麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年08月24日(金)
ただ後者に関しては最後に登場人物がどう答えたか論理的に推測できるように書かれているとのことだが、生憎自分はさっぱり分からなかった(爆)。ミステリというより所謂「奇妙な味」の短編集であり、「ミステリーズ」みたいな作品や小泉喜美子のリドル・ストーリー短編が好きな人にこそお勧めしたい。
タグ:
posted at 21:36:25
山口雅也「謎の謎その他の謎」読了。結末を読者の想像に委ねるリドル・ストーリー五編を収録した短編集。個人的に気に入ったのは「異版 女か虎か」「謎の連続殺人鬼リドル」で、前者は王女サロメと彼女を巡る人々の選択を、後者は謎々を出してその答えによって生死を判断する連続殺人鬼を描いている。
タグ:
posted at 21:35:55
だが最後の最後で物語は再び本格へと回帰、それと共に明らかになる意外な真相もまたいい意味でお約束を裏切っている。何より秀逸なのは、早い段階で行われたトリックの解明が、真相の意外性を引き立たせていることだろう。本作はハウダニットを効果的に取り込んだ、プロット型本格の良作である。
タグ:
posted at 18:12:36
まず本作は読者の予想を常に裏切るような構成になっている。例えば冒頭、密室からの死体消失という不可解な謎で読者を惹き付けるが、そのトリック及び犯人は中盤に差し掛かる前にあっさりと判明。以降は本格ミステリからサスペンス物へと舵を切ったような展開が続く。
タグ:
posted at 18:11:56
鷹見緋沙子「死体は二度消えた」読了。竹村は嫌いな上司・古川の殺害をテーマにした推理小説を構想するが、その古川がある日密室で絞殺後、消失する場面に遭遇する。その体験をもとに竹村は推理小説を執筆するが今度は同じトリックの小説が既に存在することが発覚、盗作の疑いをかけられることに――。
タグ:
posted at 18:11:36
2012年08月23日(木)
その他、謎の手紙の真相にミスがあるのも気になる。一応「札幌大通公園80秒の謎」というサブタイトルの意味については最後に語られるが「で?」という感想以上のものはなく、お世辞にも作者の試みは成功しているとは言い難い作品である。
タグ:
posted at 14:16:53
内容紹介を見ると本作は夜行高速バスを使った新機軸のアリバイ崩しに挑戦したとのことだが正直トリックに夜行高速バスを使わなければならない必然性があまりないのが微妙。またそのトリックにしても図解まで入れて読者に伝えようとする努力は買うが、ぶっちゃけこれを推理しろというのは無理がある。
タグ:
posted at 14:16:36
大谷羊太郎「東京青森夜行高速バス殺人事件 札幌大通公園80秒の謎」読了。夜行高速バスを使って札幌での結婚式に出席後、東京に戻った淵川を待っていたのは密室状態の自宅で首にナイフを突き立てられた妻・真佐子の死体だった。警視庁捜査一課の八木沢警部補が鉄壁のアリバイと密室殺人の謎に挑む。
タグ:
posted at 14:16:13
2012年08月22日(水)
むしろ本作は事件を通して世界観を描くという構成になっており特に収録作の一つ「灼けた煉瓦の炉の上で」で描かれるグロテスクな世界観はどこかホラー的でなかなか面白い。個人的にはもう少しミステリ方面でも楽しませてほしかったけれど、この独特な世界観を体験するだけでも一読の価値はあると思う。
タグ:
posted at 21:10:15
一条明「猫刑事」読了。人間化された元動物たちが住む居住区第8セクターを舞台に元猫の特殊捜査員・フェリシアと元犬の捜査補佐員・アーニーが遭遇した事件の数々を描いたSFミステリ短編集。但し本作で起こる事件に、所謂狭義のミステリ的な謎解きを期待すると些か肩透かしを覚えるかもしれない。
タグ:
posted at 21:09:13
2012年08月21日(火)
ただ個人的には巻末の著者プロフィールにおける作品紹介で「六とん」の名前が挙がっていないのが納得いかない。蘇部健一の代表作といえば「六とん」「届かぬ想い」「木乃伊男」じゃないの?←
タグ:
posted at 11:44:49
そのすれ違いは毎回手を替え品を替え、様々なバリエーションが用意されており、それはさながら「ファイナル・デスティネーション」で意外な死に方を楽しむのと似ているかもしれない(何のこっちゃ)。また単なるすれ違いの繰り返しにならないよう、構成にも捻りが加えられているのは○。
タグ:
posted at 11:44:32
蘇部健一「まだ恋ははじまらない…」読了。本作は本屋で見知らぬ男女が一冊の本に同時に手を伸ばしたことから始まった恋の行方を描く恋愛ストーリーという体裁をとっているが、どちらかというと恋愛過程を楽しむというより恋愛に発展する前の、男女のすれ違いを楽しむ内容になっている。
タグ:
posted at 11:44:11
2012年08月18日(土)
傑作。そのプロットは細部まで計算されていて、例えば事件が起こるまで少々長く感じるかもしれないが、それも終盤に至るとある盲点から読者の目をそらすための巧妙なミスディレクションだったことが分かり、思わず唸らされる。
タグ:
posted at 19:05:37
鷹見緋沙子「わが師はサタン」読了。魔術学に取り憑かれた金城学園大学「マジック研究会」に所属する六人の学生たち。彼らは博学の奇人・明日多郎太を師とし崇高な目的のもと黒ミサを執り行うが、ある儀式の最中に全裸の女子大生・康美が殺されてしまう。困った学生たちは講師の南郷に相談するが――。
タグ:
posted at 19:05:06
2012年08月17日(金)
ちなみに本作を読んで、自分は某ゾンビ映画を思い出したのだけど、収録作の一つ「踊るデンキオニ」の雰囲気がそれに近いところから考えると、もしかしたら作者の方も多少意識しているのかもしれない。
タグ:
posted at 14:27:16
怪奇映画をテーマにした連作短編集。収録作はいずれもホラー小説というよりホラー映画小説と呼びたくなるものばかりでホラー映画が大好きな自分としては大いに楽しませてもらった。映画館で実際に映画を観ているような雰囲気を再現するという作者の狙いは、かなり成功していると言っていいだろう。
タグ:
posted at 14:26:44
井上雅彦「スクリーンの異形―骸骨城―」読了。幻の怪奇映画を上映する映画館『骸骨城』。魔性の科学者が生み出した怪物たち、古都ウィーンに跳梁するヴァンパイア、甦った幽鬼を巡る豪華客船の惨劇、仲良さげに手を繋いだ『奴ら』との恐怖の鬼ごっこ――それら四本の映画を観終わった後に待つものは?
タグ:
posted at 14:26:27
2012年08月14日(火)
具体的にどう活かされているのかに関してはネタバレになるので言及は避けるが、それらを併せ技として使うことにより真相が盲点になっている点が素晴らしい。その分、登場人物の背景があっさり気味なのが残念だが、この頁数でこれだけやってくれれば上等だろう。本作は異世界本格の隠れた良作である。
タグ:
posted at 18:02:46
SF設定を使ったクローズド・サークル物をベースにメルヘン、ホラーなど様々な要素を詰め込んだ、ごった煮ミステリー。それを約150頁という短い頁数でやってのけたのもさることながら、何より要素の一つ一つがちゃんとミステリとして活かされているのが秀逸。
タグ:
posted at 18:02:20
田中啓文「星の国のアリス」読了。十六歳のアリスが乗った宇宙船〈迦魅羅〉号で体内の血液を全て抜かれた密航者の死体が発見された。七人いる乗客・乗務員の中に乗船するはずだったドラキュラ伯爵の子孫の姿が見当たらないことから、既に誰かに取り憑いているのではないかという疑惑が持ち上がる――。
タグ:
posted at 18:01:57
2012年08月09日(木)
「偽装う」は地味ながらも些細な気付きからのロジックが○。一方「演技る」は倒叙ミステリで冒頭から女優のアリバイ工作が描かれる。だがそれも早い段階で見破られてしまい、一体どこに罠が?と思っていたら……。作者の仕掛けた罠が巧く決まった良作であり、ベストを挙げるなら間違いなく本作だろう。
タグ:
posted at 19:11:46
前半の二編「幻惑す」「心聴る」は魅力的な謎で本格ミステリ読者をその気にさせるものの、オチはいつもの科学ネタで特に見るところはなし。むしろ見るべきところがあるのは普通の殺人事件を扱った後半の二編「偽装う」「演技る」で、こちらは紛れもなく本格ミステリである。
タグ:
posted at 19:11:16
東野圭吾「虚像の道化師」読了。物理学者の湯川が探偵役を務めるガリレオシリーズの第四弾短編集。指一本触れずに転落死させる術「幻惑す」、他人には聴こえない囁き「心聴る」、別荘での惨劇に隠された企み「偽装う」、女優が脚本家の死に仕組んだ罠「演技る」の四編を収録。
タグ:
posted at 19:10:47
2012年08月08日(水)
いっそのこと「硝子のハンマー」のように部分的に倒叙形式を採用した方がより犯人の悪魔ぶり、犯行の壮絶さが伝わってよかったのでは、と思わなくはないが、それを抜きにしてもハウダニット物としては一読の価値はあると思う。
タグ:
posted at 18:53:33
粗筋からも分かる通り本作のメインは同一犯による同時首吊り殺人トリックであり、確かにそれは非常に凝っている。だがその反面、犯人の設定、動機に関しては作り込みが甘く、全体の出来としては一長一短と言わざるを得ないだろう。
タグ:
posted at 18:50:42
吉村達也「スターダスト殺人物語」読了。田丸警部は衝撃を受けた。マンションの一室で女が全裸で両手を縛られ片足に赤いハイヒールをはいて首を吊っている。しかもその時、繋がっていた電話の向こう――軽井沢の別荘でも男が同様の格好で死んでいた。精神科医・氷室想介が奇怪な同時首吊り殺人に挑む。
タグ:
posted at 18:49:54
2012年08月06日(月)
物語の前半ではラブコメをやりつつもきっちりとゲームに至るまでの過程を描き、後半のゲームパートでは「ライアーゲーム」を彷彿とさせる心理的駆け引きが展開する。一部伏線が足りないのが気になるものの意識して意外性を盛り込もうとしている点は好印象。これなら次回作も期待していいかもしれない。
タグ:
posted at 17:48:01
前作は「トリックとロジックが交差する、学園騙し合いラブストーリー」と謳った割にトリックもロジックもなく、悪い意味で読者を騙したとしか言いようがない散々な出来だったが、本作では打って変わって、編集者のテコ入れが功を奏したのか別人が書いたのではと思えるくらい格段に良くなっている。
タグ:
posted at 17:47:28
乙野四方字「ミニッツ2~神の幸運、天使の不運~」読了。「相手の心を読む」能力を持つ相上櫻が敗北を喫した相手・守垣内明芳には「常に勝負に勝つ」幸運の持ち主だった。明芳の妹・芽明から兄を負かしてほしいと懇願された櫻はゲーム「ワルツの十四番」で明芳と対決することになる。
タグ:
posted at 17:46:59