麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2023年07月12日(水)
るーすぼーい/古屋庵「無能なナナ」11巻読了。キョウヤの妹・リンを救うため動き出したナナ達。新キャラ登場の「無実の証明」は仕掛け自体はイージーすぎるもののあの鶴岡が探偵役を務めているのが面白い(あと新キャラの能力は色々使えそう)。またメインの物語も衝撃的事実が出てきて今後に期待。
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2023年07月13日(木)
「スローターホテル」観了。異常性欲者ばかりが集まる人里離れたサナトリウムで次々と美女を血祭りにあげる黒マントの犯人の正体は? 正直殺人よりも美女たちの扇情的なシーンが印象に残るが最大の見せ場はむしろ犯人の正体が明らかになった後で追い詰められた犯人による大量虐殺と壮絶な最期は必見。
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零雫「不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で」読了。謎の美少女・冷堂紅葉が転校してきた夏の日、密室状況下で下着盗難と殺人事件が相次いで発生。俺・天内晴麻はなぜか転校生に事件の調査を依頼される。そして、その冷堂も殺された――はずだった。誰にも解かれることのない究極の密室で。
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posted at 18:47:35
第15回GA文庫大賞《銀賞》受賞作。密室に拘った学園ミステリである本作は作者のあとがきによると「ライトノベルで本格ミステリを書こう!」という志で書かれたとのことだが、その言葉通り良くも悪くもライトノベルらしい本格ミステリに仕上がっている。
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posted at 18:47:35
本作は主に二つの密室殺人を扱っているが、まず『普通』の密室殺人として描かれる第一の殺人に関してはその前に起きる不可解な下着盗難と実に有機的に結び付いており、ライトノベルではお馴染みのお色気ネタがトリックは勿論、事件の様々な気付きや犯人を追い詰める決め手として活かされているのは○。
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posted at 18:47:36
だがその反面、異能を絡めた『普通』でない密室殺人である第二の殺人の方は色々と雑で、発想的には嫌いではないがそもそもどういう原理でそうなっているのか全く分からないし、少なくともミステリ部分においては異能設定が巧く機能していないのが難。
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posted at 18:47:37
とはいえヒロインが過去に遭遇した密室殺人が未解決であることを考えるとその辺はシリーズ物としておいおい活かされてくるのだろうし、何より昨今のラノベミステリにおいて見取り図や読者への挑戦状をわざわざ盛り込んでくれるサービス精神は貴重で、個人的には今後に期待したい快作である。
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posted at 18:47:37
貴志祐介「梅雨物語」読了。命を絶った青年が遺したという一冊の句集に隠された恐るべき秘密。巨大な遊廓で奇妙な花魁たちと遊ぶ夢を見る男。広い庭を埋め尽くすキノコの幻影が意味するもの――想像を絶する恐怖と緻密な謎解きが読者を圧倒する中編三編を収録。
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posted at 20:15:26
「秋雨物語」に続くホラーミステリ作品集。ミステリ度としては前作より高めで特に一冊の句集を巡る「皐月闇」は俳句に対する解釈と共に見えてくる事件の構図の面白さもさることながら、それを博覧強記とロジックでひっくり返す多重推理要素とある趣向に思わず戦慄せずにはいられないド傑作である。
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posted at 20:15:27
また作者らしい奇想という点では呪術ホラーの「ぼくとう奇譚」も見逃せないし、「くさびら」は読者すらもキノコの幻覚にとらわれたような掴みどころのない物語のピントが合った瞬間、見えてくる真相の切れ味と物悲しさが秀逸。「皐月闇」が頭一つ抜けているものの全編読み応えが凄まじい作品集である。
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posted at 20:15:27
2023年07月14日(金)
加藤元浩「ないない堂 ~タヌキ和尚の禍事帖~」1巻読了。失せ物探しと妖怪がテーマの作者の新シリーズ。第一話は仕掛け的にはびっくりするほどシンプルでどちらかというと伏線の隠し方が見所か(ただ犯人が地味すぎて一瞬誰か分からなかったが)。一方、第二話はまんま無印Q.E.D.の第二話で笑ったw
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posted at 11:32:36
加藤元浩「Q.E.D.iff ―証明終了―」25巻読了。「第四のゲート」と「簡単な答え」の二編収録。「第四のゲート」は作者が得意の数学ネタを絡めた好編で、犯人を絞り込むために一度使われたロジックがある人物の意図が判明した途端、意味合いを変えて全く違う犯人を導き出す構成が実に秀逸。
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2023年07月15日(土)
「マッド・ハイジ」観了。思いついたアイディアを整理することなく全て詰め込んだかのような意味のないシーンの多さ&テンポの悪さがまず気になる。また全体的に面白くなりそうでならない感じが続くため観ていて非常にストレスが溜まるし折角のアクションもキレが悪く微妙の一言。悪い意味で同人作品。
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posted at 18:12:10
「ヴァチカンのエクソシスト」観了。ラッセル・クロウがエクソシスト役だけあって肉体派アクション寄りかと思いきや意外にも正統派エクソシストホラーにホワイダニットミステリ要素を絡めて丁寧に描いた良作(ただドアを蹴破るシーンはさすがに堂に入っていたが)。あと相棒のトーマス神父の成長も○。
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posted at 18:12:55
2023年07月16日(日)
「君たちはどう生きるか」観了。一言で言えば新しい母親に馴染めない少年が主人公の不思議の国のアリスであり宮崎駿の作家性と死生観にぶん殴られる映画。一応ストーリーはあるものの基本的には観る人によって感想が異なる「考えるな感じろ」タイプでありこれほどネタバレが無意味な作品はないと思う。
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青崎有吾「アンデッドガール・マーダーファルス4」読了。明治の東京で小泉八雲を悩ます奇妙な幽霊騒動。北欧で起きた人魚が被告人という異形の法廷劇。更に津軽、鴉夜、静句ら怪物事件専門の探偵たちの過去が明かされる全五編収録。
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posted at 17:02:22
怪物事件専門の探偵《鳥籠使い》一行が活躍するファンタジー本格ミステリシリーズの四作目。今回はレギュラーキャラである津軽、鴉夜、静句がなぜ今のような状態になったのかその知られざる過去が明かされるサイドストーリー集の側面が強く、ミステリ度はこれまでの中で一番低い。
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posted at 17:02:22
しかしながら小泉八雲といった実在した偉人と共演させたり人魚を被告人とした法廷劇にするなど物語を盛り上げる演出面が巧く、ミステリとしてはともかく伝奇エンタメとしてはこれまで同様、問題なく楽しめることだろう。
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posted at 17:02:23
またレギュラーキャラの過去エピソード三編はいずれもファンならば見逃せない内容であり、総じて長大かつ力作だった前作の後だからこそ際立つ豪華なファンディスク的作品集である。
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posted at 17:02:23
2023年07月18日(火)
「スマイル」観了。笑いながら患者が自殺する光景を目撃したのを機に精神科医が体験する恐怖。「スマイル」を効果的に使ったショックシーンや徐々に浮かび上がってくる連鎖の構図は面白いと思うものの最終的なオチはともかく終盤のCG感バリバリな演出のせいで不気味さがだいぶ薄れてしまったのが残念。
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posted at 03:05:24