麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2023年03月25日(土)
「グリッドマンユニバース」観了。グリッドマンも遂にマルチバースに――というよりダイナゼノン含む物語の完結編を描く為のシチュエーションとしての側面が強いように思われる。お馴染みのキャラが一堂に会して戦う熱さは勿論のこと、個人的には裕太と六花の恋の行方を描く青春映画としても満足度高し。
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posted at 23:55:27
2023年03月26日(日)
サイトウケンジ「魔女の怪談は手をつないで 星見星子が語るゴーストシステム」読了。深夜のファミレスでオカルト話が好きな人気配信アイドル・星見星子と僕は自称魔女から実際に体験することができる怪談を聞くことに。その中で星子は怪談をもっと怖くするため隠された真実を解明しようとするが……。
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posted at 16:48:37
自称魔女が語る怪談の中に隠された真実を解き明かす連作ホラーミステリ。本作が画期的なのは二つ、まず本作の怪談はただ聞くだけでなく実際に体験できるようになっており様々な検証も可能である点、そしてもう一つは怪談の中に隠された真実を解き明かす理由が怪談をもっと怖くするためである点だろう。
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posted at 16:48:38
これによって怪談と論理的な推理が相反することなく見事に両立、ホラーとミステリの融合に対する一つの解答と見なすことができるだろう。加えて自称魔女が語る怪談には三つのルールが存在し、これが後々物語に大きく関わってくることになる。
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posted at 16:48:38
更に本作には謎を解くことで徐々に怪談が〝現実〟をも侵食するメタ的な怖さがあり、これが連作形式や前述した三つのルールと結び付き、やがて本作のライトなノリに隠された歪な真実を明らかにしていく過程が実に秀逸。
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posted at 16:48:39
その一方で本作は執拗なまでに怪談であることに拘っており、最終的に辿り着くタイトルの意味と絡めたオチからもそれが強く感じ取れるだろう。本作はあとがきの後にまで作者の徹底した拘りが窺えるホラーミステリの傑作である。
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2023年03月29日(水)
五条紀夫「クローズドサスペンスヘブン」読了。殺されたはずの俺が気が付くと目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると現世で惨殺された六人が記憶を無くした状態でこの天国屋敷に返り咲いたらしい。一体俺は誰なのか? そして誰になぜ殺されたのか?
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posted at 20:34:03
第9回新潮ミステリー大賞最終候補作。ある事件で惨殺された六人が記憶喪失の状態で死後の世界にある館に集結する本作は特殊設定のクローズド・サークル物にして犯人探しや自分探しなど様々な謎を詰め込んだ意欲作ではあるものの、一方で致命的な欠陥も抱えている。
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posted at 20:34:03
それは現世での殺人事件が天国の物語に比べて殆ど印象に残らないため真相が明かされてもサプライズに全く繋がらないのだ。それでも天国のルールに関してはそれなりに考えられているもののこの設定だったらこのパターンはあるだろうとミステリ読みなら当然考えるネタから決して上回ることがないのが難。
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2023年04月04日(火)
辺天使/津田穂波「ボクとキミの二重探偵」8巻(完結)読了。双子の真相に関しては予測の範疇だった反面、刑事のアレは完全に予想外でビックリした(ジョジョの某キャラを思い出したが冷静に考えれば自然な落としどころか)。しかし前巻のギャグすれすれのラストから一転、綺麗な着地でほっと一安心。
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2023年04月07日(金)
秋傘水稀「30ページでループする。そして君を死の運命から救う。」読了。夏祭り会場で銃撃事件が発生、俺にとって大事な少女が撃ち殺された悲劇を機に俺は悲劇を変えるまで謎のペンギン少女と共に何度も事件当日を繰り返すループ現象に陥ることに。しかもなぜか行動できるのは30ページ分までで……。
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posted at 23:34:04
突然30ページ分までしか行動できないという謎の制約があるループ現象に陥った主人公がペンギンの着ぐるみを着た謎の少女と共に悲劇を食い止めようとする青春ループミステリ。ちなみにこの30ページとはこの作品自体の頁数でありしかもループが始まると同時に30からのカウントダウンも始まるのが面白い。
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posted at 23:34:05
但し面白いのはそこまでで、その設定に必然性がなくただの演出で終わってしまっている点もさることながら、全体的に掘り下げが甘いまま物語が進むので、頭脳戦になっていない頭脳戦もどきを延々と読まされるのが正直かなり辛い。
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posted at 23:36:57
更にミステリを謳っているくせにそもそもなぜこんな事件が起きたのか、なぜこんな現象が起きたのか、そして銃撃事件を起こした犯人は誰なのか全て謎のまま終わるのはさすがにどうかと思う。もし続編ありきでこうしたというのであればそれは作者にとっても読者にとっても不幸な結果しか生まないだろう。
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posted at 23:36:58
2023年04月08日(土)
岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ9 After Story」読了。奇妙な三角関係が終わりを告げてしばらく。僕と彼女を待っていたのは当たり前の、だけど何より願っていた日常だった。恋人同士の何気ないやり取り、級友と過ごす高校最後の夏、それぞれの進路、そして卒業――これは二人の今を綴るその後の物語。
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posted at 13:39:54
二重人格の少女と僕の恋愛模様を描いた「三角の距離は限りないゼロ」シリーズ完結後の物語を収録した短編集。あとがきによると主人公たちが卒業するところまで見たかったという読者の声に応えたとのことで、本編の余韻にもっと浸りたかったという読者にとっては打ってつけの内容と言えるだろう。
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posted at 13:39:55
ちなみに本作は見方によっては作者のもう一つの作品「読者(ぼく)と主人公(かのじょ)と二人のこれから」のアフターストーリー的側面があるのもさることながら現在進行中の「あした、裸足でこい。」シリーズに繋がる構成にもなっており、そういった作者のサービス精神に感心させられる作品である。
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posted at 13:39:55
「ダークグラス」観了。女性版「わたしは目撃者」とも言うべきジャッロ物。アルジェントらしい強引すぎる展開が微笑ましいものの、それでも往年の作品以上に粗さを感じてしまうのは脚本がいつにも増してシンプル過ぎる故だろう。とはいえ80歳を超えてなお衰えない創作意欲は素直に凄いと思う。
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posted at 23:41:21
2023年04月09日(日)
「プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章」観了。いわゆる溜め回にあたる内容で現時点ではこれといった見所はないが、色々と伏線が仕込まれている印象はあるので最終的に全6章が出揃った時の伏線回収で評価が上がる話なのだと思う。とはいえ、このラストからどう逆転していくのか今後に期待。
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posted at 19:30:30
「オオカミ狩り」観了。海上の大型貨物船を舞台に凶悪犯罪者たちと警察が血みどろのバトルロイヤルを繰り広げる話……かと思いきや正体不明の怪人(!?)が目覚めてから物語は予測不能のモンスターホラーへと早変わり。とんでもない血の量と人体破壊の連続に気付けば爽快感すら覚える怪作である。
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posted at 19:42:57
2023年04月12日(水)
平石貴樹「スノーバウンド@札幌連続殺人」読了。札幌の街中でナンパされ、誘拐された久美子の「目の前」で誘拐犯である浩平が殺された。その犯人も見つからないうちに新たな殺人事件が起きて――。複雑に入り組む事件を解きほぐそうとする車椅子の美貌の弁護士・山崎千鶴が辿り着いた衝撃の真実とは?
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posted at 20:03:49
「サロメの夢は血の夢」に引き続き、車椅子の弁護士・山崎千鶴が探偵役を務める長編ミステリ。前作同様、関係者たちのリレー方式で語られつつもそこに手記が用いられている本作の見所は物語が進むにつれて変化していく事件の構図であり、それが同時にミスディレクションも兼ねている点がまず秀逸。
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posted at 20:03:49
その一方で一部の手掛かりの出し方はかなり大胆で殆ど答えとも言えるある手掛かりが探偵役の境遇と結び付くことで示されるほろ苦い解決は実に忘れ難いものがあるだろう。また北海道の特色を活かしたトリックも地味に(?)よく出来ているし、本作の独特な構成に隠されたある仕掛けも遊び心があって○。
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2023年04月14日(金)
小杉健治「法廷の疑惑」読了。交通事故に遭った母親が植物状態になったことで相羽李奈子の人生は大きく一変してしまった。事故の加害者である北川が出所後に起こした事件の弁護を引き受けた水木弁護士は李奈子の母親殺害未遂事件の弁護も担当することになったが、事件の裏には意外な事実が……。
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posted at 09:09:47
植物人間をテーマにした事件の裏に潜む意外な事実に小杉作品ではお馴染みの水木弁護士が迫る長編ミステリ。前半は幸せの絶頂にあった人々が交通事故による植物人間化をきっかけにいかに大きく人生を狂わされていったか、その落差のある物語でじっくり読ませてくれる。
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posted at 09:10:14
そして後半になると一転ミステリへと変貌、二転三転する展開が楽しい。尤もそこまで意外な真相が用意されているわけではないものの、かなり早い段階で仕込まれていた某シーンによるミスディレクションは成功しているし殺害未遂事件に隠された些細な矛盾からの論理的な推理は読み応えがあって○。
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2023年04月15日(土)
芦辺拓「ラブドールはなぜ殺される」読了。TS探偵が消えたラブドールと突如出現した死体の謎に挑む話。ネタ的には誰もが一度は考えた事があるものながらそこから更に発展させ奇妙な死体出現の謎を演出しつつ真相に説得力を持たせる為のHシーンまで用意した点は○(ただ所々オタク用語が滑ってる気も)
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posted at 13:45:21