かすことにより主人公の見えていた世界を一変させ、青春物としての新たな一歩を踏み出す結末に繋げている点が○。小品ながら見逃せない良作である。
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不可解な転落事故を巡る青春ミステリ。ロボットが日常に溶け込んでいる日本を舞台にした本作がユニークなのは何と言っても転落事故を始めとする幾つかの謎に対し、日常だけでなく非日常すらも普通に受け入れてロジックで解き明かしている点だろう。
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三雲岳斗「ワイヤレスハートチャイルド」読了。読書家で古い海外ミステリー好きのロボット・なつみさんと共に喫茶「織葉庵」をきりもりする住みこみアルバイター松浦宮城は、ある日訳あり少女・和緒を店で預かることになった。彼女は近所の中学校で起きた転落事故への関与を噂されていたのだが……。
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2022年03月19日(土)
更にモニカというキャラの見せ場も抜かりなく、教会でのクラウスとのガチ対決もさることながら、その後クラウスにある台詞を言わしめてからの展開は正に圧巻の一言に尽きるだろう。次巻はいよいよシリーズのセカンドシーズン最終巻ということだが、本作はその露払いに相応しい傑作である。
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ミステリとしてみると「モニカがなぜ『灯』を裏切ったのか?」という謎が本作最大の読みどころであるのは間違いないが一方で本作が秀逸なのはその内容そのものがある事実のミスディレクションとして機能している点であり、しかもそれを示唆する伏線が冒頭から抜け抜けと張られていたのだから恐れ入る。
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機関『灯』の活躍を描く長編シリーズの七作目。前作のモニカの裏切りという衝撃的な幕引きからの続きということもあり本作は最初からクライマックスであるのに加え、作者があとがきで(モニカ巻、しっかり書かねば)とプレッシャーを受けて書いたと語るだけあってかなり完成度の高い内容となっている。
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竹町「スパイ教室 07 《氷刃》のモニカ」読了。フェンド連邦の防諜機関『ベリアス』を制圧した『灯』を待ち受けていたのは仲間の一人・モニカの裏放りによって引き起こされた悲劇だった。半壊した『灯』は真相を求めてフェンド連邦を駆ける。 これは窮地に追いやられた少女が、世界を敵に回す物語――。
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2022年03月18日(金)
「怪物團」観了。原題の「Freaks」というタイトル通り登場する奇形の人物が全て本物という現在では絶対実現不可能な映画。旅回りのサーカス団を舞台にしたフリークスたちのドラマを通して観る者に本当の怪物とは何なのかを考えさせられる。それにしてもどうしたら某人物がああなるのか気になるところw
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